だいぶ間が空いてしまいました。みなさま、つつがなくお過ごしでしょうか。寒くなったり暑くなったり寒くなったり、誠にはっきりしないお天気で、困り者ですな。もっと暑くなれよ!(松岡修造風に)。
この一週間は、PTAの用件が半分と仕事が半分、わたくしに出来る時間がほぼ無い状態だったのだが、忙しいことは良い事だ。一昨日は、都内某所の神社にてTV番組のロケーションに参加してきたのである。その写真をちょっと貼っておきましょう。
あの鳥居のところにおられる、巫女さんのような人は誰かって? それは後日のお楽しみ。
さて、いきなりでたいへん申し訳ないのだけど、来週火曜日、四月二十日に東京港区の青山ブックセンター六本木店で、トークイベントを行います。先ごろ出版されたアガサ・クリスティー&ジョン・カラン『アガサ・クリスティーの秘密ノート』(ハヤカワ・クリスティー文庫)の発刊を記念したもので、共訳者の一人である羽田詩津子さんをお招きして、この本のことや、クリスティーの魅力について語っていただく予定である。
『アガサ・クリスティーの秘密』についてちょっと書いておく。これは、クリスティー研究家であるジョン・カランが発見・整理した、七十冊を超える作家の創作ノートの研究書であり、これまで知られてこなかった新事実が満載された楽しい一冊だ。クリスティー作品を「童謡殺人」「海外旅行の殺人」といったカテゴリーに分類し、それぞれ内容に詳しく踏み込んで、創作ノートと実作を引き比べて解説している。中で明かされている事実はたとえば、
・ピーター・ユスチノフ主演映画でおなじみ『ナイルに死す』は、実はミス・マープルものとして発案されていた。
・『そして誰もいなくなった』の構想段階では、あの十人以外に登場人物が予定されていた。
・『ABC殺人事件』の連続殺人は、最初はABC順ではなかった。
というような、読んだことがある人ならば「えーっ」と声を上げて驚きそうになることばかり。
クリスティー・ファンには一読をお薦めする。また、イベントにもぜひお越しください。
無料イベントなのでお気軽に。ただし、予約をしていただけるとたいへんに嬉しいです。以下をご参考にどうぞ。
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2004年、世界的ミステリ作家アガサ・クリスティーの別荘だったグリーンウェイ・ハウスが整理され、
そこから未発表の短篇2篇を含む、クリスティーの創作ノートが発見されました。
クリスティー研究家ジョン・カランが、5年の歳月をかけてそれらのノートを読み解いた成果が
このほどクリスティー文庫より刊行する『アガサ・クリスティーの秘密ノート』(2010年4月9日発売)です。
短篇2篇の翻訳に、ノートの実物写真と対照したカランの解説を合わせて、いままで誰も知らなかったクリスティーの創作の秘密に迫っていきます。
この本の発売を記念し、書評家の杉江松恋さんをナビゲーターに、毎回ミステリ系のゲストを迎えて贈る青山ブックセンター六本木店オリジナルイベント「杉江松恋の○○トーク」(まるまるとーく)の栄えある第1回ゲストとして、『アガサ・クリスティーの秘密ノート』の翻訳者のひとり、羽田詩津子さんが登場します。その名も「クリスティートーク」。作品やそのひととなり、小説作法についてなど、ミステリの女王アガサ・クリスティーを縦横無尽に語ります。
■2010年4月20日(火)19:00~
■会場:青山ブックセンター六本木店
■電話予約&お問い合わせ電話:青山ブックセンター六本木店・03-3479-0479
■受付時間: 月~土・祝 10:00 ~ 翌朝5:00
日 10:00 ~ 22:00
(※受付時間は、お問い合わせ店舗の営業時間内となります。御注意下さい。)
■受付開始日:2010年 4月9日(金)10:00~(六本木店頭および電話にて受付)
*1:店内でのイベントです。ほとんどの方は40~50分のトークをお立ち見となります。ご了承ください。
*2:参加は無料ですが、ご予約ください。
*3:トーク終了後にサイン会がございます。同じく2010年4月9日(金)朝10時より、青山ブックセンター六本木店にて、ジョン・カラン著、羽田詩津子、山本やよい訳『アガサ・クリスティーの秘密ノート』(早川書房 クリスティー文庫 上下各840円税込)をお買い上げの方に、羽田詩津子さんのサイン会整理券が配布されます。
杉江松恋さんのサインは、イベント当日、六本木店にて松恋さんの著作をお買い上げの方にレジにて整理券が配布されます。
古書の持込みはご遠慮ください。また色紙など、本以外のものにはサインをいたしません。以上ご了承の上、ご参加ください。
詳しくは青山ブックセンターの下記サイトをご覧ください。
http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_201004/_vol1.html
羽田詩津子(はた・しずこ)
英米文学翻訳家。訳書に『アクロイド殺し』『予告殺人』(クリスティー)、『猫は殺しをかぎつける』(ブラウン)、『スイート・ホーム殺人件』(ライス)他多数。著書に『猫はキッチンで奮闘する』がある。その他、《共同通信》や〈BSブックレビュー〉のレビュアーなども務める。
杉江松恋(すぎえ・まっこい)
1968年東京生まれ。ミステリ評論家、文筆家。おもな著作に『バトル・ロワイアル2 鎮魂歌』『バトル・ロワイアル2 外伝―3‐B 42 Students』(太田出版)、『口裂け女』(富士見書房)、『これだけは読んでおきたい名作時代小説100選』(アスキー新書)などがある。《SPA!》《時事通信》《ar》《ミステリマガジン》《ミステリーズ》などで数多くの書評を手掛ける。
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