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(12/7)このミスと本ミス

 奥付け上の刊行日は二週間も違うのだが、原書房「2010本格ミステリベスト10」と宝島社「このミステリーがすごい! 2010年版」の見本が同時に到着した。ありがとうございます。

 まだ精読していないけど、「このミス」の表紙を見て何かにデザインが似ていると思った。よく考えたら、数年前に休刊になった「ダ・カーポ」である。内容の方も、芸能人・著名人の寄稿が増えて、より一般誌向けになった。ちなみに私のお仕事は例年通り「このミス座談会」の構成である。座談会中、早川書房「ミステリが読みたい」の編集方針が変わったことを話題に採り上げていたのだが、なんのことはない「このミス」自身も大幅に誌面刷新されていたわけである。原稿をまとめる前から、言っておいてくれたらよかったのに。

 自分が関与していない箇所では、「新人賞クロスレビュー」のページだけを先に読んだ。いわゆる「ファミ通」形式で四人の評者が十点満点で新人賞受賞作品を批評するのである。こういうページでは穏健派の評者は求められていないはずで、すべての作品に六点以上をつけた宇田川拓也氏はちょっと物足りない(書店員という立場から、あまり過激な言動はできないのかもしれないが、それならば商業誌原稿を書くべきではない。一般の書店員ならばこんなことは書かないが、宇田川氏はもう十分知名度もあるのだから、そろそろ批評に臨む態度を自ら厳しく律する時期に来た。面識のある方だけに、あえて苦言を呈する。失礼の段、お詫びします)。その点、『プリズン・トリック』に二点をつけた千街晶之氏と、『臨床真理』に三点をつけた三橋暁氏、『虫とりのうた』に同じく三点をつけた不来方優亜氏は立派である。参考までに千街氏の『プリズン・トリック』評を引用しておこう。

 

これは作者ではなく版元が悪い。まだまだ手直しが必要な原稿なのに、例年より早く出してどうする。歴代受賞者への敬意のかけらもない東野圭吾の推薦文も減点の対象。どこが「乱歩賞史上最高のトリック」?

 おお、素晴らしい。この調子でいってください。

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Comments

杉江様

お世話になっております。ときわ書房本店宇田川です。
“失礼”なんて、とんでもない!
ごもっともな“苦言”を賜り、感謝とともに身の引き締まる思いです。
匿名の叩きたがりの苦言には凹むだけですが、
今回のような真摯な苦言は(苦言を呈したくなるような
お気持ちにさせてしまったことは申し訳ございませんが)、
大変ありがたいです。
文章で犯した失態は文章でしか挽回できません。
“自ら厳しく律”していることを感じていただけるよう、
日々精進していきたいと思います。

10日の三津田さんトークショー、伺います。
愉しみにしておりますので。

お目汚し、失礼致しました。では。

宇田川


Posted by: 宇田川拓也 | December 09, 2009 at 12:27 PM

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