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(5/28)iBOOKS版『死ねばいいのに』を買ってみた

 べ、別に新しいもの好きだからじゃないんだからね。今度の「問題小説」で書評をやろうと思っただけなんだから。

 というあだしごとはさておき。初めてiPadで(買ったのです。今日)電子書籍を購入した。話題の京極夏彦『死ねばいいのに』である。七百円という定価は安いし、これが電子書籍のスタンダードになるのであれば、書評家として試してみない手はないだろう。そんなわけで、読んでみた。

 結論。

 仕事の読書には使えなかった。娯楽の読書ならともかく、仕事には無理。他の電子書籍は知らないが、少なくともこの作品の仕様では絶対無理。

 一番の難点は、付箋、ポストイット、アンダーライン、なんでもいいのだけど、自分が読んだ文章、読んだページにしるしをつけておけないこと。読書記録を残す必要がある職業の人間にとっては、これは致命的な弱点だと思う。思う、と弱腰に書いているのは、もしかすると自分が無知なだけでそういう使い方ができるのかもしれないからだ。「いやいや、こういう使い方をすれば大丈夫。杉江松恋は反省しる!」という方がいらっしゃったら、ぜひコメントで指摘していただきたい。とにかく付箋が貼れない本で仕事の読書はできない。無理だ。

 もう一点不満なことがあり、一ページごとに紙が横にスライドしていくようなアニメーションが入るのが駄目である。一ページの読書スピードは人によってまちまちだと思うが、想像していただきたい。読み終わるごとに、目の前にしゅっと字の群れが横切っていくのだ。目が疲れるではないか。いや、紙の本だってそういうことになっているはず、という反論もあるだろうが、紙の本の場合、読者は無意識のうちに物質としてのページを無視しているはずだ。自分がページを繰っているという意識がなくなって、はじめて本の内容に没頭できるのである。なのに、ページという単位を意識させる必要がない電子の媒体で、わざわざ集中力を損なうようなオペレーションを入れてどうする。まったくの無駄である。ソフトウェアの開発者の中には、本当の意味での読書家はいなかったのではないか。ストレスなくページを繰らせるユーザーインターフェイスを、もう一度考え直してみてもらいたい。

 なんだかんだいって電子書籍の未来には期待している。それだけに今日は残念な思いでいっぱいだ。

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(5/28)五月二十八日発売のアレ、アレが我が家に来ました!

 アレですよ、アレ。春原ロビンソン『anime95.2』(ハーベスト出版)だ。

 春原の名前をご存じの方はまだあまり多くないと思うが、ニコニコ動画やpixivに作品を投稿しているクリエイターで、最近は商業出版の漫画や小説にも進出している。版権物の二次創作ではなく、オリジナルの作品としては今回が初の単行本だ。変わったタイトルだが、春原がかつて属していたアニメ業界について語るエッセイコミックである。新卒で某アニメ会社に入社した春原は、体を壊して退職するまで怒濤の日々を送っていた。常識外れに忙しいと言われる、そして労働量のわりには報酬では報われないと伝えられるアノ業界について、経験者ならではの詳細なディテールで綴られており、なかなかおもしろい。

 お話は編集者K氏との問答形式で進んでいく。ネームを少し紹介すると、こんな感じだ。
K「春原さんはアフレコ現場で何するんですか? 演出とかしてたわけじゃないんですよね?」
春「演出さんの補助ですね」
(中略)
春「声優さんってアドリブとかするんですよ。セリフがないところで声優さんがセリフを足すと、そのままだと腹話術みたいになってしまうので……『開き口』と『中口』の絵を追加する手はずを整えます。余談なんですけどこれ…絵を2枚追加すると動画2枚で約400円仕上げ(色塗り)2枚で400円かかります。アドリブ1回800円です! 声優さん!」
K「誰に向かって……」

 なるほどー。こんな感じで語られるエピソード、興味深いものでした。

 あ、アレじゃないアレも本日到着予定。14時以降らしいけど、早く持ってきてくれないものか。

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(5/28)粘膜の夜

 昨日の飴村行『粘膜兄弟』刊行記念イベントにご参加いただいた方、ありがとうございます。告知期間が一週間と短かったのですが、三十人を超えるお申込みを頂戴しました。御礼申し上げます。

 トークの内容については、来場されていた田辺青蛙さんがレポートを書かれるそうなので、そちらをご覧いただきたいと思います。田辺さん、よろしくね。ひさしぶりにお会いした飴村さんは、髪を染めて、すっかり不良っぽくなっていた。あの純朴そうな飴村さんは偽りの姿だったのか。日本推理作家協会賞関連の用事で大沢在昌前理事長にお会いした際も「君は元ヤンキーか」と言われたとか。そういえば眉毛も剃っていたな、飴村さん。

 イベントの後は近所で打ち上げ。田辺青蛙さん、黒史郎さん、児嶋都さん、書評家の川出正樹さん、角川書店のEさん、Yさん、早川書房のYさんとともにしばし粘膜馬鹿話を。笑ったのは、飴村さんが日本ホラー小説大賞長編賞を受賞したときの話で、親戚のおばさんが受賞の話を触れ回り、止せばいいのに『粘膜人間』を買って配ってしまったのだとか。しばらくしてそのおばさんと街で出会ったら、彼女は飴村さんを完全に無視して去っていった。何があったかは想像に難くないですね。知らないというのは恐ろしいことだ。

 そういえば飴村さんは一九六九年生まれで、福井晴敏さんとは同い年である(早生まれなので、飴村さんの方が学年は上)。この二人には共通点があって、どちらも日本推理作家協会賞を第二長編で受賞しているし、ほぼ同じころに千葉の大学に通っていた。映画マニアだというところも同じだし、どちらも軍隊に関心がある(飴村さんの方は、タミヤのプラモデルを作っていたことがきっかけらしい)。ただし決定的に違うのは、飴村さんが「ガンダムを好きではない」ということだ。天は同じ年に二人の天才を作り、一人にはガンダムを、一人には粘膜を書く才能を与えたわけだ。でもこの先、福井さんに感化されて飴村さんがガンダムを好きになる可能性はゼロではない。もしかすると二人の合作で、『粘膜ガンダム』が誕生するかも。しないか。したら嫌だな、それは。

 というような話をだらだらとしていたわけです。その中で出たのは「もう粘膜ってつければなんでも粘膜シリーズにできちゃうから、『粘膜館の殺人』とかもありじゃね」という発言でした。ありかな。綾辻行人さんがパロディで書いてくれたらおかしいのだけど。壁が粘膜でできている館。

(追記)本の雑誌NEWSにも記事をアップしました。

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(5/25)早川書房のアガサ・クリスティー賞の募集要項が発表になった

 アガサ・クリスティー展について取材を受けた際に、早川社長がポロリと発言していた件だ。早川書房は、文芸誌を刊行する版元では実業之日本社やPHP研究所などと同様に自社の文学賞を持っていなかった出版社だが、これでついに自社から受賞作家を出せることになった。募集要項はこちら

 これを見る限りでは、プロ・アマを問わない新人賞というように見える。いろいろな新人賞の下読みをやっていて思うのだが、最近は応募者の中にプロ作家を見かけることが意外と多い。他社で本を出してもらえなくなり新人賞に賭けて、というケースだろう。アガサ・クリスティー賞に関しては、アマよりもプロにむしろ厳しく当たるべきだ。「ミステリーの女王」の名を冠した賞なのだから妥協することなく、満足のいく出来の作品がなければ、第一回でも受賞作なしというぐらいの厳しさで臨んでもらいたい。「このミステリーがすごい!」大賞がスタートダッシュに成功したように、素晴らしい作品が受賞作となることを祈ります。

 それと同時に、この賞と連動した企画を「ハヤカワミステリマガジン」誌上にも求めたい。この件に関しては「野性時代」や「メフィスト」のやり方が参考になるのではないか。早川書房の主催する賞なのだから、応募資格は「ミステリマガジンを一年間購読契約した人」にしてしまってはどうでしょうね。

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(5/25)『日本のセックス』について、どこからか書評の依頼が来ると思っていたんだ

