« (3/30)お客様が来ていました | Main | (3/31)道尾秀介の新刊書評をSPA!に掲載いただきました »

(3/31)ビッグ・ブラザーって本当にいるのかい?

「男の嫉妬はみっともない」などと言うが、性別が何であろうとみっともないのは同じである。男が云々、という言い方の背景には、男性は嫉妬の感情を表に出さないものだ、という意見があるのだろう。立川談春が『赤めだか』で描いた談志の言葉に、とても好きなものがあるので引用する。

 ――己が努力、行動を起こさずに対象となる人間の弱味を口であげつらって、自分のレベルまで下げる行為、これを嫉妬と云うんです。一緒になって同意してくれる仲間がいれば更に自分は安定する。本来なら相手に並び、抜くための行動、生活を送ればそれで解決するんだ。しかし人間はなかなかそれができない。(中略)よく覚えとけ。現実は正解なんだ。時代が悪いの、世の中がおかしいと云ったところで仕方ない。現実は事実だ。そして現状を理解、分析してみろ。そこにはきっと、何故そうなったかという原因があるんだ。現状を認識して把握したら処理すりゃいいんだ。その行動を起こせない奴を俺の規準で馬鹿と云う」

 この伝で言うと、嫉妬がみっともない理由は「行動を起こせない馬鹿だから」ということになる。なるほど、これは男女の別に関係ないですね。

 嫉妬の感情は誰にでもあるものだし、それを発条として行動すれば、自身のためにもなる。したがって内に嫉妬の感情があることを認めるのは大事なことである。単純なことに気をつけるだけで、「みっともない」ざまを晒さずに済むわけだ。そのために心がけるべき、とても簡単なこと。

・対象となる人間の弱味を口であげつらわない。
 その弱点が本当のことであっても嘘であっても関係ない。まずいのは、その人間を貶めているつもりで、自分の内なる嫉妬の感情を糊塗してしまうということである。

・つるんで悪口を言わない。
 安定を求めるなら人とつるむのが便利。だが、それだけ嫉妬の感情を克服することからは遠くなる。ねたましさに浸っていれば満足というのなら別にかまわない。

・時代のせい、状況のせいにしたい自分の感情を分析する。
 見えない場所にビッグ・ブラザーがいると考えると気持ちは安定する。だが、いつまでもビッグ・ブラザーは見えないままなので、状況は絶対に変化しない。

 気をつけよう。どれもこれも簡単にしてしまいそうなことだ。自戒をこめて。

|

« (3/30)お客様が来ていました | Main | (3/31)道尾秀介の新刊書評をSPA!に掲載いただきました »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/61260/47957874

Listed below are links to weblogs that reference (3/31)ビッグ・ブラザーって本当にいるのかい?:

« (3/30)お客様が来ていました | Main | (3/31)道尾秀介の新刊書評をSPA!に掲載いただきました »