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(3/13)不思議と眠くない

 徹夜で原稿を書いたが終わらず、朝を迎えてしまった。

 家を出て、徒歩で警察署へ。落し物が届いているとの連絡を受けたのだ。受け取り、そのまま引き返して近くの総合病院へ。今日は糖尿病の定期健診の日である。受付をして、まず採血。結果が出るまで一時間ぐらいかかるので、家に引き返し、小物の原稿を片付ける。ファックスでそれを送ったらすぐに家を出て、病院まで歩いて戻る。道すがら気がついたのは、警察署と家の間にあるボランティアセンターに寄る用事があったということだった。来週に控えている町会の映画鑑賞会で、行事保険をかける必要があるのだ。今日中にもう一度、あの道をたどらないといけない……。

 PTAやら町会やらのボランティアを抱えながら、糖尿病という持病もあり、日々〆切に追われる生活、というのはこんな毎日を過ごすことである。仕事はボランティアが忙しくてできない言い訳にならないし、その逆もしかり。毎日なにかに追われる気分である。そういうのが好きなんですか、と聞かれたら「好きではないです」と答える。しかし、嫌いではできないことではある。

 えーと、あれだ、そう、趣味だ趣味。通院もボランティアも趣味。そういうことにしておいてください。

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(3/12)ダ・ヴィンチ4月号

 映画公開を直前に控え、今月号の「ダ・ヴィンチ」は巻頭が海堂尊特集である。この特集には企画段階から関わっていたので、ちょっと裏話をば。

 去年の暮れから企画は決まっていたから、ひそかに準備を進めていたのだけど、直前で「野性時代」が海堂尊特集を大々的にやってしまい、大いに困った。だって普段の「ダ・ヴィンチ」スタイルを先取りしたような特集なんだもの(人物相関図など)。そうこうしている間に宝島社から作家公認のファンブックともいえる『ジェネラル・ルージュの伝説』まで出てしまい、さらに大弱り。編集者と顔をつきあわせるたびに「き、企画どうしましょう」と弱音を吐きあったのも、今となってはいい思い出である(嘘)。駄目元で編集者がお願いしたら、なんと海堂さんは短篇を書き下ろしてくださった。それでなんとか目玉が出来たのだ。この短篇は『ジェネラル・ルージュの凱旋』に連なる内容なので、『伝説』所収の中篇と併せて読んでいただきたい。

 今回の特集では「海堂尊は知っている」と題したインタビューを担当している。他には映画の主役コンビ、阿部寛さんと竹内結子さんの巻頭インタビューも私。竹内さんは異常にミステリーに詳しく、びっくりした。一押しに挙げたのが『TOKAGE』というのもマニアックすぎる。今野敏の警察小説について熱く語れる女優というのは、他にいないんじゃないのかしら。竹内ファンは今野小説を要チェックだ。

 他に原稿を書いたのは、恩田陸さん『ブラザー・サン シスター・ムーン』インタビューと、光文社書店スペシャルのコーナー。後者は第12回日本ミステリー大賞新人賞を受賞した『プラ・バロック』に関する内容なのだが、作者の結城充考さんはまだ出ていません。本が出てからのお楽しみということで、これに関しては次号でまた動きがあるかも。

 ミステリーダ・ヴィンチのコーナーが無くなってからはいちばん原稿を書いた号かもしれない。疲れたけど楽しかったです。ただ、原稿が滞って編集者にはたいへんご迷惑をかけてしまった。申し訳ありません。

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(3/11)最後の運営委員会

 明日だと思っていた運営委員会が今日の午前中であることに朝気付き、焦る。
 スケジュール帳には「11日午前 運営委員会」と書いてあるのに、見て見ぬふりをしていたんだな。周辺に「○○〆切」とか「△△〆切」とか沢山書いてあるので(しかもほとんど終わっていない)、無意識のうちに目をそらしていたわけだ。人間心理の盲点をつくトリックである。

 最後の委員会なので和やかに終わるかと思ったが、突如会則の改正動議などが出てきて紛糾し、時間いっぱい論議を重ねることになった。最後だから言いたいことを言って終わる心理ですね。これも人間心理としては当然の帰結かも。おかげで5月の総会ではいっぱいやることができてしまった。

 帰宅して仕事をしていると、今度は町会の少年部役員から突然の来訪を受ける。用件は、間近に迫った映画鑑賞会の準備について。仕事着だったが面倒くさかったのでそのまま出てしまった。入院患者みたいな服装だったからびっくりされてしまったかもしれない。

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(3/10)気がつけば

 一週間近くも更新をサボってしまっていた。この一週間で何をしていたかというと、某新人賞の下読みをずっとやっていたわけである。本日一読目を完了し、原稿を返却した。

 今から溜まっていた書きものを終わらせなければならないので、本日はここまで。

 あ、Bookjapanに道尾秀介さんのインタビューを寄稿しました。更新されているのでお知らせしておきます。

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(3/4)アタック!25

 すっかり忘れていたが、某誌から頼まれていたマンガに関するアンケートの〆切は月曜日までだった。10年ごとに5作、合計25作を上げるというスタイルで、それぞれに100字程度のコメントをつけろという。

 全部で2500字か。なんちゅう文字量なんだ! 絶対無理!

