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(11/30)ミステリマガジン一月号

 早川書房からいただいていたのであった。今月号は、小鷹信光訳『デイン家の呪い』が出るのに合わせてダシール・ハメット特集。小鷹さんと諏訪部浩一さんのハメット対談が非常におもしろい。諏訪部さんは「web英語青年」で「『マルタの鷹』講義」を連載されているので、関心がある方は読まれるといいでしょう。URL

 今月のレビューで採り上げた作品は、『世界名探偵倶楽部』パブロ・デ・サンティス(ハヤカワ・ミステリ文庫)、『おいしいワインに殺意をそえて』ミシェル・スコット(ハヤカワ・イソラ文庫)、『黒猫ルーイ、名探偵になる』キャロル・ネルソン・ダグラス(ランダムハウス講談社文庫)、『ムーアに住む姉妹』ジェイニー・ボライソー(創元推理文庫)の四冊。この他カラーグラビアページに、先日の初野晴・真藤順丈対談の模様がレポートされている。

 そういえば紀田順一郎さんと石上三登志さんの新連載が同時に始まったのだが、第一回だけを見ると、回顧譚ということもあって両者のトーンが少し似ている。そのために印象が重なって相殺されてしまっているのだ。少しだけ連載開始時期をずらしておけばよかったのに。おもしろい内容なのにもったいないと思いました。

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(11/30)僕たちの好きな東野圭吾

 宝島社から見本を頂戴した。ありがとうございます。以前B5版で出ていたものの文庫化なので、買い逃した方はどうぞ。私は「東野圭吾の裏テーマは『女はおそろしい』である」という文章を寄稿しています。二次収録ということで、ページ数均等割りで印税をいただけるらしい。獲らぬ狸の皮算用で勘定してみたが……お、一杯飲めるくらいにはなるか。ありがたしありがたし。かっちけねえ。

 十一月も本日でおしまい。明日からはいよいよ師走だ。実は、本日は翻訳ミステリー大賞の投票〆切日ということもあって、裏でばたばたしております。皆々様もお気をつけて。

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(11/29)黒く塗れ!

 昨日は都内某所にて密談の会。といっても別に悪だくみをしていたわけではないのだけど。

 千街晶之氏にお会いしたので、ちょっと頼みごとをしてみたらあっさりと断られた。某書店からトークイベントの打診をされていた件で、「千街くん、一緒にやろうよ。黒千街になってさ、いろいろ腹黒いことを話してよ」とそそのかしたのだが、駄目でした。人前で喋る仕事は、一切受けていないんですと。いいキャラクターなのにもったいないなあ。動いている千街氏を見かけることがあったら、とても貴重な機会なので、オオカバマダラを見るような視線で暖かく見守ってあげていただきたい。

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(11/28)すごいすごい

 あちこちで話題になっている駕籠真太郎『フラクション』を読んでみた。ミステリーだというのである。

 ……たしかにミステリーだった。しかも、かなりびっくりさせられるようなことをやっている。エログロ耐性がある人は読んだほうがいいと思います。駕籠真太郎だからね、臓物とかはいっぱい出てきます。

 物語は、輪切り魔と呼ばれる連続殺人者が東京・世田谷区(拙宅の近所だ!)を徘徊しているらしい、というところから始まる。喫茶店でアルバイトをしている主人公が、ある理由から輪切り魔を捜すことになるのだ。並行して、漫画家・駕籠真太郎と編集者が打ち合わせをしている模様が描かれる。編集者は輪切り魔を捜す過程をドキュメンタリータッチで漫画にしてはどうかと提案する。それに対して駕籠は、自分のやりたいのは読者を騙すタイプのミステリーだと表明し、叙述トリックの魅力を延々と語り始めるのである。

 つまり叙述トリックで何かやるんだな、という先入観を読者は与えられるのだが、それが足を引っぱらないほどに真相は意外性があるものなのだ。保証します。繰り返して書くが、エログロ耐性がある人は読むべし。

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(11/27)闘うベストテンの新趣向

 今年の「闘うベストテン」で扱われる候補作が、AXNミステリーのサイトで公開された。昨年までは国内、翻訳作品でそれぞれベストテンを選んでいたのだが、今年は両者を一緒にして一つのランキングを出すのである。ということは、『粘膜蜥蜴』が『フロム・ヘル』と闘うことになるわけですよ! これはなかなかおもしろい趣向だと思う。果たして国内と翻訳、どちらが一位に輝くことになるのか。

 そして今回からは、視聴者が参加できるようになった。「あなたが選ぶベストミステリー」を投票すると、抽選でプレゼントがもらえるようなので、ぜひやってみてください。その一票がどんな風に番組に反映されるのかは、まだ秘密だ。

