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(10/25)青少年健全育成条例の改正に関する都職員の方からの説明・その5(完)

(承前)

 以下代表者による質疑応答

杉江 質問していいですか? 多分3月の段階ですごく反発が出たのは二次元といいますか、架空の物語の表現を規制するのが恣意的な判断で広がりやすいからだということだったと記憶しているんですけれど、そのへん今回はどんな感じなんでしょうか。

都職員 漫画のキャラクターをなんで規制するんだというような話だったんですね。別に漫画のキャラクターを規制するんじゃなくて子供にそういうのを見せるのをやめましょうということですから、ちょっと見当違いだったんですよ。恣意的に東京都で判断すると言いますけど、東京都で考えているのは刑罰法規に触れるとか反社会的、倫理的な悪質な漫画、強姦しているとかレイプしている、で強姦されていても最後には喜びを感じて自分から求めていっちゃうんだよなんていうような誤った性の内容のものを子供に見せるべきではないということで、なんでもかんでも東京都のほうであれもだめ、これもだめというわけではないんです。本当に悪質なものをやろうということで、今回ご指摘があったものですから、もっと規則の中で刑罰法規に触れる、反社会的な性行為等を描いた悪質なものということで特定するような形で検討しているということですね。

杉江 要するに成年マークをつけていないものが子供の目に触れることが一番の問題とお考えなんでしょうか。

都職員 そうです。本来出版物に関しては出版業界が自主的に取り組んでもらうというのが大前提なんです。そこから漏れて何のマークもなく子供に売られちゃってる、たまたまつけ忘れでなっているのか、あるいは自主的な団体の影響力のないところで売ったもん勝ちというふうに売っちゃっているのかわかんないですけど、そういうのは東京都のほうで不健全図書として指定してきているということですね。

杉江 出版社の、というか流通側の自助努力が現行ではうまく機能していないんじゃないかということなんでしょうか。まあ売るほうにも責任はあると思うんです。例えばコンビニに行くと、雑誌コーナーにここから先は大人のコーナーみたいなのがありますが、表紙を見たらどう考えてもそういうふう(性的)なものというものが普通のコンビニなんかでも買えたりしますよね。だからゾーニングがうまくいっていないのかなと。

都職員 区分陳列という表現で、成人コーナーは成人コーナーと言っているんですけど、コンビニさんは結構そこらへんところはきっちりしていて、18禁成年向けコミックなんて書いてある自主規制で規制している本は一切扱わないんです。あそこに置いているのは二箇所シール止めって青いシールでもって見えないようにしてある本です。コンビニが表示図書は扱わないというスタンスにあるもんだから、どうにかしてニーズのある性的なものをコンビニで売りたいという出版社側が、フランチャイズチェーン協会のほうに立ち読みもできないように自分たちで、これ一枚三円くらいかかるらしいんですね、そのシールをつけるからとお願いをしてあそこに置かせてもらってるんですけど、ただ都民の方からは「表紙だとか裏見ただけでも女性縛られているやつだとかそういうものが置いてある」と。結構コンビニっていうのは子供がお菓子を買いに行ったりアイス買いに行ったりする。そういう目線の高さにそういうもの(雑誌)が置いてあるっていうことで東京都のほうにも苦情としてきています。それはフランチャイズチェーン協会のほうにもう少し上に上げるとか、置き方も全部見えないように置いてくれという申し入れはしているところですね。

杉江 あと、青少年健全育成条例の中にそういう性的被害にあった児童のケアの部分でしたっけ、被害にあった子に対するケアの情報提供をする、支援をするというような一文があったように確か記憶しているんですけど、そちらのほうは強化とかされないんですか?