 と投げ出していたのだが、やり始めてみたらすぐに済んでしまった。好きなものについてコメントするだけだから簡単なのね。2500字の書評って結構時間がかかるのに。

 10年ごとの区切りということで、作品数の制約があるため拾いきれなかったものがいくつか出てしまった。送ってから永井豪作品と谷岡ヤスジ作品を入れ忘れたことに気付いたが後の祭り。両先生ごめんなさい。

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(3/3)おやじラーメン

 一部の男性の間には、ラーメン屋のおやじ幻想がある。最近流行りの創作料理系ラーメンよりも、昔ながらの古いラーメン屋、丸首シャツを着たおやじが一人で作っているような店で出すようなラーメンの方に魅力を感じるわけである。創作料理系ラーメンというのは、店員がお揃いのTシャツを着てバンダナを頭に巻いていて、注文があるとやたら大きな声で返事をするような、ああいうお店のことですね。麺はかためかやわらかめか選べるのが普通。先日紹介した『ラーメン道場やぶり』なども、そういう幻想に貫かれた本であった。

 私もどちらかといえばおやじラーメン派である。かざりっ気のない、素朴な街の中華屋で出すラーメンが好き。ラーメン専門店よりも、レバニラ炒めなどの一品料理が混在したメニューの店に行くことが多いのは、単に混雑した店が嫌いということもあるが(並んでまでものを食べたいと思わない)、ごくごく当たり前の醤油ラーメンが好きだというのが第一の理由である。バンダナラーメン駄目、店内にモダンジャズとかのBGMがかかっているとイライラするし、食べかたにいろいろ指図をするような店には絶対に入りたくない。「スープが薄いと思った方はラーメンだれを追加で入れてください」というような指示をしてくるような店が時々あるでしょう、ああいう店です。お行儀の悪い話だが、私は一人での外食時には何かの本を読んでいるのが普通なので、それを咎められる店にも行きたくない。「がんこ」が頭につくラーメン屋で一度それをやられたので、店主と喧嘩になりそうになった。そういう進歩を拒むラーメンファンなのである。この件に関しては守旧派とか抵抗勢力と言われても仕方ないと思っている。申し訳ない。

 ラーメンが食べたいな、と思うといつも探すのが「中華料理」と書かれた白い暖簾である。戸は引き戸で自動ドア不可。できればカウンター主体であることが望ましく、ビルの二階や地下の店は却下。なんか、嫌なのである。ラーメンのために、わざわざ階段を上り下りするという動作が。ラーメンの作り手は男性でも女性でもいいが、複数の人間が作っているラーメンは不可。たかだかラーメンで流れ作業などするな。当然だが、麺の固さやスープの濃さなどうるさく聞かれたくない。店のおすすめでかまわないのである。口に合わなければ、二度と食べないだけの話だ。あ、あとラーメンどんぶりは変型のものではない方が望ましく、れんげはあってもなくてもどっちでもいい(民芸調を演出しようとして持ち手の長い木のさじを出すところがあるが、あれは駄目)。

 要するに、普通のラーメンですね。これが近所には少ないのである。私が住んでいる地域はいわゆるおしゃれスポットの一角にあるため地代が高くなっているらしく、昔ながらの店舗が存続するのは難しくなっている。詳しい人に聞いた話では、新しいビルのオーナーはラーメン屋が入ることを嫌うそうである。建物が汚くなるからだ(その結果、街にはダイニングバーを名乗る「屁」のような店ばかりが溢れかえることになり、大人の客をうんざりさせることになっている)。したがっておやじラーメン派の私はいつも肩身の狭い思いをさせられている。

 昨日も所用で都内の某所に出かけていたのだが、空腹を感じた瞬間にまず思ったのが「おやじラーメンの白暖簾を探そう」ということだった。地下鉄の駅を出たすぐのところに、それにやや近い店があったのだが、店構えにやや高級感があった。知らない街でもあり、さらに上(下?)を目指そうと思い、交差点の方へと歩を進めたとき。

 あったのである。私が理想と考える、白暖簾の店が。

(つづく)

 

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(3/1)留守宅に届いていたもの

 昨日から所用で家を空けていたのだが、帰宅したところ、大ぶりの封筒が届いていた。
 海外旅行に出かけた母からである。
 成田空港で会った際に郵便を送った旨を聞いていたので、おそらくそれだろう。中身は、子供が書いた絵のカラーコピーのはずだ。長い旅行に出かける祖母に、ということで先日A4の紙に描いて送っていた。それをコピーして送ってくれたのだ。大きな封筒で届いたのは、折らないようにという配慮であろう。

 それはいいのだが、郵便料金が四十円不足している。郵便局から「この手紙は料金不足だが配達してやるからありがたく思いなさい。速やかに不足分を払いに来ること」という紙を添えてあった。海外旅行に出かける前の慌しい中で送ったものだから、きちんと料金を確かめずに投函してしまったのだと思う。明日、不足金額を払いに行くつもりである。

 届いていたもの、もう一つ。徳間書店から宮本昌孝『剣豪将軍義輝』の単行本をいただいた。先日「問題小説」に傑作時代小説『海王』の書評を書いたが、その前篇に当たる作品である。青春小説と時代小説を融合させた、見事な作品だ。徳間文庫版が長く品切れになってしまっていたのが、単行本で蘇ったのである。時代小説好きにとどまらず、すべての読書家にとっての必読書と断言したい。『海王』と併せ、ぜひともお読みいただきたい。

 旅先で嫌な風邪をもらってしまったようで、どうにも具合が悪い。今から少し横になります。
 


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