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(8/25)子供が夏休みの終わる日を一日間違えていた

 東北地方などではもう二学期が始まっているところもあると思う。東京都ではあるが、うちの区も二期制を採り入れているので、今日から秋の学期が始まるのである。いや、二期制を採用するとなぜ夏休みが短くなるのか、本当はよく判ってないのだけれど。拙宅は妻が学校関連の仕事をしていて、子供が小学生なので、七月から八月にかけて家族が昼間在宅していることは多い。家を仕事場にしている私からしてみれば、ちょっと気分が変わる月間である。慣れないのでしょっちゅう、「今日は出かける?」「家にいるの?」と聞くことになり、なんだか家にいられては困る人みたいだ。そうではなくて、昼食を三人分用意するかどうかが知りたいのです。気にしていることが伝わるのか子供から「夏休みはみんなが家にいるから電気代がたいへんなの」と聴かれてしまった。昼のワイドショーでエアコンのせいで電気代がかさむ、というのをいつもやっているから、憶えてしまったのだな。いや、いつもよりは高いけど、心配したほどじゃなかったから大丈夫。まあ、気にすんなよ、子供なんだから。

 今、ひさしぶりに子供が学校に行っていて、なんだか物足りない気分がしている。今日が初登校のはずなんだが、実は昨日も子供は朝学校に行った。そして「一日間違えていた!」と驚いて帰ってきたのである。いや、驚いたのは親のほうだ。よかったね、遅いほうに間違えなくて。

 今年の夏は、子供がずっと家にいて、家族で旅行にも行けた。仕事を調整したら四日ばかり空いたので、えいやっと中国の海南島に行ってきたのだ。子供が人民中国に行くのは二回目で、実は二十一世紀になる瞬間に香港にいた。しかしあのころは幼児だったので、ほとんど記憶はないだろう。パスポートを渡して入国審査に並ばせたら、なんだか緊張した顔をしていた。ああいう顔を見られるのも、小学生のうちかもしれない。貴重な経験をさせてもらっているわけで、子供を遊ばせるといいながら、実は親のほうが楽しみにしていた。時間が過ぎていくのが惜しくて、ずっとこのまま旅行をしていられたいいのに、夏休みが終らなければいいのに、と思っていた。しかし旅行は終わり、夏休みは終わり、子供は学校に行く。私はまた、家で一人で仕事をしている。

