« (9/7)人間、蜥蜴ときて次は…… | Main | (9/8)ひとつながりの財宝 »

(9/7)樋口毅宏という作家

 先日お会いした際に北上次郎さんが「何の気なしに読んだら凄かった。お前も読め読め」と薦めてくださった『さらば雑司ヶ谷』を読んだ。仕事の合間にぱらぱらと眺めていたのだが、九ページで出てきた「俺たちは垣根を飛び越え、娯楽映画の巨匠鈴木則文が一九七七年にメガホンを取った傑作『ドカベン』において、岩鬼役の高品正弘が破壊した鳥居の前を通り」という文章にやられ、一気に読み終えてしまった。なんだこのセンス、すっげー(北上さんが凄いと言っているのは、おそらく別の部分だと思うが)。

 編集者がつけた「『不夜城』+『私が殺した少女』そして漱石著『こころ』(!)」というコピーだけでは内容が把握しづらいし、帯のあらすじも物語の肝腎なポイントを敢えて外して書いてある。みうらじゅんと白石一文の推薦文も、未読の人間にはよく判らないものである。みうらじゅんなんて「樋口さん、読みましたよ。小説スゴイじゃないですか!」って、ほとんど私信だ。芸能人が書いた小説みたいな推薦の仕方なのだが、樋口毅宏という名前は誰も知らないのである。これじゃ推薦の意味がないよ、みうらさん。

 これは戦略なのかもしれない。何がなんだか判らないけどとりあえずおもしろそう、という雰囲気だけ読者に伝わって、ページをめくってくれればいいという(私はそうだった)。でも伝わらないよなあ、これじゃ。なので、一部の好き者の方にだけメッセージを送っておきます。巻末にある、謝辞と参考文献一覧のページを見て、びびっと来たら本を買うとよろしい。逆に言うと、ここに並べられているタイトルに少しも反応しない人は、絶対に買わないほうがいい作品だ。参考までに、参考文献(資料?)の一部を紹介しておきます。

 1)書籍部門 『池袋ウエストゲートパーク』『ぼくは微動だにしないで立ちつくす』『カメレオン』(マンガ)
 2)映画部門 『ドランクモンキー 酔拳』『ビヨンド・ザ・マット』『サンセット大通り』
 3)その他部門 電気グルーヴのオールナイトニッポン、円谷幸吉と川端康成、『ニャン2倶楽部Z』

 さあ、どうだ。

|

« (9/7)人間、蜥蜴ときて次は…… | Main | (9/8)ひとつながりの財宝 »

Comments

Fine way of describing, and fastidious paragraph to obtain facts about my presentation subject, which i am going to convey in university.

Posted by: free music downloads | February 26, 2015 at 11:46 AM

Hello to every one, as I am actually eager of reading this website's post to be updated on a regular basis. It consists of nice information.

Posted by: best eye wrinkle cream 2014 over age 60 | March 03, 2015 at 04:01 PM

This site was... how do you say it? Relevant!! Finally I've found something which helped me. Cheers!

Posted by: minecraft games download | March 28, 2015 at 02:16 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/61260/46148716

Listed below are links to weblogs that reference (9/7)樋口毅宏という作家:

« (9/7)人間、蜥蜴ときて次は…… | Main | (9/8)ひとつながりの財宝 »