都職員 そこもですね、福祉保健局で心のケアとかをやっているところがあってですね、青少年治安対策本部のほうで踏み込んでいけるというところがある程度までなんです。ですからそこと連携をしながら、そういう児童を把握した場合には連携をしながら適切なところについていく(報告する?)ということしかですね(できない)、青少年治安対策本部でもって心のケアをできる診療心理士を確保しているわけでもありませんし、独自で心のケアまでしていくっていうことはできないもんですから、そういうちゃんとした施設、団体に対して引継ぎして連絡をとっていこうというように思っております。

杉江 それは児童ポルノの親の問題もそうなんですね。そこでは規制は指導というか、そのくらいしかできないということなんですか。

都職員 児童ポルノであればそれは犯罪ですからその被害者をうちが把握した場合には当然警視庁に通報して対応しますし、警視庁のほうの少年育成課のほうであれば心理士の先生なんかも少年センターのほうで確保してますからその後の相談なんかもずっとやっていっていただけると。そういう責任のある部署との連携をやっていくというスタンスです。

杉江 私見ですけど、紙のものよりも保護者のわがままで将来に傷を残すようなことになった児童のケアのほうが優先順位は高そうな気がしています。もちろんインターネットもそうなんですけど、なんとかそちらのほうには力も入れてほしいですし、ゾーニングの問題も、子供の目には触れない状態にはしていただきたいんですけど、まあそれと表現の話は別物で、それはそれで大人の世界で勝手にしろとは思うんです。

都職員 18歳未満といっても小学校から高校三年生の17歳、18歳になる直前の子まで幅ひろくいて、全部に同じ漫画もダメダメというのもおかしい、だからある程度年齢で判断できるようになった16、17歳であればある程度のものはやっぱり見て(いくだろう)。セックスっていうものは年代に応じて教えていくべきで、であれば全部を全部もう一切ダメとは言えないものですから、出版の自主規制団体にはレーティングという13歳未満、15歳未満、18歳未満という段階分けを考えてほしいと。映画とかゲームでもR-15とか指定になっている、あとゲームであればABCDZということで年齢分けになってこのゲームはこの年代までいいですよ、というようなことをやっているんですけど、出版にもそれを申し入れしているんですよ、昔から。でも週刊誌なんかポコポコ売れるものを事前に審査なんかできないから無理だっていって対応してもらえなかったんですけど、今回東京都が条例を出したことで今回東京都本気だなと思ったらしくてレーティング検討しますって言ってきました。

杉江 本当にマズいものと切り分けしますということを検討しますということなんですね。ありがとうございました。

他の出席者 コミックの単行本はそんなに問題じゃないですよ。単行本を買うっていうのは子供たちにとってすごい勇気がいるもんです。一般の週刊誌の中にこういう(エロ)のが扱っていてそれが単行本化されるっていう傾向があるんですね。問題はその週刊誌の中で扱っている、週刊誌は子供でも手に入るもんですから。大人が読み捨てればそのへんにありますよね。で何が載っているかわかる。そのあたりを徹底的にしないと。やるならこういう単行本の購買年齢層がどの程度のもの、例えば15歳までがどれくらいの割合で購入しているのかとか、はっきりそういうことをしないと。いずれ目に入るものを成人コーナーにどけたからいいっていう問題ではないですよ。本当に徹底的にやるならば出版元を断たなきゃダメなんです。

都職員 このAなんていうやつなんかはBというちょっとエッチ系の雑誌からコミック本になっているんですけど、雑誌ではシール止めだったりして見えないようになっているのをコミックにするときにちょっと表現を和らげて成人マークつけずに売っちゃおうっていう、大人の都合なんですよね。収益をあげるための大人の都合でこういうものが子供の手の届くところに置かれていると。と出版のほうには言うんですけど今電子ブックだとかインターネットのほうで見れてしまうということで出版のほうでも危機的状況なんですね。なかなかそういうこともやりたいんだけど死活問題、食っていくのをどうしようかって心配してるくらいで、なかなかこちらの申し入れに対してよし、ということで対応してもらえない状況なんですね。

他の出席者 大人の週刊誌の中から除くというのはかなり難しいと思うんですけど、少女コミックの類でかなりドギツイ場面がありますよね、そういうものは断つことはできるだろうと思いますね。少女と謳っているからには。購買層が明らかに中学生以下とわかる、高校生対象というものはいくら週刊誌でもかなり歯止めをかけなきゃいけないだろうというふうに思いますよ。あと罰則規定のないものはかなり難しいだろうと思いますよ。いくら条例で定めても。