 番組案内はコチラ

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(11/27)関係者向け

 そういえばうっかりしていたけど、翻訳家のみなさん、翻訳ミステリー大賞の一次投票〆切日は月曜日ですよ。

 たぶんこの日記を見ている方もいらっしゃると思うので告知します。投票資格があるのは、一冊以上フィクション系の訳書があるか、それに準じた方。奥付ベースで二〇〇八年十二月一日から二〇〇九年十一月三十日までに出た本が対象で、上限三冊まで投票可です。詳しくはコチラ投票先アドレス

 この投票、私を含めた事務局の人間が手作業で、集計するのでたいへんなのです。手作業です(大事なことなので二回書きました)。〆切間際にぶわっとくると死んじゃうので、この土日に送ってくださると嬉しいな。

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(11/27)グルメ本のこと、もうちょっと

 勝見洋一『ラーメン屋の行列を横目にまぼろしの味を求めて歩く』を読み終わった。集中して読めばすぐに終わってしまうような本なのだが、もったいないのでちびちび味わっていたのだ。

 これはやはりたいへんにおもしろい本だった。勝見さんは文化大革命のころに北京にいた人であり、またフランス留学経験もあって中と仏の料理を現地で飽きるほどに食べてきた。したがって、中国料理とフランス料理(特にビストロで供されるようなもの)に書いたくだりは垂涎の迫力がある。だからといって悪戯に高踏的であるわけでもなく、幼時に給食で出された冷えた焼き蕎麦などについて書いても、こちらの郷愁をくすぐりながら味蕾を刺激するような文章を綴ってくる。勝見さんと私は年齢が違うのだから、同じ風景を懐かしいと感じるわけがないのだが、その辺は文章の技術である。

 しかも分析的であり、学術的でもある。「麻婆豆腐伝説」の項では、明代末に四川省の住民が内乱のため全滅した、という耳慣れない学説を引き、そこから四川料理に唐辛子が多用される理由を推理してみせる。「煙草とパリの味」は、全喫煙者に贈る福音書のような内容。フレンチ変質の理由が、禁煙運動の高まりと絡めて説明されているのである。そうかと思えば、「ニューヨークのソーダファウンテン」はボブ・ブリーンのような洒落たスケッチ。ストリップ劇場の踊り子に串焼きをたかられる「ヤキトリと踊り子」は田中小実昌のような味だ。要するに柄が大きく、しかも繊細であるのだ。さまざまな食にまつわるエッセイを読んできたが、ここまで卓越した文章に出会ったことはなかったように思う。読んでいるうちにそこに書かれているものが食べたくなる、というグルメ・エッセイはよくあるが、これはすでに無くなってしまった「まぼろしの味」の本だ。金を積んだとて、手に入らない代物ばかりが紹介されているのである。本書を読むと、時代に間に合わなかった、という悔悟の念と、失われた文化遺産への憧憬の双方が心中に立ち上る。その気持ちを起こさせることが、自然と文明批判につながっていく仕掛けなのだ。清明な主張の、万人が読むべきエッセイであると私は思う。

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(11/26)ボワロー&ナルスジャック

 仕事の資料を借りるため図書館に行ったら、ボワロー&ナルスジャック『私のすべては一人の男』(ハヤカワ・ノヴェルズ)があったので、つい借りてしまった。うちの書架にも同じ本があるのに。そんなわけで今『二人の男』がいる。

『私のすべては一人の男』がどういう作品か気になる人は、「翻訳ミステリー大賞シンジケート」の日下三蔵氏の記事を読むこと。古本屋で買うと高いが(一万円以上する)、ちょっと探せばこんなふうに図書館でも借りられます。お金を無駄遣いしないようにね。

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(11/25)素敵なグルメ本

 本当は全部読み終えてから書こうと思っていたのだが、勝見洋一『ラーメン屋の行列を横目にまぼろしの味を求めて歩く』があまりに素晴らしいので、中途で感想を書く。

 題名にもあるように、今はもう失われてしまった数々のまぼろしの味について語る内容である。第一章の中に「新興宗教とラーメン」という文章があり、これがもう一語一句を写したいほどに我が意を得た内容だった。

 勝見は「東京のラーメンでは必ず語られる」「行列に並んでから三十五分」は当たり前の店で驚愕させられる。「醤油の塩分をあおっているだけで、ダシの馥郁とした世界を語っていない」スープに「茹でる前の半感想状態」の麺。刺激第一の料理とはいえない料理をつきつけられ、勝見は決意するのだ。「こんなの食べていては病気になる。ラーメン屋のカウンターで脳溢血に爆死す、ということになりかねない。出よう。健康第一!」

