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(6/25)傷つけられることを覚悟した者だけが前に出ろ

「ミステリマガジン」の最新号が発売になった。いくつかの連載が今号で終了するのだが、千野帽子氏「誰が少年探偵団を殺そうと。」連載もその一つ、ミステリー評論に対する評論としてスリリングな物言いをしている回がいくつかあり、雑誌が届くといつも最初に読んでいた。最終回、どういうところに着地するのかといえば、ほぼ予想通りの位置でした。たいへんに厳しい指摘。しかしミステリーについて発言をしている人間はすべからくこの「罵倒」(とあえて書くけど)を受け止めてはね返すだけの力を持たなければならないと思うのであった。罵倒されてメソメソしている場合じゃない。千野帽子氏曰く、かつてのビッグ・ネーム・ファンにかわり、現在SFやミステリや幻想文学や漫画をジャンルとして語り散らしているのは「馬鹿でナイーヴな腑抜け」であると。おお。

 もちろん罵倒は叱咤激励であり、それを受け止めきれずにへたりこんだらその時点で意味がなくなる。ジャンル文学に限らず、どんな発言者であっても、こうした批判を受ける可能性は常にある。そのとき「ジャンル外の人間に言われたくない」とか「ジャンル愛のない人間い言われる筋合いはない」とか言い出したら負けなのだ。また、「いいもん、ジャンルのファンはわかってくれるもん」と無視を決め込んでも駄目。そこで腐敗は始まる。千野帽子氏の批判は、そうした自己崩壊を見越した上で行われたものだ。罵言に対して脊髄反射しろと言っているのではない。批判を批判として受け止めた上で何が自分にできるかをゆっくり考えなければいけないということだ。いや、ゆっくりじゃなくて急いでだけどね。千野氏は二年間も(同人誌からの流れを含めれば四年間)も猶予期間を与えてこの批判をしてきたわけである。そろそろ何かをしないと、ミステリファンは腑抜け、扱いされても文句はいえなくなる。

 というわけで興味深い連載であった。千野氏は次号からも評論を連載される由。慶賀。

 あ、今月の私のHMMレビューで間違いが一点。『ぼくの名はチェット』について触れた文章で、「翻訳ミステリー大賞シンジケート」の原書レビューにおいて同書を取り上げた方が高山真由美さんと書いているのだが、正しくは片山奈緒美さんである。たいへん申し訳ありませんでした。

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