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(5/5)森谷明子

 読み落としていた本を片付けていたら、森谷明子『深山に棲む声』が傑作だったので驚いた。しまった、どこかで書評を書くべきだった。どこともつかない国を舞台にしたファンタジー連作だが(恩田陸『光の帝国』に似た味わいがある)、短篇集としてまとめて読んだほうがおもしろいような仕掛けがしてある。各話とも謎解きの趣向がサブプロットとして盛り込まれているのだが、ミステリーの手法が巧く花を添えているという印象だ。おとぎ話の口承がテーマなのだが、物語がいかに外殻形成され、どのように変容していくか、という伝承のプロセスに関心がある人は、興味深く本書を読めるはずである。読みながら、唸らされる箇所がいくつもあった。これはお薦め。

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