 新橋生まれの勝見は、子供のころはラーメンが大好きで「浜松町、新橋、銀座、日本橋の京浜国道ライン」にあるラーメン屋はほとんど制覇したはずだという。その勝見がカルチャーショックといってもいいほどに驚かされたのだ。あんなものはラーメンではない、と思いつつも実証精神に則り勝見は各店のラーメンを食べ比べてみる。そしてことごとく討ち死することになるのだ。文京区音羽にある「TVチャンピオンラーメン職人王選手権」優勝者の店では「ラーメンとは別の一品料理をラーメンの上にぶちまけた感じ」の具に違和感を覚える。「ラーメン食べながらビールが飲めそう」なのだ。また、日暮里の「豚骨スープと魚介系スープをブレンドした」「おまけに丼に魚粉まで入れる」という店では、「生臭さが口から喉へ鼻へと引っ掻き回しながら吹き抜け、たったひと啜りでノックダウン」される羽目になる。

 こうした行脚の果てに辿り着いた結論は、現在のラーメン作りには何の制約もなさすぎるということである。料理にも常道があり法律がある。法律のない料理は料理ではないのだ。勝見は言う。「驚くな、サンマを焼いてその搾り汁をダシにしている店も存在するらしい。それって生ゴミの臭いと違うか」

 勝見の態度を頑迷な古老の言い草と笑う読者もいるだろう。しかし、ラーメンの世界が日に日にマニア向けの世界になり、街場の味を失いつつある現実を知る者は、この意見に対して大いに頷きたくなるはずである。「どこかでボタンのかけ違いが起こり、やらなくてもいいこと、本物のプロならば絶対に踏み込もうとしない袋小路の掘り返し工事ばかりやっている」という勝見の意見に賛同する人は、この本を読んだほうがいい。

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(11/24)ミステリが読みたい! 補遺

 同書の企画で、投票以外に私が関与しているのは「2009年、コージーはこれがお薦め!」と「ミステリマガジン年間ベスト短篇を語る」のコーナーである。後者では小山正さん、日下三蔵さんとともに座談会に出席し、二〇〇九年一月号から十二月号に掲載された短篇について月別に品評した。コージーのページは、私からお願いして設けてもらったものだ。投票方式のベスト、しかもサプライズやナラティヴといった項目が評価されるランキングだと、シリーズものはどうしても割を食ってしまう。意外な落ちをつけるのは難しいし、安心感のある読み心地を求められるコージーで「信用のならない語り手」のような奇手を用いることはできないからだ(ランク入りした『ペニーフット・ホテル受難の日』と『ルイザの不穏な休暇』が、いかに難しい課題をクリアしている作品かよく判るでしょう)。それにコージーには、親しみの持てる主人公の物語を読むという側面もあり、恋愛や家族の問題が犯罪事件と同等の価値をもって綴られることが多い。そうした作品群を紹介しないのはもったいないし、偏向していると思う。今年の話題作を紹介するとともに、現在進行中のシリーズについて簡単に解説したリストをつけておいた。コージー好きの人はぜひ手に取ってみてください。

 ところで、あちこちで評判になっている新投票システムなのだが、編集後記に大編集長が「HMM移動編集会議で、本書のリニューアルにご協力いただいた」メンバーを列挙して謝辞を述べている。私の名前もそこに入っているのだ。「くろまくー」(byレティ・ホワイトロック)とか言われるのが面倒くさいので、伏せてあったのに。そうなんです。面倒くさいシステムを考えた責任の一端は私にもある。投票者のみなさんごめんなさい。でも、これで独自色のあるガイドブックができて、読者のみなさんに喜んでもらえると思うし、良かったでしょ。ね、ね、ね。良かったよね。だから許してつかあさい。来年も投票をがんばりましょう。



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(11/22)ミステリが読みたい!

 早川書房から2010年版「ミステリが読みたい!」見本をいただいた。
 今年から投票方法が一新され、独自色が強まった。投票者はストーリー、キャラクター、サプライズ、ナラティヴ(語り口)の四項目について、一作品についてそれぞれ最高で二十五点を投票する。投票作品数は十~二十作品。したがって最大で、八十個の項目を評価することになるわけだ。膨大な量の投票数になるわけで、集計がたいへんだろうな、と思っていた。

 その結果としてどんな作品が選ばれたかは本をご覧いただきたい。四項目すべての点数を合計した総合部門(一作品につき最大百点が入る)と、各部門(その作品に投票した人が与えた点数の平均)の五つのベストが発表されるとともに、新人作家(翻訳の場合は初めて翻訳された作品)のベストも発表された。ストーリーならこれ、語り口ならこれ、という具合に好みの指標で本を選べるため、従来の形式よりはガイドブックとしての利便性も高まった。さっと結果だけ見るのではなく、本選びに活用したい人向けのベストガイドである。

