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(9/25)問題小説

 うっかりしていたが、見本誌をいただいていた。
 今月号は誉田哲也さんのロングインタビューと全作品リスト、それに急逝された北重人さんの追悼特集が掲載されている。

 北重人さんとは、一度しかお会いしたことがない。今年の大藪春彦賞授賞式の二次会パーティーでご挨拶したのが、最初で最後の機会となった。物腰の柔らかい紳士だと好意を感じた(例によって、筆名から私を女性と勘違いしていたと言われた)。『汐のなごり』について、二言三言感想を申し述べたのだろうか。あまり話した内容は記憶していない。同書は、エロティックな文章表現と枯淡とした人生観とが結合を果たした、素晴らしい短篇集である。還暦を過ぎてからデビューされた北さんは、末枯れたところのない、艶やかな文体を持った作家だった。もっと生きて、北さんにしか書けない小説を、たくさん読ませていただきたかったと心から思うのである。だが今は安らかにお眠りください。

 今月号のブックステージは、山本幸久『床屋さんへちょっと』、恒川光太郎『雷の季節の終わりに』(文庫化にあたって一章を書き足した完全版である)、曽根圭介『図地反転』の三冊を採り上げた。機会があればご一読を。


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