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本日、法月綸太郎さんとのミステリー評論対談です

 どうも読書の神様に見放されてしまったらしく、手に取る本、手に取る本がすべて今一つという罰を受けている杉江松恋です。こんにちは。これも私の黒い心ゆえでしょうか。

 既報のとおり本日は新宿BIRIBIRI酒場において、法月綸太郎さんをお招きしての評論対談を開催します。
 前売を購入されていない方でも「ブログ読んだ」の一言で前売価格で入場できるように手配しておきますので、今からでもひとつご検討ください。

詳しくはこちら

 というのも法月さんの『盤面の敵はどこへ行ったか』がたいへん素晴らしいからであります。この本の中に含まれている問題意識をひとつずつ取り上げるだけで、2時間という予定は終わってしまいそう。場合によっては中入りの休憩もすっ飛ばし、お客さんにもトイレをがまんしていただいて話を進める予定であります。
 いくつか話題にしたいことはあるのだけど、ここでちょっとだけ書いておきましょう。

・ミステリー・ジャンル内の作家はモダニズム文学の筆法を範とし、その轍を行くことをよしとしてきた。しかし、そういう行き方とは別を行った作家もいたのではないか? たとえばフランスの新聞小説(ロマン・フィユトン)の路線を踏襲するというような。

・「伝統芸能としてのハードボイルド様式は、もはやテーマパークの中でしか生き延びられないのではないか」(P58) この問は、拙著の第二部で触れたネオ・ハードボイルドの様式化という問題につながる。問われるべきは「様式」の強度なのか否か。

・古典的なパズラーの作法を現代的な小説に求められる人物描写、社会問題を扱うための視座の持ちようなどと同居させる道がどこかにあるのではないか。それは必ずしも羊頭狗肉なものになるとは限らないのではないか。

 などなどと。
 本書を読んで「語りの型」についての示唆を多く受けました。ものごとにはそれにふさわしい語り方がある。その語り方を導入することによって内容は変容する。そのことを逆手にとった作品、及び用いられた技巧についての言及は、実に痛快なものでありました。

 たいへんおもしろかったので、ぜひ同じおもしろさを多くの方と共有いたしたく。
 本日お待ちしております。


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