 投票された作品について、上位百作のレビューがついているが、これを書いたのはたぶん編集者のはずだ。たいへんだったろうなあ。レビュー+各投票者のコメントという形式になっていて、コメントを拾っていく作業も面倒くさかったと思われる。先月は早川書房からの原稿督促が緩かったが、そうか、この作業がたいへんすぎて、人の原稿を取っているどころじゃなかったのね。おつかれさまでした。国内海外合わせて二百作品が掲載されているが、中に一つだけ投票者コメントが無い作品がある。投票者が面倒くさがってコメントを書かなかったのだな。二人が投票していて、二人とも書いていなかったわけだ。この不精者め……って実はその投票者の一人は私なのでした。すまんことです(杉江松恋は反省しる!)。

 ちなみに、今年度に関してはオールタイムベストも掲載されている。あえて「forビギナーズ」と謳ったランキングなので、初心者の方はこちらを参考にしてミステリーを読み始めることもできる。


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(11/21)板尾創路さん

 昨日は、都内某所で板尾創路さんにインタビューをしてきた。一昨日『脱獄王』の試写を観ていたのはそのためだったのである。取材時間があまり無かったので無駄話はできなかったのが残念。記事は「ダ・ヴィンチ」二月号に掲載されます。

 おなじみブックジャパンに月例の書評を寄稿した。詳細はコチラ
採り上げた本は、ジョー・R・ランズデール『ババ・ホ・テップ』、平山夢明『ダイナー』、道尾秀介『球体の蛇』の三冊。原稿〆切の前日に届いた伊坂幸太郎の新作が読めたら入れたかったのだけど、時間切れになってしまった。


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(11/20)なぜか女にゃちょいと弱い

 昨日は都内でも最高気温が九度という冷えこみの一日だったらしい。九度って。妻がインフルエンザなので三階に隔離して、子供と私は二階の居間に布団を引いて寝ている。寝相の悪い子供に蹴り出されて眼が覚めたので、こうして日記を書いている次第である。目覚まし時計として、子供はなかなかいい働きをする。この冷え方からすると、今日も寒い一日になりそうだ。

 十一月十九日は、懐かしいけど思い出せない曲を聞いたことから始まった一日だった。駅前に新装開店する店があったらしく、チンドン屋が来ていたのだ。チンドン屋をわざわざ呼ぶくらいだから、賑やかしの店なのだろう。パチンコ屋? 寒いのでわざわざ確かめに行く気力もなく(図書館でシリアルキラーに関する本をたくさん借りて帰るところだったのだ)、帰宅してから頭の中にチンドン屋の演奏している曲がこびりついていることに気付いた。

 くーもーといっしょに あのやまこーえてー

 歌えているし。私、歌えているよ。題名もわからない唄なのに。気にはなったのだが、確かめるすべもなく、暇もない。知らない唄を口ずさみながら再び外出した。

 行く先は角川映画の試写室である。「板尾創路の脱獄王」を観に来たのだ。板尾創路監督・脚本・主演作品で、個人色が非常に強い。前半を観ているときは、これ吉村昭の『破獄』じゃん、と既視感に駆られていたが、後半に入って物語が変なよれ方を始める。おお、来た来た、でもその展開は作品としてどうなのよ、と落ち着かない思いをさせられていたのだが、結局最後にはしてやられることになった。なるほど。これから観る方のために詳述は避けるが、非常に納得させられる、理詰めの映画でした。『破獄』は読んでから観たほうが楽しめると思う。もしくはNHKでドラマ化された映像作品か。緒方拳の演じた脱獄囚が板尾、津村雅彦の看守が国村隼という役どころである。余談ながらロケ地が愛知県犬山市の明治村だということで、島田荘司のあの作品が頭をよぎった。なんだか、断片の記憶ばかりが蘇る日である。

 くーもーといっしょに、あのやまこーえてー

 その足で池袋に行き、講師を務めて帰宅。帰りの電車の中で思い出した。そうだ、「てなもんや三度笠」の主題歌じゃないか、それは。あんかけの時次郎を演じた藤田まことが歌っていた、あの唄である。一回しか観たことがない番組だというのに、よく憶えていたものだ。だが、未だに曲名は不明。ググればなんとかなるような気もするが、そこまでする義理もなし。行けば街道は日本晴れ、と続くのだよな、と納得しておしまい。藤田さん、早く病気を治してまたお芝居を続けてください。

