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(1/28)ランダムハウス講談社の報に思う

 講談社がランダムハウス講談社への出資を引き上げるという報を知った。これで会社としてはランダムハウス社の百パーセント子会社になるということか。日米企業が合弁で一つの理想を追い求めるという夢は破れた。会社を設立した時期もよくなかったと思うし(あと十年早ければ)、さまざまな不運も重なった。これで会社を清算することなく、引き続き出版事業を続けてもらいたいものである。私の仕事に関連していえば、コージー・ミステリーの売れ筋のいくつかは、この会社から出ているのだから。

 それにしても残念なのは、数年前に始まったランダムハウス講談社新人賞のことである。受賞作を英訳して日米で同時デビューさせるという構想は実に素晴らしいもので、世界に通用する才能を輩出する可能性があった。第一回に『回転する熱帯』の望月飛鳥、第二回に『マジックランタンサーカス』の一村征吾という受賞者を出したが、残念ながら世間を巻き込むほどの話題作を出すには至らなかった。今ではランダムハウス講談社新人賞の公式サイト自体が消滅しており、第三回はおそらく実施されないだろう。

 この後ランダムハウス講談社がどういう方向に進むのかはわからないが、日本人作家の海外輸出という試みは、できれば続けていってもらえないだろうか。提携を解消した講談社は、傘下に講談社インターナショナルを抱えて宮部みゆき作品などの輸出で実績を作り続けている(そのことがあったから前述の新人賞創出という事業案が浮かびあがったのだろうか。外野にはよくわからない)。現役作家をそちらでやるなら、ランダムハウス社では旧作を主に採り上げるとか、いくらでもやりようはあるのではないだろうか。ミステリーなど、ジャンル小説の中には海外に通用する作品は多数ある。ぜひ実現を望むものである。日本推理作家協会も、つまらない内向きの施策なんて全部やめて、海外向けの事業に着手してはどうか。

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