 というわけで、今週号の「週刊現代」に樋口毅宏『日本のセックス』の書評を寄稿した。『さらば雑司ヶ谷』についてこのブログに書いたときから、どこかから依頼が来るとは思っていたんだ。第二作がすごくつまらなかったらどうしようと思っていたのだが、問題なかった。よかった。

 この小説の第一の読みどころは冒頭の白夜書房(らしき出版社)で主人公がいかがわしい撮影に臨む場面だと思うのだが、小島和宏『ぼくの週プロ青春記』の「ニャン2倶楽部」版、もしくは「パチンコ必勝ガイド」版にあたるものを誰かが書かないかと思っていたから興味深かった。樋口さんが書かないかしらん。作品の評価については「週刊現代」をご覧いただきたいが、文字数が足りなくて書けなかったことを少しだけ。箇条書きで上げておきます。

その1)『日本のセックス』の次の作品は『中国のセックス』になるらしい。前作にも今回の作品にも中国のことが書かれているので、そういう方面に素養がある作者らしいことが判る。どんな話になるのだろう。

その2)あとがき(という名の参考文献リスト)が長い。その中に、参考にしたブログとしてターザン山本!氏の「ターザンカフェ」が上げられていた。どこをどう参考にしたのか。ものすごく気になる。

その3)本書を読んでおもしろかった人は、平野啓一郎『顔のない裸体たち』(新潮文庫)と羽田圭介『不思議の国のペニス』(河出書房新社)を併読されることをお薦めする。セックスの本質的な無意味さを書いた作品で、あれこれ考えさせられるが、結局は「無意味だ」ということが判る、非常に悪趣味な喜劇小説でおもしろい。セックスという行為をばかばかしく描く、こういう作品がもっと書かれることを私は望みます。

 そんなわけでした。以上。

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(5/24)とりあえず手に届くところからの電子書籍トライアル

 さてさて、今週拙宅にもiPadが届く予定なのだが、各社編集者諸氏にお伺いしたい。
 現在紙でやりとりをしている作業のうち、電子化を試されるものはなにかおありでしょうか。私の場合、自分の原稿の著者校正は紙でやらせていただきたいと思っている。赤のボールペンを持って紙に修正箇所を書きつけていくという手作業がないとうまく働いてくれないという不自由な脳の持ち主だからで、こればかりは代替が利かない(pdfで送ってくださっているものも、現在はすべて紙で出している)。ペンタブレットを将来導入する可能性があるので、そうなったらもしかすると紙での出力は要らなくなるかもしれない。それまではぜひ紙でやらせていただきたいものである。

 提案したいのは、みなさんが送ってくださっている近刊のゲラというやつだ。試し読みということで送ってくださるのだが、あれはいつももったいなく思っている。A3かB4の紙で出力されてくるので、A4までしか印刷で使えない拙宅のプリンターでは、裏紙として再生することもできないのだ。もったいないもったいないと言いつつ、やむなく資源ゴミとして出している。あれを無くすることができれば、かなり気分良くなるのだがどうだろうか。出版社側のメリットがもしあれば、ぜひ紙ではなくてiPadにて読ませていただきたい。ご検討をお願いする次第。

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(5/24)文学フリマに打ち上げだけ参加してきた

 昨日開かれた文学フリマで、米光一成氏率いる「電子書籍部」は合計千四百五十三部の売り上げを出したという。これは千四百五十三人が買ったということではない。十五あるコンテンツをまとめ買いすると千五百円となるパック販売をしていたので、大部分がそのまとめ買い顧客であるそうだ。ということは百人弱が購入ということか。五時間でこの成果というのが、多いのか少ないのかは判断を控える。比較対象がなくてよくわからない。
 今回は対面販売だったが、実験をさらに積み重ね、さまざまな頒布のやり方を試してもらいたいものだ。期待しております。

 私はインタビューなど所用のため本番には参加が叶わず、午後六時から開かれた打ち上げのみ参加をしてきた。これは事務局主催ではなく、参加サークルの一つ、「奇刊クリルタイ」のメンバーが呼びかけて実現したもの。午後六時半から三時間ばかり会場で過ごし、おとなしく帰宅した。会場でお会いした方、どうもありがとうございます。

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(5/23)高殿円『トッカン』は「ミステリマガジン」の切り札だ

 本日はこれより都内某所にてひさびさにインタビューのお仕事。早川書房から刊行される『トッカン』の作者、高殿円氏にお話をうかがってくる。

 この小説は「ミステリマガジン」に連載されたもので、高殿氏の初のハードカバーでの著書となる。二十五歳の鈴宮深樹の奮闘を描く青春ミステリーであり、彼女の職業はなんと税務署の徴収官だ。徴収官っていっても新宿の焼肉屋じゃないよ。それは長春館だ。職務は、税金を滞納している者の家に押しかけ、有無を言わせず取り立てを行うこと。おそらくは世の中でもっとも嫌われる職業の一つといっていいだろう。その税務署員を主人公としながら、実に読ませる作品に仕上がっている。未知の世界を題材にしているから興味を惹かれるし、正攻法の教養小説としてもおもしろい。これは今まで早川書房では出してこなかったタイプの作品である。路線でいえば有川浩か。働く女性の小説としても嫌味のない感動があり、とても好ましい。これまでの高殿ファンだけではなく、新しいエンターテインメントの才能を探している読者、書店員の諸氏には注目を促しておきたい。これはおもしろいですよ。

 というわけで、日曜日ではあるがインタビューである。言ってきます。次号の「ミステリマガジン」に掲載予定なので、ぜひ読んでくださいな。

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(5/21)今年何回目になるかは不明だが携帯電話を忘れ物中

 タクシーに携帯電話を置き忘れてしまった。幸いレシートは受け取っていたので事務所に電話はできたのだが、

「うちの会社は無線を積んでいない」
「その運転手は携帯電話を持っていない」
「定時連絡というものもしていない」
「帰庫は明日になるのでそれまで忘れ物があるかどうかはわからない」
「忘れ物を発見したとき連絡してくる運転手もいるがそうでない者もいる」
 と、素敵な顧客サービスの会社だったもので、この時点では電話が帰ってくるかどうかは不明である。いやもう、

 君らの会社はどうなっているのか。もしかするとタクシー会社じゃなくて駕籠屋なのか。前近代的な。

 なので明日まで携帯電話は不通になります。悪用されていると嫌だから電波は止めたっす。
 

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(5/19)『粘膜兄弟』刊行記念トークイベント、やりますよ

 水面下で動いていたのだけど、ようやく発表できるようになった。来週、5月27日に東京・青山ブックセンター六本木店で飴村行氏のトークイベントを開きます。飴村氏が一般参加者の前で話すのはたぶんこれが初めてでしょう。お話が終わったあとはサイン会もあるので、ファンの方はお見逃しなく。もちろん5月25日に発売される第三作『粘膜兄弟』(角川ホラー文庫)の制作秘話についても根掘り葉掘りうかがう予定です。進行役は杉江松恋。

 詳細はコチラ。明日十時から予約開始ということです。

 以下は余談である。
 先日、飴村氏は『粘膜蜥蜴』で第六十三回の日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門賞を受賞した。この賞の同部門の選考対象となるのは、すでに著作が一作以上ある作家のみ。つまり第二作から資格が発生するのである。しかしこれまでデビュー二作目という最短コースで受賞を果たした作家は非常に少ない。賞の区分けが変更されて現在の形になってからは第五十三回の福井晴敏『亡国のイージス』以来二人目(十年ぶり)、長編賞といっていた過去でも前例は少なく、第四十九回の京極夏彦『魍魎の匣』の前はなんと第三十一回の泡坂妻夫『乱れからくり』までさかのぼってしまうのである。いかに稀有な例であるか、これでお判りいただけるはずだ。すげえな、飴村行。

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(5/18)三島賞と山本賞決定と推協への苦言

 twitter発の情報につき、確報は新聞などでご覧ください。

 第二十三回三島由紀夫賞 東浩紀『クォンタム・ファミリーズ』(新潮社)
 第二十三回山本周五郎賞 貫井徳郎『後悔と真実の色』(幻冬舎)、道尾秀介『光媒の花』(集英社)

