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(12/3)\松恋屋!/\松恋屋!/\松恋屋!/その3

 本日から、

 翻訳ミステリー大賞シンジケートにおいて、『サバービアとミステリ 郊外/都市/犯罪の文学』の「サバービアのミステリはいつ誕生したのか」?」の章を、

 ブックジャパンにおいて「マイノリティはなぜ自己主張をしなかったのか?」の章を、

 それぞれ無料で読むことができます(ブックジャパンでは文学フリマ事前特集も!)。ぜひお試しを。

『サバービアとミステリ 郊外/都市/犯罪の文学』は、「サボテンのような形状を目指して」作った本でもあります。つまり、あちこちから棘が飛び出している。その棘=仮説にひっかかった方と、有意義な議論ができればそれに越したことはないというわけです。すべすべしたもの、収まりかえってすました顔をしているものは、読んでいるうちは楽しいけど後に残らないな、というのが正直な感想。棘棘していたほうがいいんです。

 というわけで今回はその十六本の「棘」を一挙公開。少しでもひっかかるものがあったら、ぜひ実物を読んでみてください。

 いきますよ。

【仮説1:1950年代のアメリカのミステリに起きた変化を日本のミステリが無視したことが、日本ミステリの特殊進化に繋がった】

【仮説2:「キリストと銃」という価値観のセットから生まれたアメリカン・ヒーローは多数派か?】

【仮説3:サバービアなもの、郊外を舞台にしたミステリの嚆矢はヒラリー・ウォーである】

【仮説4:チャールズ・モンロー・シュルツの『ピーナッツ・コミック』はサバービアの話】

【仮説5:トレーラーハウスとサバービアの間の緊張関係で読み解くことができる小説もある】

【仮説6:舞台となるコミュニティーの性格によってコージー・ミステリを分類することができるのではないか。イギリスを舞台とするアメリカ作家マーサ・グライムズなどは補助線にならないか?】

【仮説7:共同体の集会は、アメリカ・ミステリの根幹をなすものとしてこの先も変わらない重要な要素である】

【仮説8:1940~50年代のアメリカでは、サバービアに出て行かなかった者によって、人種問題の尖鋭化や犯罪の悪質化などの問題が生じた都市が描かれた小説が多く書かれた】

【仮説9:サバービアではヒラリー・ウォーが抑圧された性を描き、都市ではエド・マクベインが暴走する性を描いた】

【仮説10:こうしたアーチャーものの構造と映画化もされたジョン・チーヴァーの小説『泳ぐひと』との相似は単なる偶然か。ロス・マクの問題意識とチーヴァーらのサバービア小説とに影響関係があるのでは?】

【仮説11:マイノリティ文学が少ない理由のひとつは、同調圧力が当時の文壇や論壇にあったからだ】

【仮説12:アメリカの白人にとっての、心の故郷のような象徴が1950年代である】

【仮説13:人種的マイノリティにしろ若い世代にしろ、サバービア神話に反論ができるようになったのは1960年代に入ってからのことである】

【仮説14:核の恐怖や共産主義者の脅威のような外圧のよく判る小説が一方にあり、そこに過剰適応していく男性作家がいる一方で、家の中に閉じ込められた女性は、閉じ込められたがゆえに自分の内的な問題を小説にしてブームを生んでいくというのが50年代の大きな二つの流れである】

【仮説15:本格とハードボイルド、どちらの側を出自とする作品でもエアポケット的にヒーロー不在の時代ができてしまったのが1950年代】

【仮説16:洗練された一つの原型として50年代のアメリカ・ミステリがある】
 ふう。

『サバービアとミステリ 郊外/都市/犯罪の文学』は第11回文学フリマで頒布開始します。前編『”この町の誰かが”翻訳ミステリファンだと信じて』と併せてお読みください。

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