 夏休み終わり。私は別に休んでいなかったけど終わり。内緒だけど、子供よりも実は私のほうが終ってもらいたくない夏休みだった。でも終わり。

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(8/23)東方風神録クリアしました、の記念その2

 誰も得をしないかもしれないけど私の攻略メモを転記。

4面 目標:12000万程度? 終了時パワー:希望としては2.30ポイント エクステンド1(8000万)
道中1:最初の雑魚を左から右に5体倒す→画面右から少し入ったところで待機し、画面上段に出現する敵群の周りを旋回しながらホーミングで倒す。このとき、パワーが少ないと出現した敵に衝突することあり→ばら撒き雑魚を霊撃で瞬殺→白中玉を撃つ敵を右から下に誘導して撃破→米粒弾の群れと白中玉のカップル攻撃。米粒弾の下を沿うようにして抜け、白中玉の塊を高速で回避→ばら撒き雑魚を霊撃で瞬殺→白中玉を撃つ敵が出るので上→左の順で回避。ここでパワーが最低2.00は必要。
中ボス【犬走椛】
通常:タチの悪い中玉と米粒弾のばら撒き。霊撃ですぐにはりつき、四つ数えて下がる。霊夢の服の色が変わった瞬間に再度霊撃ではりつき。たぶん四つ数えるくらいで撃破できるが、たまに間に合わずピチュる。
道中2:再度米粒弾の群れと白中玉のカップリング。今度は少し長いので詰みそうになったら霊撃→鴉の群れを左から右に退治して上回収→白中玉を撃つ敵を右から下に誘導して撃破して上回収→右から左へちょん避け→ばら撒き雑魚を霊撃で倒し、弾を撃ちながら右に行って次のばら撒き雑魚を撃破。出現した三体目のばら撒き雑魚を霊撃→鴉の群れが左右から出てくるので右側の中段上寄りに位置し、そちら側から出てくる鴉を瞬殺しながらときどき上方回収。
ボス【射命丸文】
通常1:中玉が円形にまとまってくる。最初の大規模円を抜けると次の中規模円もそのまま抜けられるが、当たりそうなら位置を微調整。
スペカ「天の八衢」:最初は張り付きやや下にさがって追い詰められたら霊撃で再度張り付き。下がっている間に抜けられる。
通常2:丸く固まった中玉が速いものと遅いものの2グループで迫ってくる。がんばらないで霊撃。
スペカ「風神木の葉隠れ」:円形に膨らんだ米粒弾が左右から交差する形で降り注いでくる。がんばらず2霊撃。運がいいと1霊撃で抜けられることもあり。
通常3:通常2と同じパターン。霊撃。ここでだいたいパワーは2.80になる。
スペカ「幻想風靡」:15秒間の耐久スペカ。画面右で細かく動きながら回避。できれば5面のために霊撃を温存したいが危なくなったらやむをえない。
スペカ「山神渡御」:斜めと円形波状の二通りで米粒が迫ってくるので間を抜ける。できれば1霊撃安定したいが、根性が続かず2霊撃を使ってしまうことも。ここでピチュって、霊撃を3回分持って5面入りするのも手か?

5面 目標:18000万程度? 終了時パワー:希望としては1.30ポイント エクステンド2(15000万+アイテム)
道中1:左右左右で列を作って落ちてくる雑魚を始末→涙滴型のグループで自機狙いを撃ってくる雑魚を左右どちらか→上に誘導して回避→羽根付き妖精を左右交互に撃破しつつ、涙滴型自機狙いの雑魚が出てきたら無理せず霊撃→中白玉と米粒弾が降ってくるので画面下で左から右にちょん避けし上回収→羽根付き妖精をまた左右交互に撃破しつつ、中白玉が飛んできたら霊撃→早苗が出てきて弾消ししてくれるまで粘り上回収。
中ボス【東風谷早苗】
通常1:星型の弾幕が膨らんで切れ目が入ったところで霊撃張り付き。
スペカ「グレイソーマタージ」:2霊撃必要。足りないときは下で二種類の弾をよく見てちょん避け。ここでよく死ぬ。
道中2:羽根付き妖精につきあいながら、米粒弾の群れに霊撃→全方位ばら撒き羽根付き妖精の下で細かく動きながら避けて撃破→雑魚ラッシュを細かく避けながら抜ける。派手に見えるが案外当たらない弾幕。
ボス【東風谷早苗】
通常1:中ボスのときと似た星型弾幕。霊撃に余裕があれば使ったほうがいいが、大きく振りながら避けることも可能。イメージとしては十六夜咲夜の通常に似ている。
スペカ「白昼の客星」:米粒弾と白小玉がゆっくり落ちてくる。隙間を左→中→右、右→中→左の順に抜けていけば回避できるのだが、事故死しやすいので最初のグループを抜けたところで霊撃。
通常2:これも咲夜に似た弾幕。長い刃のようになったグループを画面下で回避。刃の先に少し空いたところがあるので、そこに入り込む。高速でさっと入ってすぐ引き返すイメージ。
スペカ「海が割れる日」:レーザーの塊の間にS字にうねった通路ができる。そこに槍状の自機狙い弾が飛んでくるので、S字カーブから次のカーブへちょん避けして切り返していく。自機狙い弾に追い詰められると事故りやすいので、余裕があれば次のカーブに移動するほうがいい。また自機狙い弾はV字を描くつもりで避けると当たりにくい。
通常3:通常2の交差版。刃の列が×を作りながら降りてくるので、リズミカルに左右移動しながらかわす。慣れると回避しやすい。
スペカ「神風を喚ぶ星の儀式」:赤青の丸玉がランダムな群れとバーの塊を作って落ちてくる。1霊撃で安定だが、パワーが足りないときは切れ目を捜して必死に避ける。
スペカ「神の風」:落ちてくる中丸玉を左にちょん避けしながら、カーブを描く米粒弾の尻尾に当たらないようすり抜ける。これを左右左右と繰り返す。パターンが決まっているので、ぼーっとしなければ当たらないがたまに事故る。