 貫井氏は日本推理作家協会賞、道尾氏は大藪春彦賞に継ぐ戴冠ということになる。御三方にお祝い申し上げます。貫井氏に関していえば『後悔と真実の色』は『乱反射』よりミステリー度の高い作品である(異論はあるだろうし、北村薫選考委員の選評にも頷ける点はあるが)。推協賞を贈るなら『後悔と真実の色』だったのではないか。出版社が自社の自信作を推薦するという、現在の候補作決定システムの問題点が露呈したように私は思う。何度も繰り返し言っているが、現行システムの見直しを強く求めます。

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(5/18)三津田信三特集IN☆POCKET

 先日、第十回本格ミステリ大賞の公開開票式が行われ、小説部門では歌野晶午『密室殺人ゲーム2.0』(講談社ノベルス。二回目)と三津田信三『水魑の如き沈むもの』(原書房。初)が同時受賞を果たした。講談社文庫「IN☆POCKET」五月号で三津田氏の刀城言耶シリーズの特集が組まれている。狙ったのか、Tさん@講談社。であれば、実に時を得た特集だった。

 その特集の目玉は、講談社、光文社、原書房の各社担当者と、刀城言耶シリーズの装画でおなじみ村田修氏による三津田信三座談会。テーマは、刀城言耶シリーズについて、また三津田信三の作品世界について、さらには作家本人について。また、付表の事件年譜と人物相関図では、刀城言耶シリーズ作品の相関関係についての解説も試みられている。ファンの方は一度手にとってみてください。

 三津田氏とは今年、トークショーの司会やらなにやらでいろいろご縁ができたが、その流れの果てに戴冠という節目を迎えられたことを嬉しく思う(それを言うならば、昨年インタビューなどでお世話になった歌野氏も同様なのだが)。今年の贈賞式でまたお会いしましょう。例によって私は司会席にいると思います。

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(5/18)有川浩『クジラの彼』の角川文庫解説を書きました

 有川浩の国防ラブコメ短篇が好きなのだが、その第一弾が『クジラの彼』である。しばらく前に『フリーター、家を買う。』の書評を手がけたのがご縁でお声がけいただき、文庫解説を書いた。『海の底』『空の中』のキャラクターがスピンオフして登場することもあり、最初期からのファンにもお薦めしたい。恋愛小説の解説というのはそういえばひさしぶりだったような気がする。

『クジラの彼』は自衛官同士、もしくは自衛官と民間人の恋愛を描いた連作だ。ただし、収録作のどれをとってもきちんとスクリューボール・コメディの定石に則った話運びになっている点が好ましい。アクシデントが物語を進展させるのではなくて、恋人たちの性格がフックとなって、読者にページを繰らせるという手法である。クスリとちょっと笑いたいときに読む本だし、わんわん泣かされるという内容でもない。小さく、可愛らしい作品集である。

 この中から三篇を選び、オムニバス形式の映画を作ったら楽しいものになるはずである。尺は一時間半くらいでどうか。きっと恋愛映画ファンに喜ばれる作品になるだろうし、どこかで企画が通らないものか(もちろんそのときは防衛省の全面協力つきでお願いします)。組み合わせとしては「国防レンアイ」「有能な彼女」「脱柵エレジー」でいいのではないかと思う。あえて表題作は外す方向で、国防と恋愛という観点でまとめてみました。

 

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(5/17)文学フリマ「電子書籍部」の活動に参加しますよ

 何日かぶりのごぶさたでした。ちゃんと働いてましたよ。

 今日からしばらくの間、毎日ブログを更新する。例の「ヒゲのなんとか」もちゃんと続きを書くのでまた読んでやってください。その他、たまっていることの告知もいろいろやるつもりである。

 その第一弾。五月二十三日に東京で開かれる「文学フリマ」に商品を出すことにした。というか、米光一成さんが主宰されている「電子書籍部」の活動に参加するのである。現在注目を集めている電子書籍の未来を考えるために、実際に商品を作って手売りで頒布を始めようという趣旨の活動を米光さんは進めている。その第一回が、「文学フリマ」になるわけだ。私からは以前ゲッツ板谷WEBに連載していた「チミの犠牲はムダにしない!」を提供させてもらう。ご存じのとおりネット上で読めるコンテンツだが(将来的にそのままにしておくかどうかは検討中)、今回はすべての回におまけ原稿をつけた「完全版」としてのご提供だ。連載当時にもう読んだという人も、ぜひ手にとっていただければ幸いである。あ、電子書籍だからとれないか。こういうのなんていうんでしょうね。テレビの「チャンネルを回す」、CDを「レコード屋で買う」、電話を「ダイヤルする」みたいに死んだ表現になるはずだから、新しく考えていただきたい>米光さん。 「ポチる」くらいが妥当なのかな。

 米光さんの電子書籍部入門はこちら。

 「チミの犠牲はムダにしない! 完全版」の紹介はこちら。

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(5/6)わが戦績・その3

 ところで、以前にも書いたかもしれないが、私はこの年までほとんどシューティングゲームをやったことがない人間である。縦スクロールはゼビウス、横スクロールはグラディウスでギブアップ。これは自分には向かないものだと諦めて投げ出していたのである。
 それがなぜここまではまるようになったかというと、周囲の人に励まされたことがその一因だ。たとえば、ときどきハヤカワ・ミステリマガジンなどに執筆することがある三門優祐君は東方に詳しく、入門的な知識をだいぶ教わった。また昨年の新月お茶の会の全日本大学ミステリ連合担当だったI君は、酒癖は悪いが(泥酔する)東方に関してはルナシューターの腕前で、だいぶ相談に乗ってもらった。I君のいいところは、出来の悪い生徒をそのレベルに応じて教えてくれる点で、いきなり難しいことを言わない。「ここでボムを省略して、ここで使って」というように実際的なアドバイスをくれるのでだいぶ助かったのである。こうした年下の友人の助けがなかったら、絶対に途中で諦めていたはずだ。もちろんニコニコ動画などにアップされている、巧い人のリプレイ画面を見ることも勧めていただき、そちらからも多くを学んだ。東方をやるようになって、世界が広がったような気がする。ここで「引っ込み思案だった私ですが、東方を始めた途端に彼女ができて」とか書くと、JAROに怒られますね。

 いいことだけではなくて、よくないこともあった。最大のものは肩こりだろう。毎日何時間もコントローラーを握り締めているからだが、途中からひどい痛みに襲われるようになったのである。さらに六月二十七日の日記にはこうある。

 会社勤務をしていたころ、首と肩が痛むのは常態だった。会社から帰った後で、睡眠時間を削って原稿を書いていたせいである。その後、腰痛が症状に加わり、定期的に針を打つようになった。

 会社を辞めた後、不思議と肩も腰も痛まなくなった。労働時間が減ったわけではないが、自分のペースで仕事ができるようになったからだろう。疲れたら椅子から立ってうろうろ、という感じで仕事をしても見咎められないのである、自営業だから。椅子も新調して快適であった。

 それがなぜ、ここへ来てギックリ腰に? 針医によれば机に向かって長時間同じ姿勢でいたのが原因だという。おかしい、そんなに長時間机にかじりついていた記憶は……。

 あ。
 東方紅魔郷か。
(中略)
 ゆっくりシューティングの練習をした結果がこれだよ。

 まさに自業自得としかいいようがないが、必死だったのである。
 肩こりと腰痛に悩まされ、仕事も渋々しなければならず(当たり前だ)、たいへんな日々を四月末から十月まで過ごした。日記によれば東方紅魔郷をクリアしたのは二〇〇九年十月六日のことだ。また手帳を見るが、この日はたしかアントニイ・バークリー『毒入りチョコレート事件』の文庫解説〆切だったような。期限にちゃんと原稿は間に合ったのだろうか。自分の胸に聞いてみても、その答えは風の中なのである。

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(5/6)わが戦績・その2

(承前)
 今思い出したが、前の攻略日記を書いた六月は、妻が仕事で渡米中で子供と二人で生活していたのだった。そうか、飲みにいけないからその分ゲームに熱中していたわけね。攻略日記はその後どんどんシステマティックに進化を遂げ、七月二十三日にはついにステージごとに攻略目標を掲げるようになる。ここまでくれば立派な攻略メモだろう。なにをしているんだか。ちょっと長いけど引用します。

