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(5/27)日常

 仕事の本の合間に興津要の『忘れえぬ落語家たち』を拾い読みする。文人の落語エッセイでは、この人と正岡容のものが好きである。臭みがないのがいいのだよね。

 昭和の名人二十人について触れたエッセイで、ところどころに高座の速記が採録してある。そこを読むと、講談社文庫版『古典落語』の「○○」の噺は、この師匠の高座を元にしていたのか、と判るのだ。子供のころ、興津さんが編纂した『古典落語』を表紙が擦り切れるまで読んだのを思い出した。あまりにもそれがおもしろくて、『江戸小咄(正・続)』に進み同じく興津さんが監修した『東海道中膝栗毛』にも手を出したのだっけ(『東海道中膝栗毛』は、古文の素養がない方でも楽しく読めるので、ぜひお試しを)。そんなことを考えていたら、三遊亭円生について触れた項目で、

「落語家は江戸文学を読まなくてはいけません」と言って、式亭三馬の『浮世風呂』や『浮世床』を愛読していた円生は、わたしが、文庫本で、『江戸小咄』と『東海道中膝栗毛』を刊行したときは大よろこびだった。
「こんどは、『八笑人』なんかも出してくださいよ」
 と言ってくれたのだが、その『花暦八笑人』と『七偏人』とを刊行したときには、すでにかえらぬひととなっていた。

 という記述があって、たまらなく懐かしい気持ちになった。そうだ、文庫で出たのを買って読んだ覚えがある。あのころにはもう円生はこの世の人ではなくて、訃報がパンダに負けた後だったのだよな。

 書影を貼ろうと思ったが、興津さんの『膝栗毛』も『八笑人』も現役ではなかった。他の文庫のものはあったのだが、趣旨が違うのでよしにしておく。図書館などで読めると思うので試してみてください。『古典落語』も、今は学術文庫に入っているのか。

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