6面 目標:クリアできれば30000万程度? 終了時パワー:- エクステンド0
道中1:中→左→右と降りてくる雑魚は左に誘導し回収→左右からのばら撒きを中央からちょん避けし落ちてくるアイテムを回収→波状のばら撒きをする雑魚が中央に出現したら霊撃で倒し回収→最初と同じ中→左→右の雑魚→左右からのばら撒き(こちらの方が目が粗いと思う)を同じくちょん避け→ばらまき雑魚が出てきたら霊撃。四つ数えて下がり再び霊撃。このとき下で撃ちながらアイテムが落ちてくるのを待つ手もあり。そうすると信仰ポイントの減少を若干食い止められる。
ボス【八坂神奈子】:
通常1:同心円状のばら撒きが左右からくるので、最下段でちょん避け。ただし、事故ってピチュる可能性が高いので霊撃推奨。一発で安定する。
スペカ「エクスパンデッド・オンバシラ」:最初は画面右に寄って落ちてくる札を誘導。迫ってくるオンバシラをかすりながら中央に戻る。以下右左で同様に。
通常2:画面左によって落ちてくる米粒弾の群れをちょん避け。隅まで追い詰められたら霊撃1だが、運がいいとそのまま終ることも。画面中央下で大きく振って避けるやり方もあるが事故に遭いそうなので私はやらなかった。
スペカ「神の粥」:大きな見かけで落ちてくる弾が画面下で小さく変わる。避けにくいので2霊撃だが、ちょん避けで抜けられるかも。プラクティスで練習してみる。
通常3:「紅魔館」咲夜通常2のような感じでナイフが迫ってくる。何度か隙間を抜けようとしたが事故に遭いやすく霊撃1。
スペカ「御射山御狩神事」:白中玉とナイフのセットが群れで落ちてくる。白玉の間を抜けながら左右どちらかに抜けてナイフの隙間から脱出可能だと思うが、事故に遭いやすい。霊撃2。
通常3:大玉の連射→赤紫のナイフ→中玉の順で繰り返される。それぞれの攻撃の間以外神奈子は無敵化していてゲージが減らない。すべて下段で回避。大玉はいちばん避けやすく、下で待機して個別に回避。ナイフは赤の流れをちょん避けし、画面1/4ぐらいのところにある紫の位置を見て、高速で弾道を超えて移動。中央から開始しても追い詰められることはない。中玉は気合避けだが、同じように画面1/2くらいのところでだいたい落ちてくる弾道が見える。動きとしては左右のちょん避けに近く、慣れてくると当たらなくなるが、疲れてきて危険だと感じたら霊撃。ホーミングだと66秒の間に神奈子は倒せないので、ほぼフルに避け続ける必要がある。
スペカ「お天水の奇跡」画面下段1/3で迫ってくる二種類の弾を避け続ける。挟まれてどうにもならなくなったら霊撃。だいたい2発で安定。弾の動きは遅いのであまり事故には遭わない。
スペカ「マウンテン・オブ・フェイス」:中央に札弾の塊ができ、それが下に舞い落ちてくる。風に吹かれる木の葉のような左右の動きだが、画面中央で挟まれることがあり、まただんだん加速してくる。霊撃は霊夢の周囲数センチしか効かないので、完全に弾に追い詰められたときの回避用。可能な限り中央に位置してショットでゲージを削り、気合で避け続けるしかない。慣れてくるとだんだん札弾の落下地点が判るようになるので、危ないと感じたら即霊撃。ピチュったら、大Pは必ず回収するのも必須。回収しきれなった場合、霊撃を使ってでも取ること。
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 以上でした。次は地底の主に闘いを挑んできます。