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(11/19)びっくりしたっす

 某社某氏から某企画についてのお手紙を頂戴する。

 数年前から進行していた某企画は、二年前にこちらから原稿(正しくはゲラ)を送ったきり連絡がなく、梨のつぶてになっていた。てっきり企画ごと消滅したものと思っていたが、しぶとく生き残っていたようである。慶賀の限り。しかし、中断の期間が長かったわりに、「今までゴメン。やっぱりやります。これからビシバシいくんでそこんとこ夜露死苦!(大意)」という封書一通送っただけで企画を続行させようとするのは虫が良すぎるのではないかという気がする。だいたい、二年前にゲラを送り返したとき、こっちは入院中で半分死にかけていたわけなのだが。「急いでゲラを送り返してもらわないと間に合いません、早く早くぅ!」と急かすので、ベッドの上で必死に朱を入れて返送したのである。それなのに、担当者から連絡一つなく(こちらの事情を話していないので仕方ないのだが)、放置プレイの二年間というのでは、どんな岸壁の母でも端野新二を諦めようというものである。そうではないかしら?

 頂戴した手紙をすでにどこかにやってしまったのでおぼろげであるが「みなさんも忙しいでしょうし、編集者が原稿にどんどん修正を入れるっす、進行厳しいんで仕方ないっす!(大意)」というような断り書きが入っていたように記憶する。そんなに急いでどこに行く、端野新二。いや端野新二は今も大陸にいるそうなんですが。

 まあ、向こうに非がある話だし、今度はどんなに急かされても融通を利かせる気はないし、納得がいくまで原稿の修正はやらせてもらうので自分としてはなんの問題もないのだが、人によっては激怒する対応だと思う。いや、もしかすると怒っている人もいるのかな。普通ここまで空白期間ができた場合は、「当方に非のある話ですので、企画参加の見直しを含めて、参加者の方の意向をうかがいたく。ちなみにこの件の報酬はこのぐらいで、刊行時期はいついつで、見込まれる作業量はこれだけで……」というお伺いから話を始めるべきなんですがね。あー、そういえばこの件、ギャランティの話を聞いてないや。今さらいいけど。

 まあ、このくらいグダグダなのは日常茶飯事。素敵な稼業だ!

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(11/19)闘うベストテン

 AXNミステリーのサイトに十二月十九日(土)の「闘うベストテン」公開収録の告知が出ていました。リンク先から応募ができますので(無料)、関心ある方はどうぞ。

 念のため文章をコピペしておきます。
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AXNミステリーBOOK倶楽部の書評家たちが、今年のミステリー書籍ベスト10を決める「闘うベストテン」の公開収録のお知らせです。この番組は4名の文芸評論家が、1年間に出版されたミステリー(国内、海外)の中からベスト10を選ぶもので、出演者4名は、それぞれのおすすめ書籍を上位にランクインさせようと、激しいバトルを展開します。この番組の公開収録に70名様をご招待!
奮ってご応募ください!

特別番組
「第1回 AXNミステリー 闘うベストテン supported by J:COM」
公開収録ご招待 70名様
※参加ご希望人数(1名様又は2名様)を選択ください。
収録日:12月19日(土)13:00〜
場 所:青山ブックセンター本店内カルチャーサロン青山
出演者:
司会:豊﨑由美(フリーライター)
香山二三郎(コラムニスト)
大森望(翻訳家)
杉江松恋(書評家)
石井千湖(ライター)
初回放送日:12月27日(日)21:30〜22:30

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 ちなみに今年から、新趣向がいろいろ導入される予定である。視聴者向けの企画もあると思うので、決まり次第報告いたします。

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(11/18)来年もよろしく

 昨日はAXNミステリーの収録日だった。番組の最後に、「来年もよろしくお願いします」などと挨拶をするのが奇妙な感じ。十二月放映分だからしかたないのだけど。来月収録する分では、「あけましておめでとうございます」なのか。お屠蘇気分か。

 打ち上げは先月と同じ三宝で。関係者の間ではすっかり「プロレス(焼肉屋)」という名前が定着していて、「じゃあ、プロレスで」とか「プロレス寄って帰るか」とか言い合っていた。まるで会社帰りに水道橋に寄っていくプロレスマニアのようだ。橋の上で裏ビデオ(前田アンドレとか)売ってたなあ。

 肉を食いながらいろいろとここでは書けない密談。なぜかTwitterの話になって、トヨザキ社長から「今の時代でTwitterをやらないのは物書きとして駄目だ、ヘソ噛んで死ね(大意)」というような説諭をされる。そういうものなのか。でも、呟きたくないんだよなあ。他にお客さんもいなかったので長々と宴会して帰宅。なぜか電車を乗り間違えて、気がついたら清澄白河にいた。終電も行ってしまっていたので泣く泣くタクシー。えらい散財である(杉江松恋は反省しる!)。

