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(8/13)プロレスライター

「週刊プロレス」の高山選手のインタビューを読んで驚いた。出だしの展開が「kamipro」に掲載されたものとまったく同じである。先行する雑誌に同じテーマ(三沢選手)のインタビューが載っていることはわかっているのだから、少しぐらい工夫したらいいのに。

 プロレス関連では最近三冊の本を読んだ。おもしろかった順に挙げると、『子殺し』金沢克彦、『闘魂の呪縛 王道の絶望』井上譲二、『ミスターデンジャー松永光弘 最後のデスマッチ』伊藤健志ということになる。金沢本は週刊ゴングの元編集長が、九〇年代後半の新日本プロレスの取材記を公開したという点に興味を引かれる。橋本・小川戦の舞台裏が描かれており、興奮して橋本をノックアウトしてしまった小川が電話で橋本に謝罪したくだりが生々しい(著者は実際にその場にいたわけではないので、伝聞による叙述なのだけど)。井上本の方は、同じく週刊ファイトの最期を看取った編集長の回顧本。ファイトがなぜ業界の異端児であったのかがよく判る本で、立ち位置としては週刊誌やスポーツ紙の記者よりもこちらの方がはるかに正しい。私にはジャイアント馬場について書かれた章がおもしろかった。馬場に可愛がられていなかった記者だからこその、やや距離を置いた視点で冷静に巨人の心理を描き出している。この二冊に比べると、松永光弘本は期待はずれ。これはライターの資質の問題で、松永の自著(といわれている)『ミスターデンジャー プロレス危険地帯』の完成度には遠く及ばない。構成の粗さが最大の難点で、ページを埋めるために松永と斎藤彰俊、TAJIRIとの対談を収録しているのだが、これが見事におもしろくない。はるか昔に収録されたものだという点を抜きにしても、会話のテンポが悪く、無駄な話題が多いので読みにくいことはなはだしいのである。よく勘違いしているライターがいるが、ライブ感のあるインタビューというのは、会話そのままを起こした原稿のことではないから。ライターを替えて、mixiで松永が書いている日記を収録した構成にしたら、本の完成度は何倍にもなっていたはずである。金沢・井上・伊藤三氏のライターとしての資質が、本の出来に直接反映された結果になった。

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