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(8/21)東方風神録クリアしました、の記念その1

 また東方Projectか、と呆れられるかもしれませんが「東方風神録」をプレイ開始から五十二日目でクリアできました。誰もがいちばん簡単、初心者向きという作品ですが、たしかにこれまでで最短のクリア日数です。ここから入ったら楽になじめそうだけど、逆に「紅魔郷」では大変な思いをしただろうな。難しいとされる作品から入って、自分としてはよかったと思っています。

 クリア記念に覚書。誰が得をするのか、という問題はまあ措いておいて。

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1面 目標:1500万程度? 終了時パワー:5.00ポイント エクステンド0
道中1:ホーミングなので上空に滞在して絶え間なく回収。タイトルが出るときに少し間が空き、信仰ポイントが下がるのでわざと緑の妖精を撃たずに残しておき、第二波が来たときに回収。以降も間が空くときにはなるべく同じように回収を遅らせること。
中ボス【秋静葉】
通常:張りついて最速で撃破。早く倒すと次の羽根つき妖精前に赤妖精が最大で四体出るので、0.20パワーポイントお得。
道中2:道中1と同じ。最後の波が来たとき、わざと数体分のアイテムを残しておき、信仰ポイントが減り始める寸前で上方回収。これで3万信仰ポイントの減少を防げる。
ボス【秋穣子】
通常1:画面下。左右にちょん避け。
スペカ「オータムスカイ」:左右にちょん避け。ときどき上下。
通常2:画面下。左右にちょん避け。
スペカ「オヲトシハーベスター」:米粒弾の少ないところを選び、ビームの間に入る。動かなければ当たらないので、左右移動は最小限に。

2面 目標:4000万程度? 終了時パワー:3.30ポイント エクステンド1(2000万)
道中1:特筆事項なし。
中ボス【鍵山雛】
通常:雛がくるくる回りながら落としていくアイテムを極力拾う。パターンが変わって自機狙いが来たらまわれいむに切り替えという攻略動画もあったが、私は下で安定したので無理にやっていない。
スペカ「バッドフォーチュン」:残ったアイテムを上方回収し中段で少し耐えてから霊撃。上下左右のちょん避けで抜けられるが、この後の雑魚ラッシュで稼ぐため。
道中2:自機狙いの白中玉は誘導で左右どちらかに。次の羽根つき雑魚は瞬殺。
ボス【鍵山雛】
通常1:札弾の隙間ができるので、そこで落ちてくる白中玉を左右に避ける。
スペカ「ブロークンアミュレット」:第一波が来たところで霊撃→4つ数えたら下がって待機。下で避けられるけど無理しない。
通常2:赤青札と米粒弾の落ちてくる間に縦の隙間ができるのでそこを見つけて避ける。
スペカ「ミスフォーチュンズホイール」:第一波の米粒弾が中程度の隙間→細かい隙間の順で落ちてくるので、小さく左右に動いて避ける。その次の米粒弾はやや斜めの波なので左右に滑りこむような感じで。そのまま待機していれば、第二波の途中で終る。
スペカ「ペインフロー」:第四波までは中央でじっとしていれば避けられる。第五波で少し弾がバラけてくるので霊撃。細かく左右に動けば避けられるが事故死の可能性があるので無理しない。

