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(10/25)青少年健全育成条例の改正に関する都職員の方からの説明・その4

(承前)

3)性的な表現を含むコミック
 最後に、今回一番反対が強くてですね、著名な漫画家のちばてつやさんとか永井豪さんまで記者会見をして反対をされてしまったという部分です。

(以下コミック誌、単行本を見せながら)
 これはどういうものかと言いますと、表紙を見ますと非常にかわいい女の子の絵なんですね。こんなの子供の机の上の置いてあってもどうってことないと思うんですけど、中開くともう最初からセックス場面ばかりです。要するにエロ漫画なんです。ただエロじゃないんです。学校の中でセックスしていたり、父親と娘、あるいは兄と妹、姉と弟、そういうような形のエロ漫画としか言えないものです。こういうものを普通は、出版社のほうの自主規制という制度があってですね、18禁ですとか成人コミックというマークを本来こういうものにはつけてくださいという今の条例でもって決まっているんです。ところがそのマークをつけてしまうと販売のルートが限られてしまうということで、出版社は本当に過激なもの以外はマークをつけていないで売っているという状況なんですね。ですから東京都は小・中学生がまだそういう判断能力を持たないうちに、父親と娘がセックスをしている絵だとか、あるいは愛情があれば兄弟でもセックスをしていいんだ、セックスをすることによって愛情が確かめられるんだというようなちょっとおかしい漫画、こういうものを子供に小さい頃から見せるべきでない、と考えています。決していい影響は与えないと思うんですよ。ですからこういうものは大人の棚、成人コーナーに置いてくださいということを条例の中で盛り込もうということです。

 現在ですね、不健全図書指定という条例があります。これは性的感情を刺激する、それから自殺を助長する、犯罪を誘発する、残虐性を高めるというのは、青少年に見せるべきではないというような本を東京都が不健全図書と指定して成人コーナーに移す、子供に売らないようにするという制度なんです。
 どういう形で指定があるかと言いますと、まず都の職員が都内の書店ですとかコンビニを回りまして、一般の書棚に並んで得られている本を調査購入という形で買ってまいります。どういう基準で買うかといいますと、題名ですとか帯紙に書かれている内容、それから出版社等を判断しまして買ってまいります。というのは今立ち読み防止でもってこういう本は全部ビニール包装かかっているので本屋さんで中身確認することができないものですから、性的なものがある、あと残虐性があるかなと思われるものをだいたい月に120から130冊くらい買ってきて東京都のほうで中を見ます。で事前審査ということで基準に基づいてだいたい月に4,5冊ですね、一冊というときもありますけどだいたい4,5冊くらいこれは子供に見せるべきではないという本を選別します。
 次に何をするかと言いますと、自主規制会議というふうに書いてあるんですが、これは出版関係でもって自主的な取り組みをしている出版倫理協議会とか出版倫理講話会という団体があります。そこの団体の方、それから新聞販売懇談会ということでもって新聞の駅の売店なんかを担当しているようなところ、それからフランチャイズチェーン協会、これはもうコンビニさんが全部属しているところですね、そういうところで自主的に取り組みを行っているという方々の集まりのところに都のほうで選別した本を全部一冊一冊中身を見ていただきます。そして意見をいただきます。そしてその意見と本を添えて健全育成審議会と書いてありますが、これは都民の代表の方ですとか、それから保護者の代表の方、都中Pの方もいますし主婦連の方も入っております。それから学識経験を有する方々ということで新聞の論説委員の方等に入ってもらっていますが、その方々に、自主規制の専門の方々の意見と実際の本、これを全部見ていただきます。でそこの審議会の意見に基づきまして、これは青少年に見せるべきではないという答申をいただいたものについて都知事名でもって指定をするということになっております。
 都知事名で指定をするとどういうふうに周知をするかと申しますと、東京都の広報に告知するのとあわせまして、都内の書店、コンビニ、それから警察と市区町村、それと都民の方々で健全育成協力員という、千名ほどですね、都内の売店、書店やコンビニをまわってもらってこういう不健全な図書が子供に売られていないかどうかの調査をしていただいている方がいるんですが、その方々が約一万箇所にですね、周知はがきということではがきでもって不健全図書の指定をした本の題名と出版社名を周知いたします。そうしますと本屋さんではそのはがきがきたところでは成人コーナー、子供の手に取れないところに置く、図書館でも大人のほうに置く、コンビニなんかは指定になった本は一切取り扱わないというような取り組みをしていただいております。

