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『血糖値がみるみる下がる100のコツ』主婦の友社

 医療関連書というか、健康関連書には荒っぽいものが多い。売らんかな、で手を抜いているとは言わないが、本来であれば疫学的研究などの結果を踏まえて慎重に根拠を説明すべきところを、かなりはしょってしまっているものが多いのだ。「これは効く」「病気が治った!」などと華々しく成果をぶち上げるばかりで根拠が薄弱な本については十分な警戒が必要だと思う。そうした「はしょり本」の傾向としては、健康効果の根拠が、

1)権威ある人のお薦め(ただしデータは何もなし)
2)動物実験(ラットなど)の結果
3)二重盲検などの対照実験がない、信頼のおけない「実験」

 のみであることが挙げられる。特に1)は「現在の科学では解明不可能な」という、おなじみの似非オカルティスト的妄言がセットになっていることもある。3)については、被験者数が1(つまり著者が自分で試しただけ)というものがゴロゴロあり、驚かされる。もちろん本当は無作為割付研究、コホート研究などのきちんとデザインされた研究によって証明されなければ、なんの根拠にもなりえないのである。疫学研究の研究デザインについては、坪野吉孝氏のサイトの用語解説ページが参考になる。

 で『血糖値がみるみる下がる100のコツ』だが、これは典型的な「はしょり本」である。健康雑誌の特集記事レベルで、第一章以外は「あれは体にいい」「これは体にいい」のオンパレード。残念ながら各項目で示されている根拠は薄弱なものばかりである。たとえば「1日1本の【バナナ】で、血糖値が下がることがわかった」の項目なんて、被験者はたったの10人である(しかもこれはまだマシなほうなのだ)。執筆者の中には鎌田實氏など、他に好著のある方も混じっているので、なおさら玉石混交ぶりが目につく。というか石の方が圧倒的に多いのだけど。みなさん、お仕事は選んでもらいたいなあ。

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血糖値上昇の予防に、うるウォーターが注目を集めています。うるウォーターは、糖の吸収をおだやかにする難消化性デキストリン(食物繊維)を配合した特定保健用食品で、キリン ヤクルト ネクストステージから発売されています。血糖値は、インスリンの分泌によって下げることになりますが、糖がたっぷりの飲み物や食事が続くと、高血糖になります。血糖値が高い状態によりホルモンの分泌が低下した場合、代表的な生活習慣病の糖尿病を発症することになります。うるウォーターに含まれている食物繊の難消化性デキス...... [Read More]

Tracked on November 12, 2007 at 04:58 PM

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