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(11/16)意外なことばかり起きる

 ランキング投票が一段落したと思ったら、三誌から追加で依頼を頂戴した。おお、油断していた。すべて別々のジャンルなので、これは改めて考え直さないといけないのである。

 意外といえば、逮捕された市橋達也容疑者が持っていた文庫本が道尾秀介さんの『向日葵の咲かない夏』だったとかで、Amazonの在庫が急になくなっている(ン十万部刷ったはずなのに)。現在のランキングは五十九位で、本の入荷は三~五週間待ちだそうだ。今朝から道尾さんのインタビュー原稿を仕上げていたので、偶然の符合で少し驚いた。このことについては道尾さん自身がブログで触れている。現実の事件で起きたことと(しかも文庫を買ったのは逃避行中だろうし)小説を関連づけられても作者は困るだろう。市橋容疑者も、買うなら『バッド・モンキーズ』あたりにしておけばよかったのに(正体不明の組織から指令を受けて殺人を重ねる人物が主人公なのだ)。

 さらに意外だったのは、本日昼頃に流れたニュースだ。東京青山のマンションで変死体が発見されたそうなのだが、それは日本推理作家協会の事務局が入っているところなのである。ヒトゴロシの小説をたくさん書いている人が集まるビルで普通ではない死に方をした人がいたわけだ。因果なことである。
 

 

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(11/13)新宿警察

 今日あたり配本になるのではないかと思います。新宿警察シリーズの文庫本第四弾『新宿警察4 新宿生餌』は、双葉社刊の『続・新宿警察』を二分冊にしたもので(もう一冊は『新宿警察3 所轄刑事』)、可能な限り調べた書誌データを巻末に付しました。

 ただ、入校後に『新宿警察 その暗黒の恋』の連載データを入れ忘れたことと、双葉文庫自体の書誌データを入れ損ねたため、完全とは言いがたい出来であります。なんとか重版して、加筆する機会があればいいのですが。


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(11/12)シンジケートは呟く

「翻訳ミステリー大賞シンジケート」事務局がTwitterで更新情報を流し始めたようである。ID(で合ってるのかな?)はHonyaku_Mystery。Twitterを使われている方は、よかったら見てみてください。私は個人でTwitterを使わない方針なので、こちらの更新投稿にはあまり関われないと思います。

 以前にこの日記で、Twitterに代表されるつぶやきツールについて、推敲しない文章を人目に晒すことに対する疑念を持っていることを表明した。あのあと某氏から、「未推敲の文章を人に読ませる行為は、ツールではなくて、書き手の問題なのではないか。ブログだって、そういう垂れ流しの文章を書けるわけじゃん(大意)」というご指摘をいただいた。それはその通りである。Twitter利用者を批判しているように思われたら申し訳ない。お詫びします。

 書き手の意識の問題なのである。内から発したものをどこかに届けようとする思いが文章を書くための動機である。「届け」と思い、届かせるために最善を尽くす。だが、どこまでいっても「届いている」という思いは自己の幻想でしかなく、本当のところはわからない。届いていると思いこんでいるだけの話で、実はどこにも届かないものを書いているのかもしれないのだ。恐ろしいことである。だが、恐ろしさを自分で引き受けなければならないとも思う。今こうして書いているものが自己の幻想の内壁に投げ当てている礫にすぎないのか、いつかは誰かから返されるキャッチボールであるのか、確かめる術のないままにただ最善を尽くしながら「届け」と念じ、文章を綴るしかない。つながっているという幻想に逃げ込んじゃだめだ。それは自分を弱くする。そうした自戒が、書き手には必要なのだと私は信じている(だから、最初から配信だけが目的で諸ツールを利用するというのは、正しいあり方なのだとも思います)。

 昔ホームページを設置したてのころに、福井健太氏から「杉江さんはネットに期待しすぎ。反響を期待しちゃだめですよ(大意)」と言われたことがある。そのことが自分の中でどこかにひっかかっている。インタラクティヴ、という理想に、私もやはり踊らされていたのだ。機能としてはレスポンスを期待できるツールだが、礫は礫である。そのことを忘れてはいけない。礫はもろかったら、当たった先で崩れる。雪の礫を投げ返してくれる人間はいないのだ。せめてしっかりと固めて、万分の一でも受け止めて放り返してくれる礫を作らなければいけないと思う。

 会社員時代、普及し始めたインターネットが職場の環境をどう変えていくのか、情報通信系の研究員に聞いたことがある。「インターネットが実現するコミュニケーションで、仕事の効率は上がるんですか」と聞いた私に、その研究員は言った。「いや、みんながネットを見だして怠けるから、むしろ落ちると思います」。そのことを思い出した。根は同じことである。道具は変わっても、使う人は同じ。作るものも同じ。一人で淋しいことも変わらない。

