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(1/23)今直面していること

 ここ半年で自分が仕事をしている業界の様子が大きく変わってきた。一言で表すなら、悪いほうに事態が動いている。つきあいのある媒体でぎりぎりのところまで追い詰められているものもあるし、昔だったら絶対にしないようなさもしい施策を打ち出してきたところもある。それもこれも経済環境の悪化が原因だ。

 一年前であれば、武士は食わねど高楊枝で、周囲はどうであろうと自分は自分、を貫くことができた。いや、今でもそうしようと思えばできる。自分の収入の問題ではない。ライターとして働けなくなったら、他の仕事に就けばいいだけの話だ。節を曲げてまで生き残りたくない、と言い放つのは簡単なことなのである、実は。

 自分自身というより、自分がお世話になってきた文化に関する問題だ。それが今、終焉を迎えようとしている。未曾有の危機と言ってもいい。そのときに、自らの身だけ清ければいいのか、ということである。手を汚したくないがために、大樹が朽ちていくのを座して見守っていていいのか。できることがあるのなら、今こそ手を差し伸べるべきではないか。

 今までは、他の物書きが自己顕示欲をむき出しにする姿勢を、さもしいものとして嫌ってきた。そういう風に自分を売りこむのではなく、著わしたものによって自ずから名が高まっていくのが本来のあるべき姿勢ではないかと考えていたのである。また、そうした自重しない姿勢は身を滅ぼす元だとも思っていた。

 だが、そうしたことを言っていられない事態が出来したのである。手を汚すべき時であり、身を惜しまずに動くべきときである。自分の名前を売ることが少しでも何かの役に立つのであれば、そうしなければいけない。気取り屋は必要ない。太鼓持ちと呼ばれようが、媚態が醜いと言われようが、とにかくすべきことをするときに来た。同業者諸氏にも広く呼びかけたい。あなたが高潔な文士でいられる時代は終焉した。これから必要なのは、どぶ板営業のセールスマンだ。若松孝二に倣って私も言いたい。俺は手を汚すぞ。


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