都職員 この不健全図書についての罰則というのは不健全図書になった場合には子供に見せたり売ったり貸したりしてはいけないという禁止事項なんですね。そういう本を子供に対して売っている、あるいは漫画喫茶なんかで子供に貸与えているというのをうちのほうで把握した場合にはまず警告をいたします。で、警告を行ったのになお売ったり見せたりしていた場合には罰金30万という罰金があるんですけど、過去一度も適応した例はないです。現場の指導でだいたい指導に従ってそういう措置をしてくれるということで実際にはないですね。あと先程おっしゃった大人が呼んだ漫画、雑誌なんか漫画雑誌なんかそこらへんにぽんと置いておけば子供は目にするじゃないかということでもう20数年前に白ポストというのを一時期街角に置いて家に持って帰れないような漫画はそこにいれなさいということをやったんですけど、段々ゴミ箱みたいなことになっちゃって知らない間に立ち消えになっちゃったっていうのはあるんですよね。

他の出席者 エロ本の自動販売機は確かに努力でなくなってきましたけど、それ以上のものが普通のコンビニとか書店に並んでいる現状は歪んできていると思います。我々のプレイボーイの時代なんかかわいかった。

都職員 私も中学高校のときにエロ漫画雑誌っていうのはあってですね、そういうのを隠れてやっぱり見たんですけど、そのとき見ていたっていうのは大人のセックスを描いた漫画を、今は子供のセックスを描いている漫画が子供に見える状況になっている、これはやっぱりおかしいだろうというのが今回の条例の始まり、出発点だったんですね。だからそれはもう子供の健全な成長のためにある程度の制約をしてもらうのは出版のほうもやってよ、というようなところですね。
 それではどうも時間長くなって申し訳ありませんでした。

(終)

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Comments

都側の言い分は嘘八百ですね。
この条例案の基となった青少年問題協議会の構成員は漫画も児童ポルノとして取り締まれと主張している急先鋒の方々です。
また、ドぎついエロだけと言っていますが、猪瀬副都知事がテレビ番組に持ってきてあげつらった漫画は性交自体も存在しない作品でした。
都側の言い分はコロコロ変わっていて、全く信用ならないものです。

Posted by: ねこ | October 26, 2010 01:48 PM

青年誌で宗教の教祖が信者をセックス付けにして、それをその話の主人公や信者の家族が反対、間違いだと説得する事で正しい事を伝えようとする漫画もあったが、職員の話だとそれらも規制されるから反対。

Posted by: やす69 | October 27, 2010 12:48 AM

ねこさんの言っている漫画って、性知識なければ、ただ単に練乳かけてたり、バナナ食べてるだけですよね・・・

性交してると連想した規制派の頭の中が破廉恥なだけ。

Posted by: やす69 | October 27, 2010 12:52 AM

表現が子供が見るにはどうかという物に成人マークを付けてそうでない物と分けて売りましょうというだけと言っていますがそもそも成人マークを付けた本を置いている本屋が殆ど無いという現状をどうにかするのが先なのでは。受け皿が整っていないのに制限すれば本来制限範囲外の人(成人者)もそれを入手する事が出来なくなるので事実上の販売禁止・出版禁止となんら変わらない事になる。そんな事は不健全図書の指定検査の為に定期的に本屋に行って大量の本を買っているんだから都職員側も周知しているはず。18禁指定のある本はコンビニはおかないんですという事をしっかりしてますと言っているって事は本屋もそうしろそもそも18禁指定の本なんてこの世にいらないんだって言っていると思ってしまうのは穿ち過ぎですかね?

