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(5/28)iBOOKS版『死ねばいいのに』を買ってみた

 べ、別に新しいもの好きだからじゃないんだからね。今度の「問題小説」で書評をやろうと思っただけなんだから。

 というあだしごとはさておき。初めてiPadで(買ったのです。今日)電子書籍を購入した。話題の京極夏彦『死ねばいいのに』である。七百円という定価は安いし、これが電子書籍のスタンダードになるのであれば、書評家として試してみない手はないだろう。そんなわけで、読んでみた。

 結論。

 仕事の読書には使えなかった。娯楽の読書ならともかく、仕事には無理。他の電子書籍は知らないが、少なくともこの作品の仕様では絶対無理。

 一番の難点は、付箋、ポストイット、アンダーライン、なんでもいいのだけど、自分が読んだ文章、読んだページにしるしをつけておけないこと。読書記録を残す必要がある職業の人間にとっては、これは致命的な弱点だと思う。思う、と弱腰に書いているのは、もしかすると自分が無知なだけでそういう使い方ができるのかもしれないからだ。「いやいや、こういう使い方をすれば大丈夫。杉江松恋は反省しる!」という方がいらっしゃったら、ぜひコメントで指摘していただきたい。とにかく付箋が貼れない本で仕事の読書はできない。無理だ。

 もう一点不満なことがあり、一ページごとに紙が横にスライドしていくようなアニメーションが入るのが駄目である。一ページの読書スピードは人によってまちまちだと思うが、想像していただきたい。読み終わるごとに、目の前にしゅっと字の群れが横切っていくのだ。目が疲れるではないか。いや、紙の本だってそういうことになっているはず、という反論もあるだろうが、紙の本の場合、読者は無意識のうちに物質としてのページを無視しているはずだ。自分がページを繰っているという意識がなくなって、はじめて本の内容に没頭できるのである。なのに、ページという単位を意識させる必要がない電子の媒体で、わざわざ集中力を損なうようなオペレーションを入れてどうする。まったくの無駄である。ソフトウェアの開発者の中には、本当の意味での読書家はいなかったのではないか。ストレスなくページを繰らせるユーザーインターフェイスを、もう一度考え直してみてもらいたい。

 なんだかんだいって電子書籍の未来には期待している。それだけに今日は残念な思いでいっぱいだ。

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