STAGE1 ・中ボス戦までのP:目標値24 ラスボス戦までのP:目標値64 ・STAGE CLEAR時の得点:目標値4,500,000 ・ボム使用回数:0 ・中ボスのルーミアにきちんと貼りつく。→○ 既に問題なし。撃破率は100パーセント。

STAGE2
・中ボス戦までのP:目標値100 ラスボス戦までのP:目標値MAX
・STAGE CLEAR時の得点:目標値10,000,000(EXTEND1)
・ボム使用回数:1(パーフェクトフリーズ:1)

・大妖精の緑のクナイでピチュらない。→○ 既に問題なし。クナイでピチュっていたのは、張り付きの後の下がりが不十分だったため。

・(新)アイシクルフォールをボム無しで抜ける。→△ 時々ピチュるのでピチュらない。ピチュるのは、左右に自機がブレているせいで、米粒弾の隙間を抜けられなくなるため。

STAGE3
・STAGE CLEAR時の得点:目標値20,000,000(EXTEND2)
・ボム使用回数:5(芳華絢爛:1、通常攻撃:1、彩紅の風鈴:1、彩雨:1、)
・せっかくアイシクルフォールを抜けたのに通常攻撃でピチュらない。→○ ピチュらなくなった。単純に慣れたため。

・三面の道中でPを拾いに行ってピチュらない。 →○ ピチュらなくなった。 というより、道中までに必ずMAXになるようになったので拾いの必要はなくなった。

・(新)紅美鈴の通常攻撃1でピチュらない。→△ 運の要素が強く、ピチュるときにはピチュる。食らいボムできるように反復するしかない。

・彩紅の風鈴は回れないことがわかったからおとなしくボムる。下避け。 →△ 回るのはやはり難易度が高い。下避けを安定してできるまでプラクティスモードで練習すべし。抱え落ちの危険があるので、動揺してピチュりそうになったら食らいボム。

・(新)彩雨、極彩颱風で決めボムのタイミングに遅れない。→△ しばらく粘って決めボムだが、時々遅れてピチュる。ピチュらない!

STAGE4
・STAGE CLEAR時の得点:目標値40,000,000(EXTEND3)
・ボム使用回数:8(本:1、小悪魔:1、弾消し雑魚:1、青赤弾つきレーザー:1、アグニシャイン:1、レイジイトリトン上級:1、ラーヴァクロムレク:1、マーキュリポイズン:1)

・(新)緑の弾を撃つ本はおとなしくボムる。 →△ ランダムに弾を吐くので気合避けは無理。

・小悪魔のでかい○はおとなしくボムる。をボムらないで抜ける。 →△ クナイに当たってやられることが多数。練習で慣れたい。

・(新)レーザーの本でピチュらない。 →△ ときどきピチュる。ピチュるのは大抵、上下にぶれて○に当たるせい。練習。

・(新)三体出てくる弾消し雑魚で極力ボムらない。 →△ 粘った末にボムってしまうことが多い。ダメージの与え方を練習。

・パチュリーのノンディレクショナルレーザーもおとなしくボムるで極力ボムらない。 →△ 最初のレーザーはボムらないですむことが多くなった。二度目の青と赤の弾が一緒に出るレーザーで積むことが多い。ここでピチュらないで最悪でも食らいボム。あとは誘導の練習。

・(新)レイジイトリトン上級で極力ボムらない。 →△ ピチュることが多いので練習。気合避けなので、食らいボムの感覚も練習。アグニシャインとラーヴァクロムレクは気合避け無理。

・(新)マーキュリポイズンで極力ボムらない。 →△ 上へ上へ避けるのを練習。無理そうなら決めボム。ちなみにここまででボム数14。初期機数だとエクステンドしてもギリギリ……。現状では機数を増やすしかない。

STAGE5
・STAGE CLEAR時の得点:目標値60,000,000(EXTEND4)
・ボム使用回数:11(道中:1、中ボス:2、雑魚ラッシュ:1、通常攻撃1:1、クロックコープス:1、通常攻撃2:1、ルナクロック:1、通常攻撃3:1)

・(新)最初の上避けでピチュらない。→△ これはだいたい大丈夫になった。

・(新)道中のちょん避けとつながってくる○でピチュらない。→△ ときどきボムってしまう。練習。

・中ボスの咲夜さんへの尻撃ちがうまくいかず、いつも時間切れで雑魚ラッシュに遭う。 →× 現段階の解決策は、もっと張り付いて撃ち捲るしかないのだが、そうすると頭突きでよくピチュる。巧い人のプレイを見て勉強する以外策はなし。現時点では最大の問題点。 中ボスは尻撃ちを止め、ナイフとクナイをS字回避する。→× 尻撃ちはやはり難しい。プラクティスで練習するのも困難であるため、一旦下避けに転じるべきと判断した。S字回避はあたり判定が難しい。なんとか1ボムで抜けられるようになるまで練習。

・(新)ミスディレクションをボム無しで抜ける。→△ ちょん避けなのだが、ときどきミスってピチュる。練習。あと雑魚ラッシュ回避のために時間いっぱいまで粘るのも練習。

・(新)雑魚ラッシュをボム無しで抜ける。→△ 雑魚ラッシュ回避できなかった場合、ちょん避けでなんとか頑張る。駄目なら決めボム。

・(新)ボス戦の通常攻撃1、2でボムらない。→× 今はボムっているので、練習でなんとか抜けられるようにする。駄目ならボムる。

・(新)クロックコープスをボム無しで抜ける。→× 今はボムっているので、練習する。駄目なら決めボム。

・(新)ルナクロックをボム無しで抜ける。→× 今はボムっているので、上への誘導をがんばるしかない。練習。

・(新)通常攻撃3をボムなしで抜ける。→× 今はボムっているので、張り付きと散開前のナイフ抜けをがんばる。練習。

・咲夜さんの操りドールあたりでいつもボムが切れる。→× 操りドールで最低でもボムが2必要だが、5面ではここまでいつも9ボム使っている。プラクティスでもボムが無くなる。練習でここまでのボム使用回数を減らすしかない。練習練習練習。

STAGE6
・STAGE CLEAR時の得点:目標値?(未知の領域)
・ボム使用回数(目安):16(中ボス通常攻撃:1、エターナルミーク:1、通常攻撃1:1、通常攻撃1:1、スターオブダビデ:1、通常攻撃2:1、紅色の冥界:1、ブラド・ツェペシュの呪い:1、通常攻撃4:1、スカーレットシュート:2、レッドマジック:5)

・(新)道中でピチュらない。→△ 最初の端避けは大丈夫そうだが、次のちょん避けでときどきピチュる。練習。

・(新)中ボスの通常攻撃をボム無しで抜ける。→△ 抜けられそうなのだがときどき詰む。クナイが見えてないせいらしい。練習。エターナルミークはおとなしく決めボム。

・(新)通常攻撃1をボム無しで抜ける。→× 今は最初の波状攻撃でボムっているが、2波目、3波目は抜けられることもあるので練習次第でなんとかなりそう。

・(新)スターオブダビデをボム無しで抜ける。→× 今はボムっている。レーザーで囲まれるのが狭いので、決めボム1は必要そう。

・(新)通常攻撃2を下避けする。→× 上避けは無理そうなのでとりあえず当面は下避けでがんばるしかない。練習。

・(新)紅色の冥界でピチュらない。→△ これは決めボム1は絶対必要。斜め弾に当たらないように練習。

・(新)通常攻撃3でピチュらない。→△ 動揺してナイフに触らないようにすること。集中力の問題。このあとのブラド・ツェペシュの呪いは決めボム1でなんとか乗り切る。

・(新)通常攻撃4でピチュらない。→× 無敵状態のときに泡を食って攻撃しないこと。針弾を飛ばした後のちょん避けを練習。なんとかボム1で。スカーレットシュートは決めボムでごり押し。

・(新)レッドマジックまでボムを残す。→× 今はたいてい残らない。最低でも5ボムくらいは残しておきたい。ボム消しがんばれ。あとお祈り。

→これで計算すると、4~6面のボム使用回数を減らさなければ、41個もボムが必要になってしまう。初期9個+エクステンド4回分12個+1UP2回分6個+(大妖精+小悪魔+中ボス咲夜)3個=30個なので11個分不足している。プラクティスモードで練習あるのみ。あと抱え落ちするな、私。