3面 目標:8000万程度? 終了時パワー:3.30ポイント エクステンド2(4000万+アイテム)
道中1:タイトルで信仰ポイントが減少するので、ここもできるだけ回収を遅らせる。あとは特筆事項なし。とにかく瞬殺。
中ボス【河城にとり】
スペカ「オプティカルカモフラージュ」:霊撃を使ってもいいが、白弾が交差してできる菱形の中に入り、米粒弾を避けていればまず当たらない。詰みそうになったら霊撃。
道中2:羽根付き妖精の全方位弾の間を抜けるときに、交差する箇所でミスらないようにだけ注意する。いまだにときどきミスする。
ボス【河城にとり】
通常1:弾の間の隙間に入る。動き方としては左右のちょん避けに切り替えしが一回。白中玉にはまず当たらない。
スペカ「ウーズフラッディング」:左右から出てくる白小玉のラインを見極め、その下に張り付いて、落ちてくる白中玉をちょん避け。画面が白っぽくなるのでときどき目がチカチカしてミスする。眼精疲労は敵。
通常2:通常1のややうねり版。弾道はまっすぐなので、弾に近寄りすぎなければ当たらない。
スペカ「河童のポロロッカ」:最初は張り付き。にとりがすぐ弾の中に隠れてしまうので、ひきつけて1霊撃で安定。それほど密集しない弾幕なので抜けられるが事故死の可能性があるので無理しない。
通常3:通常1・2のジグザグうねり版。画面やや下段でリズミカルに左右避けする。体調が悪いとたまに引っかかる。朝一のプレイのときは目が慣れていないので注意。
スペカ「お化けキューカンバー」:ビーム+米粒弾。画面下でちょん避けでいいが、事故ることが多いので霊撃。第二波の後で霊撃り、あまり上で粘らずに下がったほうがいい。粘りすぎるとビームの束に巻きこまれてピチュることあり。

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 4~6面はまた後で。ちょっと鍼を打ちに行ってきます。べ、別に東方のやりすぎで肩を壊したわけじゃないんだからね!

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(8/18)帰還

 本日戻ります。御用の方は夕方以降に返信致します。

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(8/16)お知らせです

 昨日より中国に来ていて、18日夜まで連絡が取りづらくなります。
 もしかするとtwitterで何かメッセージをいただいているかもしれませんが、この国では禁止ですので閲覧できません。何かお急ぎの方は、メールか、こちらのコメントにお願いします。

 人民中国に来るのは何年ぶりだろう。

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(8/12)本の雑誌九月号の特集について(その2)深夜プラス1が閉店するのは翻訳ミステリーのせいじゃない

 引き続き「本の雑誌」9月号の翻訳ミステリー特集について。

 先日開催された電書フリマに私は川出正樹氏、霜月蒼氏、米光一成氏との対談本を出展した。『”この町の誰かが”翻訳ミステリファンだと信じて』という題名が内容については物語っていると思うが(そして、その物語っているとあなたが思った内容の半分は違っているが)、その座談会の前段で私は、自分がやりたいのは「仮想敵を作らずに翻訳ミステリのファンを増やしましょう」ということだと前置きしている。ジャンル文学について語ろうとすると、どうしても〈ジャンル外〉という仮想敵を見出したり、〈ジャンル内〉の戦犯を特定しようという不毛な論争に陥りがちなので、それは止めましょうと言ったわけですね。そういうあやふやなものにすがるより、もっとしっかりした根拠、つまり自分自身の体験を基にして、とりあえずは出発しましょう、と提案したわけである。

 なにせ、仮想敵うんぬんの話は嫌というほど聞かされましたからねえ(遠い目)。

 で、本特集の劈頭に置かれたブックスサカイ深夜プラス1店長の浅沼茂氏インタビューを読んで、またもやがっかりした気持ちにさせられたのである。

 あー、まただよまた。またもや戦犯論だ。こういう仮想敵を作って何か言うような論議は、もう聞き飽きたんだってば。

 浅沼氏の「暗黒の三年間」論を要約するとこういうことになる。

「めったにミステリーを読まない人が一年に一回くらい読んでみるか、と購買意欲を起こしたとき、翻訳ミステリーの場合は『このミステリーがすごい!』が指標となる。ところが二〇〇一年から二〇〇三年まで『ポップ1280』『神は銃弾』『飛蝗の農場』とマニアすぎる本が選ばれた年が続き、初心者には敷居が高すぎて翻訳ミステリー離れが進んだ」

