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(4/20)北森鴻さんの単行本に解説を書きました

 本年一月に急逝された北森鴻さんの『暁英 贋説・鹿鳴館』(徳間書店)に解説を書いた。「問題小説」に連載されていた作品で、帯にあるように「絶筆、無念。」である。そして「残念ながら未完ですが、傑作です」。そう、傑作だからこそ、未完なのが残念なのである。

 ファンの方はご存じだと思うが、北森さんのデビュー作『狂乱廿四孝』(角川文庫)は、江戸から明治にかけて活躍した狩野派出身の画家、河鍋暁斎の幽霊画をヒントにして書かれた作品である。暁斎は、北森さんにとって関心を惹かれて止まない存在だったようで、未完に終った連載作品でも彼について書いたものがある。『暁英』は、その暁斎がふたたび重要な役どころで登場する作品だ。暁英、とは河鍋暁斎に酔狂にも弟子入りした外国人の雅号なのである。名前はジョサイア・コンドル。鹿鳴館の設計にかかわったことで有名な、明治期のお雇い外国人である。本書は、その鹿鳴館の謎を解き明かす歴史推理なのだ。扱われる題材は『蜻蛉始末』(文春文庫)とも重なっており、また史実から推理を重ねていくやり方は連杖那智フィールドファイルシリーズなどを彷彿とさせる。あらゆる意味で作家の集大成となったはずの作品だ。

 未完ではあるが、謎の九割方は解かれている。お読みになってストレスを感じることはないはずである。ファンの方にも、また北森作品を読んだことがない方にもぜひお薦めしたい。お読みいただき、北森鴻という作家がこの世にいたことに思いを馳せてもらえれば、解説子としてこれに勝る喜びはない。

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