現時点での紅魔郷:ノーコンティニューで4面までは霊夢Aノーマルクリア。コンティニューして6面までクリア。お嬢様には会えたが妹様までの道は険しい。

 いちいち説明しないが、とても必死なのは伝わってくると思う。すごいな、私。これがさらに進化した日記が、十月六日にある。無駄に長いが、貼り付ける。関心のない方は読み飛ばしてください。

STAGE1 ・中ボス戦までのP:目標値24 ラスボス戦までのP:目標値64 ・STAGE CLEAR時の得点:目標値4,500,000 ・ボム使用回数:0 ・中ボスのルーミアにきちんと貼りつく。→○ 既に問題なし。撃破率は100パーセント。  安定した。

STAGE2
・中ボス戦までのP:目標値100 ラスボス戦までのP:目標値MAX
・STAGE CLEAR時の得点:目標値10,000,000(EXTEND1)
・ボム使用回数:0

・大妖精の緑のクナイでピチュらない。→○ 既に問題なし。クナイでピチュっていたのは、張り付きの後の下がりが不十分だったため。
 安定した。

・(新)アイシクルフォールをボム無しで抜ける。→△ 時々ピチュるのでピチュらない。ピチュるのは、左右に自機がブレているせいで、米粒弾の隙間を抜けられなくなるため。
 安定した。

(新)パーフェクトフリーズをボム無しで抜ける。→△ 三回に二回は大丈夫。弾が停止した後の位置取りに気をつければ、ほぼ大丈夫。安定をめざす。

STAGE3
・STAGE CLEAR時の得点:目標値25,000,000(EXTEND2)
・ボム使用回数:4(芳華絢爛:1、通常攻撃:1、彩雨:1、極彩颱風:1)
・せっかくアイシクルフォールを抜けたのに通常攻撃でピチュらない。→○ ピチュらなくなった。単純に慣れたため。
 安定した。

・(新)芳華絢爛は念のためボムる。→○気合で避けられるのだが、ここまでボムが四つ溜まっており、ピチュると動揺するため。たまに弾幕の隙間が小さいときもあるので、保険をかける意味もある。

・三面の道中でPを拾いに行ってピチュらない。 →○ ピチュらなくなった。 というより、道中までに必ずMAXになるようになったので拾いの必要はなくなった。
 安定した。

・紅美鈴の通常攻撃1でピチュらない。→△ 運の要素が強く、ピチュるときにはピチュる。食らいボムできるように反復するしかない。 △ホーミング巫女だと、だいたい四回攻撃がくる。三回避けると、四回目で弾が点に変わる。画面中央やや下を見ながら、弾の薄いところを予測してちょん避け気味によける。

・彩紅の風鈴は回れないことがわかったからおとなしくボムる。下避け。 →△ 回るのはやはり難易度が高い。下避けを安定してできるまでプラクティスモードで練習すべし。抱え落ちの危険があるので、動揺してピチュりそうになったら食らいボム。○下避けでほぼ安定。ボムらなくなった。

・彩雨、極彩颱風で決めボムのタイミングに遅れない。→○ しばらく粘って決めボムだが、時々遅れてピチュる。ピチュらない!スペルをとるのに色気を出しすぎて決めボムしそこなわないようにする。ただし彩雨はもう少しでとれるようになるかも。練習。

ここまででボム4発。 (初期残機3+エクステンド3)×3+ボーナス1=19なので残り15発。

STAGE4
・STAGE CLEAR時の得点:目標値40,000,000(EXTEND3)
・ボム使用回数:6(本:1、弾消し雑魚:1、アグニシャイン:1、レイジイトリトン上級:1、ラーヴァクロムレク:1、マーキュリポイズン:1)

・緑の弾を撃つ本はおとなしくボムる。 →△ ランダムに弾を吐くので気合避けは無理。 画面右端で粘れば抜けられるときもあるのだが、粘って危ないときはボム。タイミングを間違えない。

・小悪魔のでかい○はおとなしくボムる。をボムらないで抜ける。 →△ クナイに当たってやられることが多数。練習で慣れたい。 練習でかなり慣れた。真下をキープして、クナイを見る。もう少しで安定。

・レーザーの本でピチュらない。 →△ ときどきピチュる。ピチュるのは大抵、上下にぶれて○に当たるせい。練習。 最初の本は、なるべく真ん前で粘って一匹倒し、はじに。次の本は、前へ前へ行くことで回避できる。もう少しで安定。

・三体出てくる弾消し雑魚で極力ボムらない。 →△ 粘った末にボムってしまうことが多い。ダメージの与え方を練習。危ないと思ったらボム。真ん中→左→真ん中という移動タイミングを覚えるしかない。練習。

・パチュリーのノンディレクショナルレーザーで極力ボムらない。 →△ 最初のレーザーはボムらないですむことが多くなった。二度目の青と赤の弾が一緒に出るレーザーで積むことが多い。ここでピチュらないで最悪でも食らいボム。あとは誘導の練習。
 安定した。

・レイジイトリトン上級で極力ボムらない。 →△ ピチュることが多いので練習。気合避けなので、食らいボムの感覚も練習。アグニシャインとラーヴァクロムレクは気合避け無理。

・マーキュリポイズンで極力ボムらない。 →△ 上へ上へ避けるのを練習。無理そうなら決めボム。ちなみにここまででボム数14。初期機数だとエクステンドしてもギリギリ……。現状では機数を増やすしかない。

ここまでボム10発。(初期残機3+エクステンド4)×3+ボーナス2=23なので残り13発。

STAGE5
・STAGE CLEAR時の得点:目標値60,000,000(EXTEND4)
・ボム使用回数:10(道中:1、中ボス:1、雑魚ラッシュ:1、通常攻撃1:1、クロックコープス:1、通常攻撃2:1、ルナクロック:1、通常攻撃3:1、操りドール2)

・最初の上避けでピチュらない。→△ これはだいたい大丈夫になった。
 安定した。

・道中のちょん避けとつながってくる○でピチュらない。→△ ときどきボムってしまう。練習。

・中ボスの咲夜さんへの尻撃ちがうまくいかず、いつも時間切れで雑魚ラッシュに遭う。 →× 現段階の解決策は、もっと張り付いて撃ち捲るしかないのだが、そうすると頭突きでよくピチュる。巧い人のプレイを見て勉強する以外策はなし。現時点では最大の問題点。 中ボスは尻撃ちを止め、ナイフとクナイをS字回避する。→× 尻撃ちはやはり難しい。プラクティスで練習するのも困難であるため、一旦下避けに転じるべきと判断した。S字回避はあたり判定が難しい。なんとか1ボムで抜けられるようになるまで練習。

・ミスディレクションをボム無しで抜ける。→△ ちょん避けなのだが、ときどきミスってピチュる。練習。あと雑魚ラッシュ回避のために時間いっぱいまで粘るのも練習。

・雑魚ラッシュをボム無しで抜ける。→△ 雑魚ラッシュ回避できなかった場合、ちょん避けでなんとか頑張る。駄目なら決めボム。→この5面は点稼ぎの機会が少ないため、ここで稼ぎボムという考え方もある。

・ボス戦の通常攻撃1、2でボムらない。→× 今はボムっているので、練習でなんとか抜けられるようにする。駄目ならボムる。

・クロックコープスをボム無しで抜ける。→× 今はボムっているので、練習する。駄目なら決めボム。 →誘導でなんとか抜けられることもあるが安定はしていない。

・ルナクロックをボム無しで抜ける。→× 今はボムっているので、上への誘導をがんばるしかない。練習。

・通常攻撃3をボムなしで抜ける。→× 今はボムっているので、張り付きと散開前のナイフ抜けをがんばる。練習。

・咲夜さんの操りドールあたりでいつもボムが切れる。→× 操りドールで最低でもボムが2必要だが、5面ではここまでいつも9ボム使っている。プラクティスでもボムが無くなる。練習でここまでのボム使用回数を減らすしかない。練習練習練習。 →中ボス戦と雑魚ラッシュのどちらかで1ボム減らせるようになったが、もう少し練習。