 というようなことで流れはあるんですが、その不健全図書の現行の条例、先程言いました通り今でも既に性的感情を刺激する漫画と言うのは十八禁図書という事で子供に見せないことになっているんです。ただし現行の基準というのは本当にドギツイエロ漫画なんですね。ところが本日持参した漫画は、ちょっと見ていただくとひどいと思われるかもしれませんけど、このレベルの書き方ですと、現行基準では不健全な図書としての指定ができない状態なんです。ですから新たに今の基準を広げて、じゃあこういう子供の悪質な漫画も基準に入れましょうよということです。単に基準を広げただけだと、それこそ東京都は東京都の判断でどんどん基準を広げてしまうじゃないかと言われるので、それではちゃんとこうした子供を対象とした悪質な漫画、これを不健全図書にしますという新たな条文建てを今回考えたというようなことです。

 新聞の切り抜きも一緒に配らせていただいております(朝日新聞大阪版切抜き)。これは朝日新聞の「子供とメディア」という欄で、性と漫画ということで特集を組んでいただいたものです。大阪の朝日新聞の文化部の方が東京都に取材に来まして、記事を作ってくれました。大阪では掲載してくれたのですが、大阪の本社のほうに非常に反対派からクレームがついたと。なんだこの記事はと。一週間か十日後に東京のほうの新聞でも載せる予定だったんですけど、反対の意見がきちゃったものですから、東京の朝日は躊躇して、残念ながら載せてもらえなかった。ここ見てもらいますと子供がコンビニでもって女性が縛られている絵を見てショックを受けたという状況があったりですね、子供が手に取ることのできる漫画、酷いものがあるというようなことを本屋さんの現場を見てびっくりしたという内容が書かれています。
 もう一つはこれも朝日新聞なんですけど、これは朝日新聞のほうで独自に調査していただいたんですね。子供に読ませたくないなという漫画ありますかという調査をしたところ、74%の人がはいということで回答しています。一番多かったのは性的な描写が嫌だ、二番目が暴力的なもの、ということで子供に読ませたくない漫画が実際にあるということですね。その下の円グラフで漫画が子供に悪影響を及ぼすと思いますかということで82%の方が悪影響を及ぼすというような回答をしていただいております。

 先程も言ったとおり条例を提出するにあたって本当に一番条例の対象になる都民の皆さんに対する説明というものをまったくしていない状況があったんです。ですから今回は条例提出前に機会を設けていただいて、東京都がやろうとしているというのは漫画を書くなとか出版をするなということではなく、こういう子供に見せるべきではないという悪質なものをせめて大人のコーナーに置いてくださいという条例であって、創作活動が萎縮するとか表現の自由を侵害するという反対派の方はおっしゃってるんですけど、いや自由に書いてください。もうエロ漫画書いていただいて結構です。出版もしてください。ただし成人コーナーに置くようにマークをつけよう、子供には見せないようにしましょう、そういうようなことを取り組みましょうよというような条例です。
 東京都のHPに52ページに及ぶ質問回答集も掲載しています。インターネット上では、中には悪意をもって曲解、あえて違う方向へ先導しようというようなことで、でたらめな書き込みをしている方もいらっしゃいます。それを見た子供が私どもに電話をかけてきて「東京都の子供は漫画が見れなくなるんですか」と質問をしてくるんですよ。「インターネットにそう書いてあったんです」と。「いや違うよ、東京都でやろうとしているのは小さいうちに見るとよくないと思われる本を大人になってから見ましょうということなんですよ」と説明してあげると「ああわかりましたー」って言ってくれるんですけど、全くの誤解に基づくインターネット上の書き込みにはその質問回答集でお答えしておりますので、後ほど目を通していただくといいのかなというふうに思います。

(つづく)

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Comments

はじめまして。大変興味深い記事を読ませていただき、ありがとうございます。

少し質問がありますのでコメントを残させていただきます。


東京都職員から改正案に賛同する朝日新聞地方版の記事を見せられ説明を受けたと書かれておられますが、東京都民からのパブリックコメントを都議からの要請でもなかなか公開せず、反対意見の部分を黒塗りで公開した事は説明されましたでしょうか?

また、その改正案への都民からの賛成意見が全1581件中のわずか16件であった事も、説明は受けられましたでしょうか?
http://ascii.jp/elem/000/000/528/528238/

Posted by: F | October 25, 2010 at 07:46 PM

>Fさん
コメントありがとうございます。

http://mckoy.cocolog-nifty.com/hansei/2010/10/1025-2e5c.html

に記した通りで、重要な質疑応答については手を加えていません。

Posted by: sugiemckoy | October 25, 2010 at 11:44 PM

お答え、ありがとうございました。

なるほど、事務的な説明のみであったという事なんですね。
東京都の説明が本当に、“マスコミが~”“漫画家が~”“誤解が~”といった感情のない安直なものだけなのか疑問でありましたが、事実の様で大変残念です。

