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(6/1)大統領のミステリ

 本棚を整理していたら、『大統領のミステリ』のダブり本が二冊出てきた。見るたびに買っている気がするので、おそらくまだどこかにあるように思う。どれだけこの本が好きなのか。

 ご存じの方は多いだろうが、これはアメリカ合衆国第三十二代大統領のフランクリン・デラノ・ルーズヴェルトがプロットを提供し、七人の作家がリレー形式でお話を作るという、おもしろい手法で書かれた作品である。原案者が世界最高の権力者というのが売りなのだが、ミステリーマニアとしては、アンソニー・アボットのサッチャー・コルト市警本部長、S・S・ヴァン・ダインのマーカム地方検事、アール・スタンリー・ガードナーのペリイ・メイスン弁護士という三人のスターが共演した作品という点にも関心を惹かれる。そういえば先日読了したドロシイ・ヒューズ『E・S・ガードナー伝』にはこの本のことは触れられていなかった。本書への参加は、ガードナーにとっても結構な重大事だったと思うのだけど。

 かの国の最高権力者では、第十六代大統領のエイブラハム・リンカーンも「トレイラー殺人事件の謎」という短篇作品を書いている。この珍品は丸谷才一編のミステリー・ファンブック『探偵たちよ、スパイたちよ』に野崎孝訳で収載されているのでぜひご一読を。リンカーンが弁護士時代実際に見聞した事件を元に書いたと伝えられる作品だ。ミステリーファンと伝えられる大統領も多く、第三十五代のジョン・F・ケネディがイアン・フレミング〈007シリーズ〉のファンであったことは有名だ。早川書房はこの事実を長らく宣伝に利用していましたね。翻って日本では、内閣総理大臣にそうした趣味があるとの噂をあまり聞かないような気がする。最近では小泉純一郎が加藤廣を愛読していると発言して話題になったが、そのくらいか。野村胡堂の愛読者と公言していた吉田茂は、さすがに教養人である。

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