ここまでボム20発。(初期残機3+エクステンド6)×3+ボーナス2=29なので残り9発。できればもう3発欲しい。

STAGE6
・STAGE CLEAR時の得点:目標値?(未知の領域)
・ボム使用回数(目安):13(道中:1、エターナルミーク:1、通常攻撃1:1、スターオブダビデ:1、通常攻撃2:1、紅色の冥界:1、ブラド・ツェペシュの呪い:1、通常攻撃4:1、スカーレットシュート:2、レッドマジック:3)

・道中でピチュらない。→△ 最初の端避けは大丈夫そうだが、次のちょん避けでときどきピチュる。練習。 →やはり最後の攻撃でピチュることが多く、プラクティスモードではボムっている。これは練習あるのみ。

・中ボスの通常攻撃をボム無しで抜ける。→○ 抜けられそうなのだがときどき詰む。クナイが見えてないせいらしい。練習。エターナルミークはおとなしく決めボム。→通常攻撃は安定した。

・(新)通常攻撃1をボム無しで抜ける。→△ 今は最初の波状攻撃でボムっているが、2波目、3波目は抜けられることもあるので練習次第でなんとかなりそう。 現状は決めボム。抜けられないこともないが、抱え落ちを防ぐため。練習。

・スターオブダビデをボム無しで抜ける。→△ 今はボムっている。レーザーで囲まれるのが狭いので、決めボム1は必要そう。ほとんどピチュらなくなった。これは練習次第で安定できそう。

・通常攻撃2を下避けする。→△ 上避けは無理そうなのでとりあえず当面は下避けでがんばるしかない。練習。 実は上避けで誘導するほうが避けやすそうなことがわかってきた。今は決めボム1なので、さらに練習する。

・紅色の冥界でピチュらない。→△ これは決めボム1は絶対必要。斜め弾に当たらないように練習。

・通常攻撃3でピチュらない。→○ 動揺してナイフに触らないようにすること。集中力の問題。このあとのブラド・ツェペシュの呪いは決めボム1でなんとか乗り切る→通常攻撃はほぼ安定。ブラド・ツェペシュは決めボムしている。

・通常攻撃4でピチュらない。→△ 無敵状態のときに泡を食って攻撃しないこと。針弾を飛ばした後のちょん避けを練習。なんとかボム1で。スカーレットシュートは決めボムでごり押し。→スカーレットシュートは決めボムだが、通常攻撃はちょん避けでいけることが多くなった。あと少し。

・レッドマジックまでボムを残す。→× 今はたいてい残らない。最低でも5ボムくらいは残しておきたい。ボム消しがんばれ。あとお祈り→ここまでたどり着けることが少ないが、いければなんとか3ボムで倒せるような気がする。プラクティスで練習あるのみ。

→これで計算すると、4~6面のボム使用回数を減らさなければ、41個もボムが必要になってしまう。初期9個+エクステンド4回分12個+1UP2回分6個+(大妖精+小悪魔+中ボス咲夜)3個=30個なので11個分不足している。プラクティスモードで練習あるのみ。あと抱え落ちするな、私。

 ここまで33ボム。初期残機数では無理だが、設定を目一杯上げればなんとかなる域に入ってきた。あと少しだと自分でも思う。がんばれ私、仕事の合間に。

現時点での紅魔郷:ノーコンティニューで5面までは霊夢Aノーマルクリア。コンティニューして6面までクリア。

 なんだかすごくがんばっていたんだなあ。大学受験でもここまできちんと傾向と対策やっただろうか。

(続きます)

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(5/6)わが戦績 その1

 すでにmixiの日記をご覧になっている方はご存じだと思うが、私が最初に日記で東方ゲームのことを書いたのは、昨年の五月二十七日のことだ。このときにはもう相当はまっていて、毎日ゲームと向き合っていた時期だと記憶している。こんな風に書いてある。

近況を報告すると、「東方紅魔郷」を購入して実際にゲームを試してみている。ニコニコ動画で東方の二次創作動画を楽しませてもらっているのはいいけれど、原作を経由しないで二次だけ、というのはやはり元ネタに対する敬意が足りないかな、と思ったので。シューティングゲームをやるのは生まれて初めてなので、非常に難しい。これに目がついていく人ってすごいな。複眼なの?

 そしてだんだん中毒になっていく。六月二十一日には、ついにゲームのための覚書「最近がんばっていること」を日記に書いているのだ。

・中ボスのルーミアにきちんと貼りつく。時間切れにしない。
・大妖精の緑のクナイでピチュらない。
・ボムってもいいからアイシクルフォールで抱え落ちしない。
・せっかくアイシクルフォールを抜けたのに通常攻撃でピチュらない。
・三面の道中でPを拾いに行ってピチュらない。
・とにかくピチュらない。
・彩紅の風鈴は回れないことがわかったからおとなしくボムる。
・小悪魔のでかい○はおとなしくボムる。
・パチュリーのノンディレクショナルレーザーもおとなしくボムる。
・とにかくボムる。
・あとは誘導をミスらない。

 これでステージ4までノーコンティニュークリア、のはず。

 これで見ると、まだ全然上達していないようだ。そうか、二面の大妖精で事故死することがあったんだね、まだ。

 そして、二日後には「最近がんばっていること」の第二弾が日記に登場する。

・中ボスのルーミアにきちんと貼りつく。→○貼りつくのは巧くなった。ほとんどの攻撃が自機狙いなので、貼りついてもちょん避けで大丈夫。

・大妖精の緑のクナイでピチュらない。→×いまだにピチュる。貼りつきの後で下がるとき、左右に自機が振れてしまうのが原因。

・ボムってもいいからアイシクルフォールで抱え落ちしない。→△アイシクルフォールでは観念してボムを使うようになったため、ほとんどピチュらなくなった。安定したらボムを使わない手段も試したい。

・せっかくアイシクルフォールを抜けたのに通常攻撃でピチュらない。→×いまだにピチュる。アイシクルフォールが終わったあとに気が緩むためか。

・三面の道中でPを拾いに行ってピチュらない。 →○ピチュらなくなった。二面まででパワーをMAXにできるようになり、無理をしなくなった。

・とにかくピチュらない。→×でもピチュる。これは資質の問題。

・彩紅の風鈴は回れないことがわかったからおとなしくボムる。 →×彩虹の風鈴だけではなくて、その前の通常攻撃でもよくピチュる。そのため、ケチってしまってボムのタイミングが遅れる。

・小悪魔のでかい○はおとなしくボムる。 →○ボムらないで抜けられるようになった。○よりもクナイ弾を見ているほうが確かに抜けやすい。

・パチュリーのノンディレクショナルレーザーもおとなしくボムる。 →△ボムってもボムらなくてもピチュ率はほぼ同じであることがわかった。要するに自機が左右にぶれる癖を直さないと、いつまでもピチュるということである。

・とにかくボムる。 →△がんばる。

・あとは誘導をミスらない。 →×ミスってばかりである。

 最大の問題は、「ゲームは一日一時間」という決まりを守れなくなりつつあることである。高橋名人に謝れ! 杉江松恋は反省しる!

