『路地裏の迷宮踏査』御礼
というわけで、推協賞に続き、『アガサ・クリスティー完全攻略』が本格ミステリ大賞受賞ということになりました。霜月さん、おめでとう。
『路地裏の迷宮踏査』は二度も注目される機会を作っていただき、幸せな本です。受賞を逸したこと自体は正直残念ですが、もともとどこまで声が届くかわからないという気持ちで書いていたものですので、ここまで評価していただいただけでも十分です。海外ミステリーに注目してもらうための試みとして、また肩の凝らない形で作家の月旦を語るエッセイとしてはある程度の期間残るものを書いたつもりですし、この方向での努力は、良書の読者を増やすためにコツコツと続けていきたいと思っています。
唯一の心残りは、連載から本の完成までの長い期間、遅筆な私の伴走役という損な役回りを引き受けてくれた編集者の諸氏を、晴れがましい舞台にお連れすることができなかったことです。それは今後の仕事で『路地裏の迷宮踏査』に負けない結果を出すことによって恩返しをしたいと思います。あの本を担当してよかった、といつか言っていただくために、今日からまたがんばろうと思います。
これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。
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