 その三冊がマニア寄りだというのは認める(マニア向けではない本を一般の読者に薦めることに意味があると思うからこそ、今回ベスト30選びに協力したわけだし)。しかし、逆にこうも思うのである。そんな一年に一回のイベントで失敗したくらいで読者離れが進むんだとしたら、そのジャンルにはすでに力がなくなっていたんじゃないの、と。現象は現象であって原因ではないよ、と私は思うのだ。

 もちろんこれはブックスサカイ深夜プラス1一店舗が閉店した遠因ということなので、広く「なぜ翻訳ミステリーが読まれなくなったか」に敷衍した物言いではない。浅沼氏も自らの体験に基づいて発言しているわけだから、「深夜プラス1に関しては」そうだったのかもしれない。なるほど。

 しかし、しかしである。そうなると一つ疑問が生じる。そんな一店舗の事情を「立ち上がれ、翻訳ミステリー」という特集の頭で採り上げるのは、無意味なことなのではないだろうか。だって浅沼氏だって閉店の原因を「ひと言で言うと、不況ですね」と率直に語っているわけなのだから。不況のため売り上げ全般が落ちて閉店するという書店の呟きを、なぜ翻訳ミステリー応援企画のトップに持ってこなければならないのか。

 記事にはこうも書かれている。深夜プラス1の売り上げは「ミステリー関係書が」「当初から三割弱で推移していた」が、「ここ数年は一割いくかどうかまで落ち込ん」だというのだ。最初から売り上げのほとんどは他の書店と同じように別のアイテムで上げていたわけだ(コミックスや雑誌などが主だろう。私はこの書店に何度も行ったことがあるが、学生が多い街ということもあってか、成年向けも含めてコミックは比較的品揃えがよかった)。ミステリー関係ないじゃん! しかも「ミステリー関係書」というからには、それは日本ミステリーも含めた数字だろう。他店の状況から見て、翻訳ミステリーが半分を占めるということは考えられない。よくても三分の一、下手をすれば五分の一以下という感じなのではないか。だとしたら、そのジャンルの売り上げがどうなろうと、ブックスサカイ深夜プラス1の閉店問題の中で翻訳ミステリーの売り上げ減が占める割合というのは、全体の十分の一にも満たないはずなのである。

 同店は、以前には二階でレンタルビデオ店も併営するなど、一九九〇年代にはかなり羽振りのいい時期もあった。それが次第に不況の波に押し流され、ついに耐え切れなくなって閉店に至ったのだろう。オーナー及び従業員のみなさんには深く同情するが、これをもって翻訳ミステリーの現状把握の参考とする見方は、まったくナンセンスなのである。失礼を承知で言ってしまえば、ここ数年の同店に比べて、もっとミステリーを売ろうとがんばっている書店は他にいくらでもある。どうせ話を伺うならそうしたお店にしたらよかったんじゃないの、というのが私の率直な意見である。

 ただし、さらに率直な意見を言わせていただければ、そうした「売れる」「売れない」の嘆き節をとりあげるよりは、もっと他に読みたいものはいくらでもある。「翻訳ミステリー」という特集の題名に惹かれ、お金を払ってくれる読者に提供すべき記事ではないと私は考える。

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(8/12)本の雑誌九月号の特集について(その1)初心者向けベスト30を選んでみました

「本の雑誌」二〇一〇年九月号の見本を頂戴した。巻頭特集「たちあがれ、翻訳ミステリー」の中で、二〇〇〇年代に刊行された翻訳ミステリーの中からベスト30を選ぶという座談会に、霜月蒼、千街晶之の両氏とともに参加したのである。ちなみにこのメンバー、前回の翻訳ミステリー特集の座談会出席者でもある。前回が初心者に敷居の高いベストだったということを考慮して、今回はほとんど翻訳ミステリーを読んだことがない方でもなじめる、とっつきやすい作品を選んだ(異論がある方もいると思うが、そういう方はぜひご自分のベストを選出して他の方に薦めてみてください)。三十冊のうち、特にお薦めの十冊を下に列挙しておきます。この中では順不同ということで。それぞれにマーカーつきである。