 なんだかすごくがんばっているみたいで、思わず目頭が熱くなる。苦労したんだなあ、君も。しかし、こんなことをしていてちゃんと仕事はできていたのだろうか。手帳で確認してみたが、この六月二十日から二十三日の間にはあまり予定が書いていない。まさかと思うが、何もせずにゲームに没頭していたんではないだろうな。何が「高橋名人に謝れ!」だか。

(これは続いた)

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(5/5)「お父さん」になりたくてなりきれていない人へ

 こどもの日だが、家にこもって仕事をしている。暑いし。日が暮れたら、家族で近所の銭湯にでも行くつもりだ。今日はきっと菖蒲湯だろう。あれは大きな湯船で入ったほうが気持ちいのである。

 明日からまた子供は学校に行く。たぶん明日配られるはずの学校からの定期連絡誌に、校長先生の依頼でエッセイを書いた。PTA会長の新学期挨拶を兼ねた内容なので、ちょこっと転載します。
===================================
「お父さん」になれるといいんですが

 こんにちは。今年もPTA会長としてお世話になります。去年の十月に、四十一歳になりました。私たちの年齢だと、この年になると「元祖天才バカボン」のエンディングテーマを歌う決まりなんです。「四十一歳の春だから」って言うんです。

 その年でどうかと思うんですが、私は今でも人との距離感がよくわかりません。もっと言えば、家族との距離感もよくわからないんです。一緒に暮らしているのに、距離感がわからないなんて変ですか? でもそうです。中学生で生意気なことに反抗期に突入して以来、いまだによくわからないんです。小学生のころは、三十歳になったら自然に分別がついて「お父さん」と呼ばれるキャラクターに変身できると思っていたのになあ。でも今だって、「お父さん」って呼ばれることを考えると恥ずかしくて、恥ずかしくて、おへそのあたりが痒くなります。自然に「お父さん」になれる人を私は尊敬します。
 きっと、私みたいな人間は「お父さん」になる練習をしないといけないのでしょうね。こっそり練習をして、「お父さん」スーツを着るような気分でわが子の前に出て。それでようやく「お父さん」になれる。これ女性は、「お母さん」の場合はどうなのかな。

 私が懇意にさせていただいている小説家で、森博嗣さんという方がいます。森さんは、お子さんに「勉強しろ」と言ったことも「そんなことをするな」と叱ったこともほとんどないそうです。激しく怒鳴ったのも、お子さんがまだほんの小さかったころだけ。なぜならばそのころは、人としての分別がまったく備わっていない年齢だったからです。たとえはまずいかもしれませんが、子犬をしつけるのと同じことなんでしょうね。
 その森さんが子どもと接するときのルールが、一つだけあるそうです。それは「自分の姿を見せる」ということ。きちんと仕事をしているときはその姿を、勉強をしているときは勉強をしている姿を。もちろん好きなことをして遊んでいるときには、思い切り遊んでいる姿をそれぞれ見せるというのです。そのときどきのあるべき姿を、子どもが自然と学ぶように、ということなのだと私は考えています。そうか、真似できたらいいんだけどな。でも、なかなかできることではないですよね。悪いところを見せるのは簡単なのだけど。

 ご存じの方も多いかとは思いますが、私の仕事は文筆業です。基本的に在宅の仕事なので、帰ってくる子どもを家で迎えることができます。これが今の仕事のいちばん嬉しいところだと私は考えています。それだけ悪いところを見られる機会も多くなってしまうので子どもが帰る時間には気張った顔をするようにしているのですが、つい疲れて居眠りをしてしまうこともあります。かっこいい「お父さん」になるのは、やはりちょっと難しい。

 やはり小説家で川端裕人さんという方がいらっしゃいます。この方は作家業のかたわらお子さんの通う学校でPTAの運営役員を務められました。『PTA再活用論』(中公新書ラクレ)というご著書もありますが、今はあえてPTAを脱退し、保護者として学校との接し方を模索しているそうです。わが子との距離、親と学校の距離を真剣に考えた結果、実験に出られたのでしょう。これはこれで勇気のある決断だと私は思います。
 森さんや川端さんのような思いきったことはなかなかできない。だから私は、目先のできることをやりながら、「お父さん」を目指そうと思っています。その道が私の場合はPTAの役員として頑張ってみることでした。もちろんみなさんにはみなさんの道があると思います。お互いに、頑張りましょう。たいへんだけど、きっとなんとかなります、よね?

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(5/5)私がヒゲのPTA会長になった理由 その5

(承前)
 町会の体質を知ってやる気を失いかけていたとき、寝耳に水の要請をいただいた。この私に次年度の少年部長を引き受けてもらいたいというのだ。

 えーっ、辞めようとしていたのに。

 しばらく考えたのち、結論を出した。
 引き受けることにしたのである。
 たしかに町会の体質には問題がある。旧態依然とした男性優位主義が制度として残っていて、上層部にはそれを変える気などまったく無いように見える。それどころか、不満を申し立ててもまともに取り合ってもらえないのが現状だ。少年部の、一員にすぎない人間の言葉など採り上げるつもりはないのだろう。
 だけど、それが少年部長、つまり町会の役員の発言だったら。
 もしかすると、内部から町会の体質改善を促すことができるかもしれない。
 おいおい、そんなことが簡単にできるのかよ、と三年前に戻れたら自分自身に問い質したいものである。でもそのときは「できる」「やれる気がする」と思ってしまったのであった。町会という近所の「世間」を判っているつもりでまだよく判っていなかったのだろう。知らないから物怖じしない。話せば理解してもらえる、と信じ込んでいたのだ。
 自分がおかしいと感じることを素直に伝えれば、きっと他の人にも通じるはず。
 そうかもしれないね。実行力がちゃんと伴えば、なんだけど。

 私の属している町会では、年度の初めに役員会がある。そこで内々に承認されたことを五月の総会にかけ、正式な決定事項とするのである。四月の役員会に出席し、初めて就任の挨拶を行った。拍子抜けしたのは、そのとき、他の役員を紹介してもらえなかったことである。えーっ、こっちは初出席なんだし、名前だってわからないじゃん。
 もちろん全員の名前がわからなかったわけではない。町会には少年部以外にもいろいろな部がある。その部の人が総会資料作成のために活動報告をしていった。発言の都度、ノートに報告者である部長の名前をメモしていたので、その人たちが誰かはわかったのだ。
 わからなかったのは、発言をしなかった人々の素性である。
 役員会には二十人近い人々が出席していた。うち四名程度が女性で、これは例の婦人部の方だった。婦人部だけがなぜ多いかというと、出席した役員にお茶を出したり、お茶請けの菓子を振舞ったりするために出席しているのである。早い話が「お茶汲み」である。女性といったって、新人OLのような年齢ではないよ。どう見ても私より年上、下手をしたら母親よりも高齢の方がやってきて、お茶汲みの雑用をしているのである。そんな年長者に雑用をさせて平然とお茶を啜っていられるほど、私は図太くありません。
 いやはや、すげえ男尊女卑だ。いや、これはそういうものなのだから、外から来たばかりの人間があれこれ言うべきではないのだろう。どうにもなじめない慣習ではあるけど。

 その女性たちのお名前が不明なのは仕方ないとして、困ったのは部屋の奥に座っている高齢者の方たちの名前がわからないことだった。年の頃は七十過ぎといったところだろうか。四、五人で固まって座っていて、別に何の報告をするでもない。だが、時折手を挙げては「私が区から聞いたところでは」とか「そういうときには町会ではこうする慣例で」とか意見を言われるのである。どう見てもオブザーバーで出席している人ではない。何か大事な役職に就いているように思うではありませんか。町会長のカタギリさん(仮名)も、なんだか彼らには遠慮しいしい物を言っているようだ。たぶん彼らは、何か偉い役職の人なのである。
 しかし、どこの誰なのかは皆目見当がつかなかった。結局私は、その疑問を五月の総会まで持ち越すことになる。

(続くこともあるだろう)
 

 

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(5/4)高尾山が星二つとはなんぞ

 テレビの件もあってここ数日慌ただしかった。その埋め合わせというわけではないが、昨日は家族と一緒に高尾山に登ってきた。

 嗚呼、高尾山。
 嗚呼もなにもないもんだが、高尾山である。三多摩で高校時代を送った私にとって、高尾山は「学校をサボって平日に暇つぶしをしにいく場所」だった。平日に登るとただの一人も行き会わなかったりするのだ、これが。山頂まで行って、昼寝をして二冊ばかり文庫本を読んで、のそのそと帰ってくる。それが「サボり高尾山コース」の素敵な一日だった。人があまりいない、静かな山だったからできたことである。

 およそ十数年ぶりに登った高尾山は違った。あの閑散としていた一号路に明治神宮の初詣客かと見紛うほどの列ができていた(後で知ったところによると、山頂までその列は連なっていたらしい)。ケーブルカーとリフトは一時間待ちだ。なんたる人口密集。みんなそんなに高尾山が好きなのか。マニアか。例の世界でいちばん有名なグルメ本に高尾山が採り上げられ、なぜか星二つの評価がつけられたということは知っている。その結果大勢の観光客が押し寄せ、都内の人気行楽地になったのである。人気があるのはいいが、ここまでとは驚いた。あまりに人が密集しすぎて、「下山者はこれから登山する人に道を譲る」程度の登山の初歩的なマナーさえ守られていないほどである。道が狭いところで渋滞するのは仕方ないとして、道の端を走って若者が追い越していったりするんだもの。まず自分が危ないし、他人に迷惑だし、なにより歩いていい道以外の場所に踏み込むのは駄目だ。さすがにあれだけ人がいると、「登山客同士で挨拶をする」のは無理だと思うけど。飼犬を連れてきている人がいたのでまずいのではないかと考えていたが、登山の基本マナーとして生態系を脅かす行為として禁止すべきという意見の人もいるようだ。まあ、糞などは持ち帰るんでしょうけどね。