 

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(11/11)三津田信三さんとのトークセッション

 ジュンク堂さんに告知していただきました。

 定員五十名かー。ちょっと少ないような気がするが、ブックカフェでの開催だからこれ以上は入らないのかな。
 池袋店で別のイベントをやったときには、机を取り払ってぎっしり人を詰めたら八十人くらい入ったのだけど、それはそれで大変なような。

 とりあえず内容については今から検討します。

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(11/10)今年も闘います

 青山ブックセンター本店のホームページにはまだ告知が出ていないのだけど、AXNミステリーの番組内でお知らせが流れたというので書いてしまいます。

 毎年恒例「闘うベストテン」の公開収録を今年も行います。時期は例年より少し遅くなって、12月19日(土)。13時開演で15時終了予定です。問い合わせ先などがはっきりしたら、この欄でもまたお知らせします。

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(11/6)文庫解説

 東京創元社から見本をいただいた。
 あのアントニー・バークリーの名作『毒入りチョコレート事件』の解説を書かせてもらったのである。創元推理文庫が存続する限りは、おそらく消えることがない作品であるだけに緊張感も一入。気合を入れて書いたので、初読の方もそうでない方も、どうぞご覧になってみてください。


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(11/5)初心者のための作家入門講座

「翻訳ミステリー大賞シンジケート」で新企画を始めました。名づけて、「初心者のための作家入門講座」。

 あの作家はおもしろいってみんな言うけど、作品数が多いし、どこから読んでいいかわからない……。

 そう思っている人を対象に、最初に読む三冊はこれ、というお薦め本を挙げていきます。講師を務めるのは、翻訳者や書評家など、作家のことをよく知っている方たち。第一回はスティーヴン・キングの魅力を、キング翻訳者として名高い白石朗さんに教えていただきました。詳細はこちら

 さて来月は、どんな作家を、誰がお薦めしてくれるのでしょうか。

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(11/4)午前零時のサンドリヨン

 鮎川哲也賞の選評はいつも分析的で参考になるのだが、今年は特に優れている。受賞作『午前零時のサンドリヨン』を読了して、そう感じた。北村薫さんが新たに加わった効果なのだろうか。

 興味深かったのは、笠井潔氏がこの作品の語り文体(主人公の僕が読者に語りかけるように綴る)について「庄司薫の『赤頭巾ちゃん気をつけて』を思わせる」とし「薫文体の軽さは、軽さという重さであり、それは時代によって形が異なる」(この物言いはわかりにくいが、庄司は時代の空気に逆らってあえて軽さを選択した作家である。そうした意志の重みを指しているのだろう)が、『午前零時のサンドリヨン』の作者である相沢沙呼は「軽さの意味をあまり深く捉えていない」「この文体がそのまま四十年後でも通用するだろうか」と批判した点である。

 鮎川哲也賞の受賞作品にそこまで時代と切り結ぶことを求めるべきか、という異議がありうるということを一応指摘しておきたい。だが笠井氏は文体以外にも、「この時代を生きることへの作者の態度に疑問がある」とし、問題点を複数挙げている。「ケーキのトッピング程度」「(主人公の苦悩を)この程度に設定しておけば、悩んでいることになるだろう、悩んでいる人物として読者に通用するはずだという判断の常識性」(常識を疑いもせずに作品に書き込んでしまう無邪気さへの恐れ、ということか)といった厳しい批判は、小説を読んだ限りでは的確なものである。米澤穂信作品の持つ「苦さ」のようなものが欠けているという指摘ももっともだ。

 この点について、山田正紀氏は優しい弁護を述べている(どうやら四人の選考委員のうちで山田氏が一番の擁護論者だったらしい)。「ちょっとビターでスイートなラブコメ」として本書を推すという意見には賛成だ。小説をそういう観点から評価する人がいてもいいのである。主人公とヒロインの人間関係を「『うる星やつら』のあたるとラム」に喩えたのは若干誤解を招きかねないが、高橋留美子の名作の如くヒロインが主人公を追っかける図式が成立しているのではなく、ボーイ・ミーツ・ガールの図式と、「ヒロインの真の顔を主人公が知ること」が物語の主題になっているという点に山田氏は相関を見出されたのではないかと思う。

 島田荘司氏は両者の意見を公平に聞き比べた結果、山田氏支持に転じたようである。その指摘も的確。主人公を「安全な愛玩動物的男子」と断じ「少女趣味型の定型パーツ」によって組まれた物語と作品を評した。これももっともである。島田氏が笠井氏と異なる点は、あくまで視点が読者寄りであることだ。作品がミステリ・マニアのスノビズムに彩られていることは認めつつも、読者の立場から見て場合、文章と物語運びに逃れがたい「吸引力の強さ」があることを大きく評価し、それを作者のセンスと見なした。笠井氏が認めなかった語りの文体も、その吸引力のための撒き餌と見做したのである。この辺の違いに、両者のミステリ観が見えて私にはおもしろかった。