Posted by: hoyo | October 30, 2010 05:00 PM

児童や親が条例の真の意図を誤解している、と言い訳していますが、そんな話をしにくる職員がいて、一万人の担当者も、書店やコンビニをチェックできるくらいなら、その担当者を定期的に一万の学校に差し向けて、児童と保護者にケータイの危険性や、児童ポルノ被害などについて「啓蒙教育」する方が、よほど効果があると思います。誌上に出回っている物を規制する行為の困難と危険は、過去と現代を顧みれば明らかでしょう。

Posted by: 小笠原功雄 | October 31, 2010 09:09 AM

気になることがありましたので、コメントいたします。
まず、この説明会は都から話があって、行なわれたのか、それとも、PTA側から持ちかけたのか、どちらなのだろうということです。
また、第1回に杉江さんが書かれたコメントの中の、反対する出版社や作家などは自分達の権利を守るために反対している、というのは私には疑問です。
ただ、出版界で広くお仕事をされていると、そういうことがはっきりとわかるのでしょうか。
私個人は反対派です。そして、東京都というたった1つの地方公共団体の決定が、現在の日本では、日本全国の決定になってしまうという現実を何より憂いています。

余談ですが、サッカレーの「虚栄の市」はピカレスクの要素を含む小説ですが、純粋なピカレスクではありません。また、当時は犯罪小説というジャンルはありませんでした。ピカレスクは本来はスペインの18世紀のあるジャンルで、それが他の国にも広まりましたが、19世紀にはすでに純然たるピカレスクは終わっています。
現在日本で使われているピカレスクは当時のものとは違いますが、ロマンスも実は、かつて使われたものとは違う意味で現在は使われているので、それはしかたのないことでしょう。
ツイッターをやっていないので、ここに書かせていただきました。

Posted by: 新藤純子 | November 01, 2010 01:44 PM

>新藤さん

 コメントありがとうございます。
 第一のご質問ですが、この説明会は、私の住んでいる自治体の小学校PTA連合会に対し、都小Pを通じて働きかけがあって実現したものです。それ以上のディテールは、固有名詞を出して説明せざるを得ないので割愛させていただきます。

 第二に、「反対する出版社や作家などは自分達の権利を守るために反対している」と私がコメントしたという件ですが、拙文に少しバイアスをかけた読み方をされていると思います。

 新藤さんがご指摘になったのは、私が「そして、そうした情報・コンテンツを扱うことによって利益を得ている側の人間が自分の権利だけを主張するのは変だとも考えている」と書いた箇所かと思います。ただ、「自分の権利だけを主張する」反対運動だとしたら、やはりそれには疑問を感じます。もちろん今回の反対運動において、主導されている方をはじめとするみなさんは、そういう意図ではないと考えております。

『虚栄の市』の一件、ご指摘ありがとうございます。ここにはツィッターをご覧にならない方も多いかと思いますのであえて引用しますが、「たとえば、『悪者の文学』のフレデリック・モンテサーは『虚栄の市』をピカレスク・ロマンの延長線上にあるものとして論じていた。あれはどう読んでも犯罪小説ではないしな」と書いた件ですね。たしかに「ピカレスクの要素」を含む小説であっても、いわゆる「ピカレスク」そのものではないというのはご指摘の通りだと思います。

 というわけで長文失礼しました。今後ともよろしくお願いします。

Posted by: sugiemckoy | November 01, 2010 04:18 PM

あえて毛色の違う意見を記したいと思います。
この条例が可決された場合、考えられる経済的損失は相当な物になります。
エロマンガを扱ってる出版社だけじゃないですよ?
製紙業、印刷業、物流関係に相当なダメージが発生します。
「エロマンガなんてマンガのごく一部で少ないから影響ないのでは?」と思われるかもしれませんが、過去に警察関係者の発言で「少年ジャンプだって18禁なんだ」というものがあります。

大手が軒並み傾いてしまう可能性が大きく、税収が下がるのも予想の範疇です。
かけるべき所にお金がかけられなくなるという事です。
都民、国民が総じて「清貧」を受け入れられるのであれば良いのでしょうが、現実的には無理でしょう。

「水清ければ魚棲まず」と昔の人は言ってます。
無菌培養で育った子供達が社会に出る耐性があるのかどうか。
清濁併せ呑むくらいじゃないと生きて行くのは辛いと思いますよ。

以上、乱文長文にて失礼致しました。

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