 昨日は、どうやら怪我人まで出てしまったらしい。上空にヘリコプターが飛び始めたので何事かと思っていたら、小型の緊急車両が群衆を掻き分けて麓まで降りていった。どうやら救護が間に合ったようで、よかった。でもあれだけ人が密集していたら、もしものときに身動きがとれなくなってしまう可能性もある。人気が出るのも考えものだ。友里征耶の予言が当たっていれば、某ガイドが日本で売れなくなるのもそんなに遠い未来のことではないようだから、いずれまた静かな山が帰ってくるのかもしれない。そうなったらまた、仕事をサボって登りに行きます。

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(5/3)東方紅魔郷練習シートの使い方

 よく晴れたので、これからおにぎり持って高尾山にでも登ってきます。

 昨日の「MAG・ネット」を観ていらっしゃる方があるかもしれないので一つだけ。番組中に出てきた表は、攻略パターンを作るためのもので、決めボムの位置と数をあらかじめ定めておき、使わずに済むようにしていくというものでした(だからちょっと多めになっている)。桝目の中に「ボム」と書いてある場所に、ボムを使ったら丸をつけ、きちんとボムったことを確認します。ボムだけではなく、自分がピチュったときには×をつけてその場所でミスをしたことも記録しておきます。そうやって練習したときの記憶を紙に固定しておいて、自分がどこでボムを怠りやすいか、焦ってミスをしがちかを数量管理するためのものでした。このメモをつけ始めてようやく体が慣れてきた感じです。

 ちなみに東方妖々夢ではこのシートを作っていません。紅魔郷に比べて格段に楽だったためで、シートを作ろうかな、と思う前にノーマルクリアできました。むしろ役立ったのは精神面を強化する練習です。妖々夢をプレイする前に毎日一回紅魔郷をやっておくと「紅魔郷の辛さにくらべればこれくらい」と、不思議な自信がつくのでした。ありがとう紅魔郷。ありがとうレミリア・スカーレット。おかげで妖々夢は短期間でクリアできました。

 以上、昨日の番組を観ていない人にはなんだかわからない記述で申し訳ありませんでした。それでは山登りしてきます。

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(5/3)「MAG・ネット」東方Project放映終了

 というわけで無事に放映されたようである。ご視聴いただいた皆様、どうもありがとうございます。こんな俄かファンが語ってしまって申し訳ない。

 福嶋亮大さん、やまけんさんとの鼎談は、お二人ともいろいろ興味深い話をされていた記憶があるのだが、尺の都合でカットされていて残念だった。いろいろ興味深いって、どう興味深いのか聞かれても困るのだが。忘れたし。とりあえず『神話が考える』は、おもしろい評論なので読むことをお薦めします。やまけんさんには、いろいろゲーム業界周辺の情報も教えていただいた。勉強になりました。お二人には改めて感謝申し上げます。

 とりあえず明日からまた、永夜抄をノーマルクリアする練習に戻るんだぜ。先輩のみなさんに追いつけるよう、精進する所存であります。わからない箇所があったら、ぜひ教えてください。

 あと、番組中で出てきた東方吹奏楽団の演奏会場、近所の目黒区民センターなんじゃないかと思っていたらやっぱりそうだった。取材に行くんなら教えてくれれば一緒に行ったのに。残念。次は私も観衆として参加したいです。

追記:番組で収録しきれなかったトーク部分は、後日ホームページで動画公開するそうです。よかったら見てやってください。

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(5/2)コキジ君の結婚式

 そういえば昨日は年下の友人コキジ君の結婚式だったのだが、やまけん氏のご出身でもある某所の市長が出席していた。コキジ父が親友なのだそうだ。知らなかった。

 私が座っていたのは新郎友人テーブルである。高校時代の知り合い四人と見知らぬ人が二人。最初は、その二人がおそらくコキジ君の大学時代の友人なのだろうと思い、迷惑にならないように言葉を選んで話していた。だがそのうちに、彼らの方から「自分は新郎の高校時代の同級生である」と告白し、なんだ同じ高校じゃないかしかも後輩じゃん、と打ち解けてしまったために、テーブルが妙な盛り上がり方に。しまいにはその後輩の一人が「自分は尻の筋肉で割り箸が折れますから余興でぜひ!」と言い出し、えらいことになってしまったのであった。その後の展開は省略する。司会のお姉さんは苦い顔をしていたいたが、市長は笑っていた(と聞いた)とだけ書いておこう。コキジ君、おめでとう。お幸せに。

 コキジ君が高校時代にクラスで「金ちゃん」と呼ばれているので不思議に思っていた(本名とまったく関係ない)。昨日、同級生から話を聞いて、ようやくその疑問が解けたのだった。
 彼のクラスの、高校生活で最初の授業は保健だったらしい。珍しいことだが、なくはないだろう。その授業で教師がやたらとはりきっている人で、いきなり「男女の性器にあたる言葉をいくつ上げられるか言ってみろ」という話になった。なんでだ。どういう教師なのかそれは。そして指名は運悪くコキジに。よく言えば天真爛漫で素直、悪く言えば少々おっちょこちょいなところのあるコキジは高らかに「金○!」と答えたのだった。
 それで「金ちゃん」か。
 同級生曰く、「○丸と答えていたら、あだなは「コウちゃん」になっていたと思います」

 金ちゃん、その調子でがんばれ。幸せな新生活を築くには、君のような物怖じしない姿勢が大事なんだ。うまくまとめたつもりかそれで。

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(5/2)「MAG・ネット」の件追記

 番組ホームページに詳細なデータが出ていたので転記しておきます。放映は今夜。
========================
動画や音楽など様々な二次創作が生まれ、ファンが拡大し続けている、同人シューティングゲーム東方Project。その魅力の源泉を探るため、二次創作に励む同人サークルや作者ZUNさんの仕事場を取材しました!

出演者:福嶋亮大(文芸評論家)、杉江松恋(書評家)
     やまけん(ネットラジオプロデューサー)ほか

放送日時: 2010年 5月2日(日)23:50~(BS2)
               5月7日(金)24:25~(BShi)
               5月12日(水)17:00~(BShi)
========================
 福嶋亮大氏はこのたび青土社から『神話が考える』を刊行した気鋭の評論家である。私も読んだが、ハメット、チャンドラーの比較論から村上春樹の読み解き、東方Project流行の分析に至るまで、広範な範囲を照準に収めた刺激的な一冊だった。ぜひ一読をお薦めします。

 対談は福嶋氏とやまけん氏が本当の識者で、私はほんの聞き役にすぎない感じになっていると思う。観るのがこわいです。

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(5/1)仁侠スタッフサービス

 うっかり忘れていたが、「小説すばる」の今月号に西村健『仁侠スタッフサービス』(集英社文庫)の解説を書いています。うっかり忘れていたというか、なぜか「青春と読書」の原稿だと思い込んでいたのであった。

 本日はこれより友人コキジ君の結婚式に行ってくる。コキジ君は数少ない高校時代の後輩で、すぎむらしんいちの名作『超学校法人スタア学園』の主人公に似ているのでコキジと呼ばれている。新宿ヒルトンでの挙式だそうだ。ホテルウェディングなどに行くのはひさしぶりなので、服装の選択で迷った。普通の背広でいいんだよね? 困ったことに靴が、派手なバックルつきのヤクザなものしかない。なので今日はヤクザ風のコーディネイトで行くので親戚のおじさんなんかに聞かれたら、「あの人は高校のときまでは真面目だったんだけどグレてしまって。今はヤクザな稼業をやっているみたいです」と紹介するように(半分当たっているし)。

 夜は末広亭の夜席にでも行こうかと思う。

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