 最後の一人、北村氏に関しては、作品が持つ老練な感じに着目し、応募作が受賞後の書き直しによってどの程度改善されるかにこだわられたようであった(他の賞でも同様の評を見たことがある)。これはあくまで『午前零時のサンドリヨン』一作に限ったことで、作者である相沢氏の「のびしろ」の有無を問う評ではないだろう。

 公刊された作品に、どの程度加筆修正がなされたかは知る由もない。だが「まとまり過ぎ」という北村氏の評は、笠井氏の批判と同様、この作者が真摯に受け止めるべき言葉だと私は考える。『午前零時のサンドリヨン』は、愛らしく、素敵な小説だ。作品としての完成度も高い。四つの小エピソードが最後にまとまったときに真の解決が訪れるように設計された小説で、伏線の置き方や、恋愛ドラマとの組み合わせなどにも芸があって、誠に結構である。だが、このまとまりはあくまで今回限りのものなのだ。愛嬌のある主人公、わかりやすい弱点があるヒロイン、甘いラブコメ風の雰囲気など、すべての要素が今回は正の方向に働いた。逆に言えばどれを欠いても成立しなかった物語ということで、似たような部品を使って第二の『サンドリヨン』を作ることはできないのである。

 作者が資質を問われるのは次回作だろう。願わくば本書の続篇ではなく、まったく違った題材によって読者に向き合われることを期待する。「DL2号機事件」の次は、やはり『11枚のとらんぷ』であってもらいたいのだ。


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(11/3)おおそうだ

 すでにこちらでも宣伝していただいているようですが、AXNミステリーで綾辻行人さんのインタビューをやらせていただいたのが、本日から放映されているようです。収録日は台風が関東に大接近したあのときで、我が家ではえらいことになっていたのでした

 放送日は以下の通り。

放送日
11/3(火)16:00
11/3(火)26:30
11/4(水)26:45
11/11(水)16:00
11/12(木)26:45
11/14(土)17:15
11/17(火)16:00
11/19(木)26:45
11/24(火)26:45
11/26(木)16:00
11/28(土)17:15
11/30(月)26:45

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(11/3)たらりらったりったらった

 対談のため、初野晴さんの『1/2の騎士』を読み返していて気付いたのだが、終章で明かされる大仕掛けのための伏線が、初めのほうでかなり大胆な形で置かれていることに改めて気付かされた……が、同じところにひっかかった人はきっとおいちゃんかおばちゃん(車寅次郎風)のはず。この本の主要な読者層と思われる十代の男女は、それがどうした、という感じで読み飛ばしたものと思われる(キーワードを入れてネット検索したのだが、引っ掛からなかった)。物語を楽しむ上では気付かなくてもまったく構わないのだけど、個人的にちょっとおもしろかったので書いておきます。

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(11/3)今のところ大森さん優位

 おっと、十一月になったのでAXNミステリーのBOOK倶楽部ページが更新されていた。
 今月の私のお薦め作品はエリック・ガルシア『レポメン』である。動画をご覧になってみてくださいな。

 ちなみに収録のあとは、神楽坂の焼肉三宝で打ち上げ。ここはプロレスラー栗原あゆみさんの実家で、店内にも女子プロレスの興行ポスターが多数貼ってあった(プロレスラーがくる店らしく、料理のボリュームもある)。焼肉をつつきながら横の座敷を見ると、栗原さんがいてマネジャーらしき人と打ち合わせをしていた。プライベートで女子レスラーを見かけるのはひさしぶりだった。

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(11/2)来場御礼

 昨日の初野晴・真藤順丈さん対談にお越しいただいた方、ありがとうございます。楽しんでいただけたでしょうか。初野さんが意外な話上手だということを知って、驚かれた方も多かったと思います(私も実はそうでした)。また真藤さんが実は「○○○い」性格だということも……。

 告知の期間が短く、限られていたため、率直に言って満足のいく来場者数とはなりませんでした。ゲストの方のお二人にはご多忙の中時間を割いていただいたのに、特に初野さんには休日を潰して遠路はるばるいらしてくださったのに、申し訳ないことをしてしまいました。にも関わらず、たいへん興味深い話をいただけました。来場者の方も、お話にはきっと満足していただけたことと思います。お二方には心より感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。

 もう明かしていいと思いますが、十二月に三津田信三さんのトークイベントの司会をすることになりそうです。詳細が決まりましたら、またここでお知らせします。

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