『クリスマス・プレゼント』ジェフリー・ディーヴァー(文春文庫)【面白短篇】
『泥棒が1ダース』ドナルド・E・ウェストレイク(ハヤカワ・ミステリ文庫)【面白短篇】
『風の向くまま』ジル・チャーチル(創元推理文庫)【青春】
『荒野のホームズ』スティーヴ・ホッケンスミス(ハヤカワ・ミステリ)【青春】
『わが心臓の痛み』マイクル・コナリー(扶桑社ミステリー)【理屈抜き】
『夜の記憶』トマス・H・クック(文春文庫)【泣く】
『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ(ハヤカワepi文庫)【泣く】
『風の影』カルロス・R・サフォン(集英社文庫)【青春】
『冬そして夜』S・J・ローザン(創元推理文庫)【強力キャラ】
『航路』コニー・ウィリス(ヴィレッジブックス)【泣く】

 選択の基準は、まだ一冊も翻訳ミステリーを読んだことがないけど、日本の小説は好きだという人や、いわゆるライトノベル的なレーベルでミステリーっぽいものは読んだことがあるけど、一般向けの作品で何か読みたいという人に本を薦める、ということである。つまり、まったく本をは読んだことがありません、という人は思い切って考慮の条件から外してある。そういう方に読んでもらいたくないという意味ではなく、薦めるべきものを「私は」なかなか思いつけなかったということだ。もちろん上に挙げたものがおもしろいという自信はあるので、一冊も小説を読んだことがない、という方が手にとっても、だいたいは満足していただけるのではないかと思う。書評家として、太鼓判を押して保証します。
 気になる方は、ぜひ他の二十作にも目を通してみてください(「本の雑誌」買ってね)。

(つづく)

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(8/10)呼吸だって当たり前にできるのは奇跡なんだぜ

 今でも憶えているのだけど、父が臨終を迎えたとき、最後にかけ続けた家族の励ましの言葉は「お父さん、息を吸って」だった。その言葉が聞こえていたのかいなかったのかは判らないが、父は息をし続け、明け方に力尽きた。最後は母が「もう頑張らなくてもいいよ。もう十分に頑張ったよ」と声をかけたぐらい、それは「死闘」というのに近い呼吸だった。

 息をするのだってたいへんなときがある。一息一息に命が懸かっているとわかる瞬間がある。

 家には一人の子供がいるが、生まれたてのころは本当に息が止まるのが怖かった。静かに眠るのである。聴こえないぐらいのかすかな寝息なので、ときどきはっとして息を本当にしているのか確かめたくなる。鼻の前に手をかざして、呼気の存在を確認したほどにわずかな空気の震動だった。乳幼児の突然死の報道を見るたび、胸が痛くなった。きっとその親も、眠っているだけだと思ってわが子の死に気づかずにいただろうからだ。

 今でもときどき、眠っているわが子の寝息を確かめたくなる夜がある。生命が途絶える瞬間は本当に突然やってくるから、息をしばらくしないという単純なことで命の火は消えてしまうから、心配でたまらないのだ。心配性だと嗤いたい人には嗤ってもらって結構である。

 大阪で、幼い子供を部屋に放置して死なせた女性がいた。行為自体はあってはならないことであり、犯罪として裁かれるべき愚行だと考える。再発防止のため、行政や司法の当局がしかるべき措置をとる必要もあるだろう。愚かな女性に対して、さまざまな人が批難の言葉を浴びせている。義憤であろう。しかしいくら感情を爆発させたところで、失われた命は還ってこない。悲憤慷慨したところで救われる人はいない。それがやりきれないところなのだ。行政の手抜かりを批判する声の中には有用なものも含まれているはずだが、いたずらに当事者を萎縮させるだけ、というがなり声は少し慎んだほうがいいと私は思う。