東京都が自身で集めた都民からのパブリックコメントはその殆どが子どもの為にはならないと、同改正案に反対であったという事実を伏せているというのも民主主義国家として本当に恐ろしい話です。

なおパブリックコメント公開を請求された西沢けいた都議が、その詳細をご自身のHPで公開されています。
http://24zawa.jp/images/100610_total.pdf


子どものために、本当に必要で大人がすべき事がなんなのか。それをこういった安直で型どおりな説明でおざなりに済ませている都行政に対し、怒りを感じずにはいられません。

貴重な事実を伝えていただき、ありがとうございました。

Posted by: F | October 26, 2010 at 03:20 AM

この問答の中で少女コミックの購買層は中学生以下と言っているのは間違っています。問題としているコミックの購買層は中学生以上(主に女子高生)です。又都の職員さんが業界側がレーディングを検討すると言っていましたと言っているのにその結果や経過を観察すること無くやっぱり条例は必要だから作りましょうと言っているのもおかしい。今の有害図書指定では規制できないと言っていますがこの基準は明確に決まっている物ではない(こういう場面がこれだけあったら駄目とか)ので今の基準が実際の出版物の内容に追い付いていないというのなら基準を見直せばよいだけで新しい条例を作る必要など何処にも無い

Posted by: hoyo | October 30, 2010 at 04:26 PM

 情報有難う御座います。

>(以下コミック誌、単行本を見せながら)
 どんなコミックを何ページくらい見せたのか気になります。かつて手塚作品「複眼魔人」で女性に着替えシーンだけを理由に焚書した議員が居たと言う話を思い出しました。

もし支障なければ、この記事を「阿修羅掲示板」に転載して広めたいですが、宜しいでしょうか。
http://www.asyura2.com/10/senkyo102/index.html

Posted by: 戦争とはこういう物 | December 18, 2010 at 02:10 AM

>戦争とはこういう物さん

 週末を挟み、レスポンスが遅くなってしまい申し訳ありませんでした。転載の件ですが、URLのリンクはまったく問題ありません。文章自体の引用については、一応文責が私なので、常識の範囲内に留めていただければ、これも問題ありません。よろしくお願いします。
 職員の方が当日持参していた漫画は、秋田書店や日本文芸社などのコミックス(具体的に作者名を覚えているものもあるのですが、万一ご迷惑がかかるといけないので控えます)で、当該箇所などに付箋の貼られたものでした。雑誌の持参は(私の覚えている範囲では)なく、コミックス以外にはU-15と思しき写真集が数冊ありました。ご参考になれば。

Posted by: sugiemckoy | December 20, 2010 at 01:34 PM

 回答有難うございます。転載させていただきました。恣意的に成らぬ様、やや永く1ページ分となりましたが。
http://www.asyura2.com/10/senkyo102/msg/591.html

>当該箇所などに付箋の貼られたものでした
やはりストーリーなどに触れずに絵のインパクトのみの説明でしたか。
 室町時代の人肉食を扱ったジョージ秋山マンガ回収騒動時も、ある1コマが強調されてました。

Posted by: 戦争とはこういう物 | December 20, 2010 at 09:20 PM

>戦争とはこういう物さん

ご連絡ありがとうございます。引用の確認いたしました。

Posted by: sugiemckoy | December 21, 2010 at 12:30 PM

pdf版(*^ヮ゚)σ(http://para-site.net/up/data/41730.zip)
>青少年有害社会環境対策基本法案
>2014年の第186通常国会では、子ども・若者育成支援推進法の改正案として、中曽根弘文ほか4名により「青少年健全育成基本法案」が参議院へ提出された。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E5%B0%91%E5%B9%B4%E6%9C%89%E5%AE%B3%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E7%92%B0%E5%A2%83%E5%AF%BE%E7%AD%96%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E6%B3%95%E6%A1%88
>青少年有害社会環境対策基本法案 - Wikipedia

  青少年健全育成は純潔教育ニャ♪m(ΦωΦ)/
純潔教育は貞操観念の押し付けだと思うニョ (´・∀・`) ウヒッ
貞操観念は女性の人権を侵害するニャ (≧∀≦)b
女性の人権を守るために、青少年健全育成基本法案に対して対抗手段をとる必要があると思うのニャ。( ̄▽ ̄)σσ
  女性の人権を守るニョにゃぁぁぁあああ! ヾ(@⌒▽⌒@)ノ

m9(゚∀゚)Идиот!> номенклату́ра
נומנקלטורה עמלק
Ceterum autem censeo, Nomenklaturam esse delendam.

Posted by: 春九千 | October 10, 2014 at 03:41 PM

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Ceterum autem censeo, Nomenklaturam esse delendam.

Posted by: 春九千 | March 14, 2015 at 10:21 PM

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