 亡くなった子供たちにしてあげられることはもう何もない。それが辛いのである。しかし、辛いという感情から目を背けるべきではない。

 報道によって事件を知り、真っ先に私が思い浮かべたことは、暗闇で我が子の寝息を確かめた、あのときの感情の揺れである。わずかな瞬間に狼狽や後悔、安堵や感謝などさまざまな思いが胸に去来した。息をすることがこんなにも大変で、奇跡のような瞬間の積み重ねであると、私はあのとき知った。同じような経験をした人は多いと思う。峻烈な記憶だ。忘じがたい、心に打ち込まれた楔だ。しかし、こんな忘れがたい記憶でさえ、失くしてしまえるものなのである。大阪の事件について知って、私はそのことを確信した。人間は、命についての感動さえ、風化させてしまえる生物である。

 他人を批判するより大事なのは、自分たちの記憶を錆びつかせないことである。心を風化させないことだ。テレビを観るよりネットの流れを追うより、自分自身と向き合おう。心の中にある大事なものを失くしたときには、きっと私だって、自分でも思っていなかったような怪物に変貌することだろう。

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(8/3)ぴしっとした追悼文

 京極夏彦氏が村崎百郎氏の追悼文を書いていたことを知った。

 弔意

盟友ともいうべき唐沢俊一氏の書かれたものも読んだが、私は京極氏の文章のほうに心を打たれた。故人を悼みつつ、村崎氏がなぜ「鬼畜」キャラクターとして自分を規定していたのかということにまで踏みこんでおり、きちんとした人物評にもなっている。特に、人の内なる鬼畜性について触れた箇所は、さすがに『魍魎の匣』の作者である。人間が出鱈目な入れ物であり、その中には善意も悪意もごたまぜになって詰め込まれているという真実を指摘している。

 このブログでも触れた『西巷説百物語』のイベントは、村崎氏が刺殺された翌日に開かれたものだった。控室で京極氏は村崎氏についても語っていた。追悼文でも書かれているとおり、三十年来の知己であり、死に衝撃を受けなかったはずはない。そのことをおくびにも出さずにイベントに臨まれたのは流石でした。そういえばあのときも「訃報について一言書かないわけにはいかんでしょうなあ」と呟いておられた。

 自分で書くべきことはすべて京極氏が書かれた。他人の文章ながら、わが弔意としてこれを拝借し、以降は慎むことにしたいと思う。以前、気持ちの整理がついたら云々と書いたので、念のため記しておく。

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(8/2)『小さいおうち』が直木賞を獲ったと書けなかった

 いつの間にか八月になっていた。そして、七月に送ってもらった見本誌のことをいくつか書き残していたので、その補遺をしなければならないのであった。

 レギュラーの「問題小説」八月号で採り上げたのは中島京子『小さいおうち』(文藝春秋)、宮部みゆき『小暮写眞館』(講談社)、リリー・フランキー『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』(新潮文庫)の三冊である。締め切りの都合で、『小さいおうち』が直木賞を受賞したことに触れられなかったのが残念だったが、こればかりはしょうがないね。今回のコラム題名は「あなたのおうちはどこにある」で、「家」について思いを馳せることになる小説を三冊選んで書いた。『小さいおうち』については、以下の文章を抜粋しておくので気になった方は「問題小説」を参照いただければ幸いである。

 ――題名からバージニア・リー・バートンの絵本『ちいさいおうち』(岩波書店)を連想する読者は多いはずだ。あの「おうち」は都市開発によってビルの谷間に沈み、ひとびとから忘れ去られても「おうち」のままでいられた。だから、最後は田舎に移され、幸せな余生を送ることができたのだ。しかし中島は「それだけでは家は家として存続できない」ということを書いたのである。

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